図書館本

自然栽培がニセ科学にならないためにも、木村さんには思い込みではなく正しい情報を書いてもらいたい。

これまで何冊が木村さんの本を読ませていただいているので内容的にはかなり重複している部分が多い本である。
自然栽培を確立するにあたって木村さん自身が福岡翁の書籍を読まれ、また自然農法の多くの本を読まれていることはすでにご自身で書かれている。

木村さんの主張する自然栽培で環境が破壊される事はないだろうし、他著で宇宙船に乗って地球のカレンダーを見たと書いてもそれは人々に害を与える事はない。

しかしである、p120から書かれている自然栽培と放射能の関係はまったくの憶測の域を出ず、あたかも自然栽培でコメを作ればコメの放射能汚染はなく、それは一般栽培のたんぼに比べて何倍ものバクテリアが一役買っているのかもしれません。と書いている。
また、自然栽培の稲は根が深くまで伸びるので、地表近くにある放射性物質の影響を受けていなことが考えられます。と書いている。

この様な自然栽培に都合のよいところ(微生物数等)では科学的実験データを使い、放射能検査値と自然栽培との関連性ではまったく科学的データを使わないで話をすすめるのはニセ科学と言われてもしょうがないでしょう。

タイトルの通りお百姓さんが地球を救うというコンセプトには大きく同意しますが、科学で分かるものと分からないものはしっかり分離して記載することが本当の意味での自然栽培普及になるのではと思う。

そんな訳で残念な一冊であった。

百姓が地球を救う
百姓が地球を救う [単行本(ソフトカバー)]