献本

読んで、そして見てから知ったのだが、本書はシリーズである。
イソポカムイ、ケマコシネカムイ、カムイチカプ、チピヤクカムイ等である。

カムイとはもちろんアイヌ語から来ている。
アイヌが語り継いだ人智を越えた神々の話といったところだろうか。
自然という環境は人が管理など出来っこない神々の世界なのだ。
神が人を作ったとしたならば、人以外の動物も神が間違いなく創造したのであろう。

本書では、トドが主役であり、ヒグマが別の意味で主役である。
海があり、大河があり、そして山々がある。
そこには森が当然のように存在する。

無駄な喧嘩、そこからは何も生まれない。
弱いものいじめをしてはいけない。
仲良く暮らすこと。

当たり前のことが当たり前に語り継がれる歴史と文化をもつ世界を
いま私たちは心から欲しているのだろう。
そんな、子供と大人が一緒に楽しめる(考える)絵本だと思う。


エタシペカムイ
  • 藤村久和
  • 絵本塾出版
  • 1575円
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書評