信濃毎日新聞[信毎web] 日本自然保護協会、リニア問題で大鹿村を視察


着実に事実を積み上げていけば、不可能なことは明白だと思う。


以下記事

日本自然保護協会(東京)は27日、リニア中央新幹線の路線が横断する下伊那郡大鹿村を視察した。同協会は、同村と山梨県の間の南アルプスを貫く長大トンネル計画を避けるよう求める意見書を同日までにJR東海に出しており、住民らとも意見交換した。

 同協会がリニア整備をめぐって大鹿村を訪れるのは初めて。保護プロジェクト部の辻村千尋さんは視察後、トンネル掘削などによる自然への影響を懸念し「井戸水や河川の水質などを今からチェックしておくことが必要」と指摘。地元の協力を得ながら調査したい考えを示した。

 この日は自然保護などの観点からリニア建設に反対している村民らと意見交換。同村中央構造線博物館やJR東海が2008年に水平ボーリング調査をした同村釜沢地区の現場を見学した。

 同協会は同社に送った意見書で、原生自然が広く残る南アを「生物多様性を支える屋台骨」と指摘。地下水などへの影響はすぐに表れなくても「長期間を経て地上部に影響する可能性もある」とした。

 さらに、同社の環境配慮書で南ア周辺の隆起量を100年間で20〜40センチと説明しながら「国内で突出した値でない」と記したことに対し「他地域と比べて突出して高く、記述は誤り」とあらためて反論。概略路線(幅3キロ)付近には複数の活断層や非常にもろい断層があるとし、安全な具体路線を設定するのは「不可能」とも指摘した。