国際貢献のウソ 伊勢賢治 ちくまプリマー新書 2010
図書館本

開発援助の分野(最近は特に国際紛争での武装解除等)では非常に有名な伊勢さんの日本の国際貢献に対するあるべき姿の提示。
口述筆記なのでべらんめい調なのかな?
ご自身の途上国での経験をもとに、日本のNGOのていたらくさや、JICAをはじめとする援助団体のダメさ(良い面もあるとは書いているけど)を歯に衣着せずに斬りまくり。

いくつか備忘録的にメモ
清貧から抜けられない日本のNGO
隙間産業としての開発業界―「貧困」を無くさない(ダンビサ・モヨ女史と同じ主張)
寄付文化の無い日本で国際NGOと同じ土俵で戦うのは無理(さらに能力的にも)
貧困の所有者と「業」をおこせ(ダンビサ・モヨ女史と同じ主張、ベンチャー支援)
国づくりへの貢献という相手国への侮辱(まったく同意)
青年海外協力隊はボランティアではない(彼らより安い給料で専門性の高い国際NGO職員が沢山いる)まずは青年国内協力隊として国内からはじめよ(国内で出来ないものが国外で出来るはずがない)
日本のODAは日本製品を買ってもらうための付け届けと考えてみては?(わいろにならないように)
有償援助と無償援助の使い分けの問題点
中国への無償および有償援助は終わったが、実はアジア開発銀行への拠出を通じて対中国への数千億の援助は継続中
国益と世界益への援助の使い分けがあってもよい
国連への任意拠出金は一度凍結して見直しが良い
質の改善のためにODA半減でもよい
自衛隊だから出来ることを考えよ
あとがきで伊勢さんは書く、若者よ「発展途上国の一流大学へ」



国際貢献のウソ (ちくまプリマー新書)
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