生活を哲学する 長谷川宏 岩波書店 2008

図書館本

お正月に読んだ本。なんか得した気分になった一冊。
そして、もっと早く長谷川さんの本を読むべきだったと感じたのである。
長谷川さん(1940-)は東大で哲学を学ばれた後に在野の哲学者としてこれまでこられたとの事。学生運動(60年安保)の経験が大きいようだ。6回にわたる講義(講演会)の記録である。私塾・赤門塾を運営されている。

備忘録的に
小児科医・松田道雄の「育児の百科」の思想、子供との触れ合い。
大衆の原像:1960年代吉本隆明
生活の幅、と、工作者―埴谷雄高と谷川雁、 政治の幅はつねに生活の幅より狭い。
現代における「晴れ」の特徴:個人的でありがち 農耕儀礼と通過儀礼
29年間つづいている夏合宿、褻への愛着 東大バリケード封鎖における、自由、対等、主体性尊重の雰囲気
個人は自由になった分だけ孤独になった。自由なるがゆえの開放感は快く享受すればいいとして、孤独なるがゆえの欠如感はどうにかしなければならない。2方向性の努力。
「共生」の根にあるもの:情感の共有

アカデミアを去り、小さな学習塾を開き、生徒や親、地域のひとと付き合うようになった。そこで学んだことの一つが、地味な、目立たないふるまいのうちに価値がある大切なものが息づいているということでした。

1. 生活と哲学のあいだ
2. 子育ての経験
3. 大衆の原像とは
4. 晴れと褻
5. 夏合宿という生活経験
6. 個人、家族、地域



生活を哲学する (双書 哲学塾)
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