副題:労働組合、そしてアフリカへ

図書館本

沈まぬ太陽の主人公の小倉さんである。
佐高さんとの対談という形で記録されている。
組織の中の人間、佐高さんの有名な命名に「社畜」というのがある。
会社という組織に奴隷のように(奴隷に失礼であるが)飼いならされて
しまった社員の事である。
本書の中には別の単語も出てくる「民僚」。官僚の民間版だろうか。
日航という巨大組織の中に運輸省出身者が大手を振って利益をむさぼる。

小倉さんの組合に対する真摯な考え方が伝わってくる。それには小倉さんの
体験した戦争での疎開時代の思い出があると書かれている。
威張るだけの先生や不正をする軍人などである。

魑魅魍魎とした巨大航空会社が、まさか倒産するとはだれも想像していなかったであろう。そして小倉さんも。
しかし、崩壊は小倉さんが組合活動による左遷で途上国勤務をさせられている時にすでに始まっていたのだろう。
企業という組織が健康体を保つために必要な事、それはおそらく組合活動だけでは成しえないのであろう。ただ小倉さんの様なブレない人間が必要な事は言うまでもない。


企業と人間―労働組合、そしてアフリカへ (岩波ブックレット)
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