官僚のレトリック 原英史 新潮社 2010
図書館本
安部首相時代の渡辺行革大臣補佐官(経済産業省キャリア)の原さん(1966−)の公務員改革戦場日記だろうか。原さんは09年に退職して政策コンサルタントを企業。
2011年11月の元上司の古賀茂明さんの講演にゲスト出演をされていたが、古賀さん曰く、非常に多くのコンサルタント依頼が政治家、地方自治体から来ているとの事。
でも古賀さんや原さんのような官僚が霞が関に残って国益を考えて貰いたいですよね。本当は。
さて、本書であるが、簡潔に言えば、自民党政権より民主党政権になって霞が関改革は停滞してしまい、菅さんが打破しようとした官僚内閣制(議院内閣制でなく)がさらに進んでしまった。すなわち脱官僚どころか、官僚による官僚のための国会になってしまった。
備忘録的メモ
官僚から見れば事務次官が社長であり、大臣らはいわば非常勤の会長や役員。あるいは実権の無い“一日警察署長”の延長
国民の目には政府の最高意思決定機関に見える閣議が、実は官僚が作り上げた法案や政府方針などに一切口を差し挟めない、単なる承認の場と化している。
政務三役は自民党時代は派閥人事(小泉政権ですら)、だからチームとして機能しない。民主党政権で出足はチーム機能を発揮はしたが。。。最終的には財務省の応援席に座らされてしまった。
天下り人事が公募になったが対象が独法・特殊法人の「役員」だけ、実は圧倒的に多いのは公益法人なのだ。(500人、独法77人、特殊法人10人)
09年の政権交代で、大臣、副大臣、政務官は入れ替わったが、その下の官邸官僚、幹部官僚たちは基本的にそのまま残った。
官僚(公務員)の降格人事などは身分保障規定を緩和すればよいだけ。立法論として可能。
官僚幹部が全員優秀というのは虚像
脱官僚の迷走の裏側には鳩山内閣のできていなかったことが横たわっていた。「司令塔を作る」「官僚機構の手綱を握る」この2点を怠った(あるいは先送りにした)ことは、致命的な失敗だった。
自民党はなぜ公務員制度改革に敗北したのか 「天下りの規制」、「年功序列の打破」
渡辺喜美「官僚の落とし穴」(官僚が作った演説案等に埋め込まれたフレーズ)
改革に立ちふさがった「官の倫理」:優秀な人材が集まらなくなる(天下りしたいような人には官僚になって欲しくない)
“飼い殺された官僚”が実は霞が関には少なからずいる
年収2000万円前後もらい、役所の最高権力者として振る舞う次官や局長が、「自分達は協約締結権と争議権を認められていないので、人事院に特別に保護してもらう必要がある」と主張すること自体、およそ非常識で想定しがたい。これも霞が関の修辞学の一種
国家公務員制度改革基本法成立の理由:マスコミフルオープンにより反対勢力は引っ込まざるをえなかった。
しかし、麻生内閣では改革を逆方向に巻き戻すような動きが進行した。容認された「渡り」
民主党の裏切りで早くも風化する「脱官僚」
脱官僚実現のための5箇条
官僚を使いこなす前に、まず官僚を選べ
閣議をお習字大会から討議の場にせよ
人事院と身分保障を廃止し、官僚は特別論を駆逐せよ
改革の戦術論は、過去の成功と失敗に学べ
脱官僚に足る政治家を揃えよ
官僚のレトリック―霞が関改革はなぜ迷走するのか
クチコミを見る
図書館本
安部首相時代の渡辺行革大臣補佐官(経済産業省キャリア)の原さん(1966−)の公務員改革戦場日記だろうか。原さんは09年に退職して政策コンサルタントを企業。
2011年11月の元上司の古賀茂明さんの講演にゲスト出演をされていたが、古賀さん曰く、非常に多くのコンサルタント依頼が政治家、地方自治体から来ているとの事。
でも古賀さんや原さんのような官僚が霞が関に残って国益を考えて貰いたいですよね。本当は。
さて、本書であるが、簡潔に言えば、自民党政権より民主党政権になって霞が関改革は停滞してしまい、菅さんが打破しようとした官僚内閣制(議院内閣制でなく)がさらに進んでしまった。すなわち脱官僚どころか、官僚による官僚のための国会になってしまった。
備忘録的メモ
官僚から見れば事務次官が社長であり、大臣らはいわば非常勤の会長や役員。あるいは実権の無い“一日警察署長”の延長
国民の目には政府の最高意思決定機関に見える閣議が、実は官僚が作り上げた法案や政府方針などに一切口を差し挟めない、単なる承認の場と化している。
政務三役は自民党時代は派閥人事(小泉政権ですら)、だからチームとして機能しない。民主党政権で出足はチーム機能を発揮はしたが。。。最終的には財務省の応援席に座らされてしまった。
天下り人事が公募になったが対象が独法・特殊法人の「役員」だけ、実は圧倒的に多いのは公益法人なのだ。(500人、独法77人、特殊法人10人)
09年の政権交代で、大臣、副大臣、政務官は入れ替わったが、その下の官邸官僚、幹部官僚たちは基本的にそのまま残った。
官僚(公務員)の降格人事などは身分保障規定を緩和すればよいだけ。立法論として可能。
官僚幹部が全員優秀というのは虚像
脱官僚の迷走の裏側には鳩山内閣のできていなかったことが横たわっていた。「司令塔を作る」「官僚機構の手綱を握る」この2点を怠った(あるいは先送りにした)ことは、致命的な失敗だった。
自民党はなぜ公務員制度改革に敗北したのか 「天下りの規制」、「年功序列の打破」
渡辺喜美「官僚の落とし穴」(官僚が作った演説案等に埋め込まれたフレーズ)
改革に立ちふさがった「官の倫理」:優秀な人材が集まらなくなる(天下りしたいような人には官僚になって欲しくない)
“飼い殺された官僚”が実は霞が関には少なからずいる
年収2000万円前後もらい、役所の最高権力者として振る舞う次官や局長が、「自分達は協約締結権と争議権を認められていないので、人事院に特別に保護してもらう必要がある」と主張すること自体、およそ非常識で想定しがたい。これも霞が関の修辞学の一種
国家公務員制度改革基本法成立の理由:マスコミフルオープンにより反対勢力は引っ込まざるをえなかった。
しかし、麻生内閣では改革を逆方向に巻き戻すような動きが進行した。容認された「渡り」
民主党の裏切りで早くも風化する「脱官僚」
脱官僚実現のための5箇条
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閣議をお習字大会から討議の場にせよ
人事院と身分保障を廃止し、官僚は特別論を駆逐せよ
改革の戦術論は、過去の成功と失敗に学べ
脱官僚に足る政治家を揃えよ
官僚のレトリック―霞が関改革はなぜ迷走するのか
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