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やっぱり小津さんて凄いと思う。
もちろん、東京物語をはじめてとして凄いのですけど。
娯楽映画じゃないんだよね。
思想というか、時代に対する批判的精神があるんです。
僕が生まれる7年も前にこの作品が出ている、そしてそれは戦後まだ10年経っていない。

経済復興という名のもとで急激な歩みを見せる東京。
笠智衆演じる復員後のパチンコ屋店主に語らせる言葉の重みと、主人公、佐分利信が語るパチンコ
に見る人生模様。

銀座、後楽園球場、競輪、東海道線、女性だけの温泉旅行。
小津さんの中の時代の混沌が映像と言葉で表現されているのだろう。
そして、お茶漬けという食材で人生哲学を締めくくる。

最後に近い場面で貯水タンクの塔の様なものが映し出されるのだが、それが何を意味しているのかが
僕には分からなかった。小津さんは何を表現したかったのだろう。

ローアングルと定点撮影がやはり凄かった。
笑わせ、うならせ、泣かせるのである。

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