asahi.com:元々地震の多発地帯-マイタウン山梨
引用しておきます。
先月よく揺れた県東部・富士五湖
県東部・富士五湖を震源とする比較的大きな地震が先月下旬、相次いだ。東日本大震災の4日後には富士山直下が震源の大地震も起きており、一時は富士山噴火の関連を疑う空気も流れた。だが気象庁などは全面否定。この地域が震源の地震は過去10年で53回あり、多発地域として広く知られているためだ。
甲府地方気象台によると大震災以降、県内で震度1以上の揺れを感じる有感地震は減少傾向だったが、今年1月に23回、2月は12日までに5回を数えた。
震度3以上の地震は1月だけで6回。うち5回は28、29日に集中した県東部・富士五湖を震源とする地震で、本震とみられる28日午前7時43分、富士河口湖町と忍野村で震度5弱を観測。震源の深さは約18キロ、地震規模を示すマグニチュードは5・4だった。
一連の地震で地元の観光業界は「風評被害」を受けた。気象庁は東海地震や富士山の火山活動との関連性を否定したが、関係者によると一部で団体旅行客のキャンセルが相次ぎ、「行き先を栃木・日光に変えたという話も聞いた」という。
実は県東部・富士五湖を震源とする地震は多い。気象台によると2002〜11年に年に3回(02、07、10年)から最多で8回(05、11年)。今年は2月までにすでに21回を観測したが、地震がない年はない。「地震が多い地帯」が定説だ。
地質学が専門の輿水達司(さと・し)県環境科学研究所特別研究員によると、フィリピン海プレートの東側に4千〜5千メートル級の火山列島があり、他のプレートにもぐり込みにくい。その反動で地震が起きる構造だという。
プレートの火山は約500万年前に日本列島に直角に衝突し始め、長い年月をかけて、ほぼ直線的だった地層が大きく折れ曲がったという。南アルプスの山体が1年に4ミリ隆起しているのはその表れた。
輿水さんは「いつ起きてもおかしくないところで地震が起きたというだけのこと。震度5弱の地震の震源は浅く、富士山からも遠く離れている。低周波地震や傾斜計に異状もみられない。富士山の噴火に関連づけることは論外だ」と指摘。「500万年前から地震が起きていた可能性もある。日本列島の成り立ちを正確に知ることが大切」と話す。(床並浩一)