図書館本

メディアに露出度が高いかた、有機農業をされている方など、それぞれの脱原発に対する思い。

小出さん、後藤さん、飯田さん等は長期にわたり原発の危険性を指摘し、さらには日本人の生活様式の変更を伴なう生き方にも論が及びます。

原子力ムラ(マフィア)というマチに対抗する文脈は決して原子力だけでなく、日本の歴史の中で育まれてきた悪しき文化であり、ダムや高速道路、そして公共事業という名で行われる既得権益確保の流れの同じ源流なのでしょう。

原子力発電がなくても電力は足りるし、決してCO2排出が少ないわけでないこと、原子力発電のコスト計算の恣意的操作、既成メディアを利用した世論誘導(週間プレイボーイ副編集長が接待に誘われる話は面白い)などの話が書かれています。

また城南信用金庫の脱原発宣言なども筋が通っていて良いです。

既成メディア(新聞、テレビ等)が広告主に無意識に配慮して広告主企業等に不利な情報を流さない事が良く分かる一冊でもありました。

目次
メルトダウン後の世界を結い直す――まえがきに代えて
  大江正章

◆提言01 昔、原発というものがあった 
池澤夏樹(作家・詩人) 
◆提言02 7世代後のことまで考えて決めよう
坂本龍一(音楽家) 
◆提言03 脱原発にはリアリティがある
池上彰(ジャーナリスト)
◆提言04 千年先に伝えなくては
日比野克彦(アーティスト)  
◆提言05 少欲知足のすすめ
小出裕章(京都大学原子炉実験所)  
◆提言06 シビアアクシデントは不可避である
後藤政志(元原子炉格納容器設計者)  
◆提言07 問われる放射線専門家の社会的責任
崎山比早子(高木学校)  
◆提言08 地域分散型の自然エネルギー革命
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長) 
◆提言09 電力需要は大幅に減らせる 
田中優(環境活動家・未来バンク事業組合理事長) 
◆提言10 脱原発の経済学
大島堅一(立命館大学教授)  
◆提言11 政治は脱原発を実現できるか
篠原孝(農林水産副大臣)  
◆提言12 脱原発はもはや政治的テーマではない
  保坂展人(世田谷区区長) 
◆提言13 原発に頼らない安心できる社会をつくろう
吉原毅(城南信用金庫理事長)  
◆提言14 3・11と8・15――民主主義と自治への道
上野千鶴子(社会学者・元東京大学教授) 
◆提言15 被災者の救済と脱原発の確実な推進を
宇都宮健児(日本弁護士連合会会長)  
◆提言16 原発と有機農業は共存できない
星寛治(有機農業者・詩人)  
◆提言17 次代のために里山の再生を
菅野正寿(有機農業者・福島県有機農業ネットワーク代表)
◆提言18 天国はいらない、故郷を与えよ
明峯哲夫(農業生物学研究室)  
◆提言19 真の豊かさに気づくことから脱原発は始まる
秋山豊寛(ジャーナリスト・宇宙飛行士)  
◆提言20 引き裂かれた関係の修復――原発を止めるためのムラとマチの連携を
高橋巌(日本大学准教授) 
◆提言21 誰かのせいにせずに――排除の論理から共生へ
渥美京子(ルポライター) 
◆提言22 効率優先社会からの決別 
藤田和芳(大地を守る会代表) 
◆提言23 抑圧的「空気」からの脱却 
上田紀行(文化人類学者) 
◆提言24 いのちのつながりに連なる 
纐纈あや(映画監督) 
◆提言25 自然への畏れ――「東電フクシマ」からの脱却へ
大石芳野(写真家)
◆提言26 脱原発は人生の軸を変えるチャンス
仙川環(作家)  
◆提言27 私が雨を嫌いになったわけ
鈴木耕(編集者・ライター)  
◆提言28 脱原発と監視社会
斎藤貴男(フリージャーナリスト)  
◆提言29 原子力とマスメディア 
瀬川至朗(元毎日新聞論説委員) 
◆提言30 原子力の軍事利用も平和利用も民衆の生活を破壊する 
中村尚司(JIPPO専務理事)

想像力の翼を手に入れよう--あとがきに代えて 
瀧井宏臣

脱原発社会を創る30人の提言
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