ドキュメント東京電力 田原総一郎 文春文庫 1980 2011復刻版 加筆
図書館本
文庫が出た1986年の解説は佐高信さんだとある。
佐高さんは「電力と国家 集英社新書 2011」を書いていて、戦前の日発の解体により電力を9分割案で民営しようとする松永、GHQは民営と発送電分離、国(与野党とも)は電力事業の国営化を官僚を巻き込んで画策したようだ。
しかし、松永、木川田のコンビはGHQも巻き込み、発送電一括での民営化を実現する。昭和26年5月電力の国家管理は終止符を打ち、民営化となるわけである。
そして、原子力発電の主導権争いが再度起こる(東電に1955年原子力発電課新設)
この日本における原子力発電をめぐる政官民の遺恨を背負った流れが今日の許認可組織が馴れ合いという体制を作ってしまったのだろう。
木川田自信も原発を「悪魔のような代物」と言っていたという。だから自分の故郷に原発を持ってこようとしたのではと佐高は書く。そしていい加減な官に任さず、民の責任で管理しようと。
そして佐高はさらに書く、東電の変質は平岩外四から始まったと。平岩は官と戦った創業者の精神を受け継ぐことが出来なかったと。民間が主導する電力で日本を豊かにするのだという気概、そして企業の社会的責任への自覚がなかったのだと。
さて、本書であるが、松永よりは木川田以降に注目している。備忘録メモ
登場人物も河野一郎(河野太郎の爺ちゃん、河野洋平の父)、正力松太郎などの原子力利権。木川田の電力に対する民間企業としての自負。アメリカの技術に対する過信。
田中角栄のエネルギー戦略(ウランアメリカ依存の脱却、中東原油確保、核燃料サイクル、電源3法)
国、電力会社による紙爆弾、電波爆弾(年間60億円)による石油の枯渇、原発安全神話の形成
石炭火力による放射能問題は、石炭が危険だという事実に困る連中がいる。
通産省の大体エネルギー公団案(経団連土光会長、財界の反対)、平岩社長が調停案として「機構」案を。
1970年代 分散立地での小型原子炉の建設計画案
さて、現在の福島原発事故後の東電国営化案などを見るにつけ、民間企業努力での電力事業と国が管理する電力事業という利権争い、あるいは国家のエネルギー政策としての国益と経済といったユーザー(国民)の視点なき争いが相変わらず繰り広げられているように思えてならないのである。
最近、佐高氏は田原氏を原発A級戦犯(原発文化人)として電力会社の公演等を高額な謝礼で引き受けていたと指摘しているようである。
ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫)
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文庫が出た1986年の解説は佐高信さんだとある。
佐高さんは「電力と国家 集英社新書 2011」を書いていて、戦前の日発の解体により電力を9分割案で民営しようとする松永、GHQは民営と発送電分離、国(与野党とも)は電力事業の国営化を官僚を巻き込んで画策したようだ。
しかし、松永、木川田のコンビはGHQも巻き込み、発送電一括での民営化を実現する。昭和26年5月電力の国家管理は終止符を打ち、民営化となるわけである。
そして、原子力発電の主導権争いが再度起こる(東電に1955年原子力発電課新設)
この日本における原子力発電をめぐる政官民の遺恨を背負った流れが今日の許認可組織が馴れ合いという体制を作ってしまったのだろう。
木川田自信も原発を「悪魔のような代物」と言っていたという。だから自分の故郷に原発を持ってこようとしたのではと佐高は書く。そしていい加減な官に任さず、民の責任で管理しようと。
そして佐高はさらに書く、東電の変質は平岩外四から始まったと。平岩は官と戦った創業者の精神を受け継ぐことが出来なかったと。民間が主導する電力で日本を豊かにするのだという気概、そして企業の社会的責任への自覚がなかったのだと。
さて、本書であるが、松永よりは木川田以降に注目している。備忘録メモ
登場人物も河野一郎(河野太郎の爺ちゃん、河野洋平の父)、正力松太郎などの原子力利権。木川田の電力に対する民間企業としての自負。アメリカの技術に対する過信。
田中角栄のエネルギー戦略(ウランアメリカ依存の脱却、中東原油確保、核燃料サイクル、電源3法)
国、電力会社による紙爆弾、電波爆弾(年間60億円)による石油の枯渇、原発安全神話の形成
石炭火力による放射能問題は、石炭が危険だという事実に困る連中がいる。
通産省の大体エネルギー公団案(経団連土光会長、財界の反対)、平岩社長が調停案として「機構」案を。
1970年代 分散立地での小型原子炉の建設計画案
さて、現在の福島原発事故後の東電国営化案などを見るにつけ、民間企業努力での電力事業と国が管理する電力事業という利権争い、あるいは国家のエネルギー政策としての国益と経済といったユーザー(国民)の視点なき争いが相変わらず繰り広げられているように思えてならないのである。
最近、佐高氏は田原氏を原発A級戦犯(原発文化人)として電力会社の公演等を高額な謝礼で引き受けていたと指摘しているようである。
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