図書館本

先日鳥羽市長にお会いして1時間ほどお話を伺った。この本が出版されていることを知らなかった。

この本が出版されて既に1年が過ぎた、震災から1年半が過ぎた。
2012年9月に陸前高田市と大槌町に伺った。
復旧どころか、復興という言葉はまったく見つからなかった。

本書を読んで一番感じたのは中央と地方という隔たり。
法律は誰のためにあるのか?苦しみ援けを求めている人々のためにあるはずの法律が復興を遅らせている。
その法律は人間が運用している、だから被災地からの要請や申請の上がる前に本来は中央(霞が関の優秀な官僚?)から色んなアイデアや復旧復興資金の迅速な運用に関して支援があるべきではないのか。

復興は8年計画と書かれている、そして子供達の意見や夢も聞き入れて街づくりをしたいと鳥羽市長は書く。
まさに、これからの街を担う若い人たちが自らの夢と行動で復興してほしい。

メディアはだんだん被災地の報道をしなくなる、そうすると国民や世界の人々は、当然、すでに陸前高田はもう復興したんだと勘違いしてしまうこともあると鳥羽さんは指摘する。だからどんどん現状とそのまま発信して忘れられないようにしたいと書く。奇跡の一本松も保存に関していろいろな意見がある。しかしニュースとして必ず陸前高田は一本松の陸前高田と多くの人の記憶の中に残る。

被災した建物等を観光資源として保存したらという意見があるそうだ、多くの方が亡くなり未だに行方不明の方が200名以上いる。外からとやかく言うべき問題ではない。住民の皆さんの意見を尊重すべきだと思う。
そして、トンデモ政治家や官僚の姿も綴られています。人間として恥ずかしい人たち。

あとがきでの鳥羽市長の読者へのお願いをここに記しておきたい。

この本を読んで少しでも心に残るものがありましたら、ぜひ「陸前高田」という名前だけでも覚えておいてください。そして何カ月かのち、何年かのち、陸前高田のことが気になったら、インターネットなどで復興の進捗状況などを調べてみてください。
そうやって気にかけていただけるだけで私たちの確かな力となりますし、いつか必ず観光で訪れたい、と思っていただけるような町にしたいと思っています。
数年後、きれいになった陸前高田市で、読者の皆様とお会い出来ることができれば、こんな嬉しいことはありません。
どうかその日まで、私たちの復興への闘いを温かい目で見守り続けてください。2011年7月 鳥羽太

被災地の本当の話をしよう 〜陸前高田市長が綴るあの日とこれから〜 (ワニブックスPLUS新書)
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