世の中にいわゆる人口本があふれ出している。
なぜか?
少子高齢化などという言葉であらわせない程の超少子化社会、超高齢化社会が既に確定しているからである。
地方と都市との関係性も変化し、東京はまだまだ大丈夫という楽観論もあるだろう。

しかし、本書を読めば統計データに裏付けされた未来が予測出来るだろう。

世界の中でおそらくもっとも不健康な人口動態ピラミッドである日本。

一人の若者が一人の老人を面倒みる社会がもうじき来る。

そして、道路や橋も、そしてダムも介護が必要になる。

三浦さんは近著でニュータウンはオールドタウンになり、そしてゴーストタウンと化す可能性を指摘した。
既に東京郊外ではマンションの価値が下がりにより購入時より価格を大きく値引きしても売れない現状が
あると書いていた。
さらに賃貸物件も大きく余剰であり、今後の住宅事情の変化を予測している。

雇用環境、経済動向、若者の貧困問題等々、現実ですら楽観視出来ない日本で、いかに未来の日本の姿を作り上げていくのか、自分自身で考えないといけないのであろう。

アベノミクスで所得が本当に増えるのか?物価が上がって相殺されるのではないのか?
明らかに家庭の可処分所得は減っている。

失われた10年とか20年とか言われる。
ゴールを過ぎた10年、20年と読み変えて見るべきだと感じる。

土木工事偏重の公共事業による景気刺激が果たして本当に効果があるのか?
子供達に借金を残すだけの現世の利益確保的まやかしに見えてならない。

人口激減未来を想定して無駄を省き、効率的効果的な政策が望まれているのだろう。

データでわかる2030年の日本
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