図書館本
萱野(1970-)、神里(1967-)両氏の対談をまとめた一冊。
哲学者と科学史・科学論学者の日本そして世界の未来論でもあろう。
若手の思想・哲学が閉塞していると感じる日本を今後明るくしてくれる事に期待したい。
養老孟司さんが指摘する石油エネルギーに依存する日本・世界を同じく論じています。
気が付いた所を備忘録的メモ
天変地異と無責任の体系(丸山眞男)
果たして日本は中央集権的であったか?(1931-1941真珠湾攻撃までに内閣は11回代わっている)
3.11でパンドラの箱があいてしまった。次の3.11までの時間をどう使うのが一人一人に課せられた重大な問題。
物理学問題が想定した環境(摩擦の無い滑車や重さの無い糸)や経済学(純粋な市場のみで成立する世界)で動く社会の危険性(権力や暴力の存在、種々な要因)
近代国家が成立してくるプロセスでは、権利が抽象化され、国家のもとへと吸収されていくと同時に、リスクに関する当事者性を希薄にしていく
人間の暴力性(人類が絶滅においやった大型動物多数)
技術の問題は技術で解決するしかないのか?
サイエンスとテクノロジーの違い 科学=普遍的という誤解 (一神教的世界)
技術は職人のものであって、アカデミックはなかった歴史(日本は早く工科大を設立、ヨーロッパはポリテクニークの歴史)
テクノロジーの進展だけでは生産力は拡大しない。エネルギー問題の存在
経済成長をもたらしたエネルギー革命のポテンシャルが使い果たされた地点に現在いる。
戦争の拡散は環境リスクの拡散と相似形をなしている。
資本主義の歴史では、生産拡大の局面のあとには金融拡大の局面がかならずくる。
現在の日本は定常状態の社会ですらない、現状維持すらおぼつかない、縮小状態にいるというのが正しい認識。
必要とされるリスクマネイジメントの大転換(河川管理において、氾濫に任せる地域の想定、被災地漁港の統合等)
各方面のリーダーたちに高度成長マインドが強すぎると、今後のかじ取りを誤る
政治家の利益配分の調整から不利益配分やリスク分配への転換が必要
日本の流のリスク対処、個人でなく社会で。
社会の先行指標のアート、アートが先に変わって、そこから時代のエートスが変わっていく。
日本の輸出立国幻想(韓国、ドイツ、イギリス、フランスより低い。対GDP比)
市場だけ見ての(経済学だけの)状況認識は不備
一人当たりのGDPを増やすことはめざすべき
ポスト石油の時代の構築
地味に見える技術が大きな意味(環境汚染縮小、省エネ、放射能除染)を世界で示す
第一章 天災が日本人を作ってきた
第二章 テクノロジー・権力・リスク
第三章 テクノロジーはどこへ行くのか
第四章 エネルギーと経済のダイナミズム
第五章 国力のパラダイム・シフト
没落する文明 (集英社新書)
萱野(1970-)、神里(1967-)両氏の対談をまとめた一冊。
哲学者と科学史・科学論学者の日本そして世界の未来論でもあろう。
若手の思想・哲学が閉塞していると感じる日本を今後明るくしてくれる事に期待したい。
養老孟司さんが指摘する石油エネルギーに依存する日本・世界を同じく論じています。
気が付いた所を備忘録的メモ
天変地異と無責任の体系(丸山眞男)
果たして日本は中央集権的であったか?(1931-1941真珠湾攻撃までに内閣は11回代わっている)
3.11でパンドラの箱があいてしまった。次の3.11までの時間をどう使うのが一人一人に課せられた重大な問題。
物理学問題が想定した環境(摩擦の無い滑車や重さの無い糸)や経済学(純粋な市場のみで成立する世界)で動く社会の危険性(権力や暴力の存在、種々な要因)
近代国家が成立してくるプロセスでは、権利が抽象化され、国家のもとへと吸収されていくと同時に、リスクに関する当事者性を希薄にしていく
人間の暴力性(人類が絶滅においやった大型動物多数)
技術の問題は技術で解決するしかないのか?
サイエンスとテクノロジーの違い 科学=普遍的という誤解 (一神教的世界)
技術は職人のものであって、アカデミックはなかった歴史(日本は早く工科大を設立、ヨーロッパはポリテクニークの歴史)
テクノロジーの進展だけでは生産力は拡大しない。エネルギー問題の存在
経済成長をもたらしたエネルギー革命のポテンシャルが使い果たされた地点に現在いる。
戦争の拡散は環境リスクの拡散と相似形をなしている。
資本主義の歴史では、生産拡大の局面のあとには金融拡大の局面がかならずくる。
現在の日本は定常状態の社会ですらない、現状維持すらおぼつかない、縮小状態にいるというのが正しい認識。
必要とされるリスクマネイジメントの大転換(河川管理において、氾濫に任せる地域の想定、被災地漁港の統合等)
各方面のリーダーたちに高度成長マインドが強すぎると、今後のかじ取りを誤る
政治家の利益配分の調整から不利益配分やリスク分配への転換が必要
日本の流のリスク対処、個人でなく社会で。
社会の先行指標のアート、アートが先に変わって、そこから時代のエートスが変わっていく。
日本の輸出立国幻想(韓国、ドイツ、イギリス、フランスより低い。対GDP比)
市場だけ見ての(経済学だけの)状況認識は不備
一人当たりのGDPを増やすことはめざすべき
ポスト石油の時代の構築
地味に見える技術が大きな意味(環境汚染縮小、省エネ、放射能除染)を世界で示す
第一章 天災が日本人を作ってきた
第二章 テクノロジー・権力・リスク
第三章 テクノロジーはどこへ行くのか
第四章 エネルギーと経済のダイナミズム
第五章 国力のパラダイム・シフト
没落する文明 (集英社新書)