朝日新聞デジタル:ブラックバス放流免許、承認へ 山梨県、外来魚批判の中


銭になるなら何でも良い。文化遺産だし、自然遺産じゃないし。素晴らしい役人論理。

これまでの河口湖に移入された在来種以外の魚種は数知れず。
自然保護なんて言葉は富士五湖にはありません。
ワカサギの放射能検査だってやってなかったんですから。

世界遺産だから云々なんて言葉は山梨県には通用しないんです。
ブラックバス釣りに興じていた芸能人の皆様は今はいずこ?(糸井さん、清水さん、その他)

富士五湖はいったい誰のもの?

以下記事
ブラックバス放流免許、承認へ 山梨県、外来魚批判の中

 世界文化遺産に登録された富士山のふもとに点在する河口湖、山中湖、西湖でのブラックバス(オオクチバス)の漁業権について、山梨県が地元漁協の免許の更新を認める方針を固めた。生態系に悪影響を及ぼす特定外来生物に指定され、全国各地で駆除活動が進められている外来魚。日本魚類学会や自然保護団体が、更新を認めないよう県に要望していた。

 ブラックバスは、釣りの対象魚として人気。2005年の外来生物法施行以後、全国で放流が禁じられた。だが、山梨県の富士五湖のうち河口湖、山中湖、西湖と、神奈川県の芦ノ湖の4湖に限っては、法施行前から各漁協が漁業権を持っていたため、「特例」として免許が認められた。

 山梨県はウェブサイトなどで「積極的にオオクチバスの漁業権を設定すべきではない」「将来設定しなくなる可能性もあることから、漁協に対しそれに対応できる漁場管理体制を検討するよう求めていく」との考えを表明していた。

 漁業権に基づき、山梨県の3湖の漁協はバスを放流し、釣り人から遊漁料を徴収してきた。今年、10年に1度の漁業権の更新を迎え、各漁協は更新を申請した。これに対し、日本魚類学会(会長=木村清志・三重大学教授)は4月、「特定外来生物の事業放流は不適切」として、漁業権更新に反対する要請文を提出。西湖でクニマスの生息が確認された点にも触れ、「生物多様性基本法にも反する」と指摘。市民団体も同様の要望書を出していた。

 県は、免許の更新時にも法律の「特例」は適用されると判断。7月3日に免許の内容にあたる「漁場計画」を内水面漁場管理委員会に諮問する方針だ。担当者は「漁業権は財産権。世界自然遺産ならともかく、文化遺産では打ち切る理由にならない。いずれは減らしていきたい」と話す。

 神奈川県は3月、芦ノ湖の漁業権の更新を決めた。ただ、芦ノ湖では04年以降、バスの放流をやめ、人工産卵床の設置だけにとどめている。県の担当者は「更新に問題はないと考えているが、反対意見が多く出るようであれば、再検討もありうる」と話す。

 環境省は「漁業権は県の所管であり、県の判断を見守っている」としている。

■地元、釣り客頼み

 山中湖で19日、今年初めてブラックバスが放流された。直後の週末には、貸しボートや自前のモーターボートに乗った釣り客で湖面がにぎわった。さらに人気が高いのが河口湖。川崎市から来た男性は「バスとの駆け引きが一年中楽しめる、一番有名な湖。バスの駆除や釣りを禁止するのはやめてほしい」と話した。

 河口湖漁協の遊漁料は1人1千円(前売り日券)。同漁協は1989年にバスの漁業権を設定し、90年代には釣り客が年30万人を超えたが、近年は年間4万5千〜5万人。約7割がブラックバス目当てという。

 河口湖のボート貸出業者は「この10年でバス釣り客が1割に落ち込んだ。バスが釣れなくなったら、困るのはウチだけじゃない」。

 県によると、河口、山中、西3湖の漁協が昨年中に放流したブラックバスは計6・9トン。10年前の15%程度まで減らしてきたが、河口湖漁協の吉田三男組合長は「バスは放流しないと釣れない。放流後、数日間はよく釣れるから、『いつ放流するのか』と問い合わせが来るほどだ」と話す。

 河口湖ではワカサギを放流し、魚種転換にも取り組んできた。全国ブラックバス防除市民ネットワークの事務局長で、元環境省自然環境局長の小林光さんは「バスの経済効果に頼る地元がバスから脱却できるように、国や県がもっと促すべきだった」と指摘。「県は『例外を認めた国のせいだ』、国は『漁業権を認めたのは県』と言い、問題を放置している」と話す。

 細谷和海・近畿大教授(魚類学)は「海外では、外来種問題への関心の高さで文化の成熟度が分かるとさえ言われる。世界遺産の足元で生態系の破壊を容認する県に、富士山の魅力を語る資格はない」。

 河口湖や山中湖、西湖は、世界文化遺産となった富士山の「構成資産」に含まれる。地元観光業者の間にも「河口湖も世界遺産。外来種でなく、自然保護を第一に」との声がある。