鉄が地球温暖化を防ぐ 畠山重篤 文藝春秋 2008

「森は海の恋人」の畠山さん(1943-)が説く、鉄による植物プランクトンのCO2吸収。
すでに、畠山さんの森を育てて豊かな海を作るという活動は有名であるが、その根拠となるのが鉄イオンだ。
その根拠となる科学的知見を元にして、海藻等の繁殖に鉄が必要であり、十分な鉄の供給があれば、それらはCO2を吸収し、炭素固定により最終的には海底にマリンスノーとして蓄積するという。
また、科学的データとともに現実の観察データとして沈没船付近、関西空港周辺海域での豊富な魚介類の増殖や、たたら製鉄と海の関係、増毛漁協での実際の実験なでで鉄イオン濃度が海産物増加に比例しているということだ。
さらに昆布からのバイオエタノール生産の可能性等々、読んでいてワクワクします。今後のさらなる調査研究が待たれるところです。もちろん鉄だけが温暖化を防ぐ訳ではありませんが、一つのキーワードであるでしょう。
目次
1 森と海の絆―フルボ酸鉄
2 地球生命をはぐくんだ鉄
3 鉄は地球温暖化を救う
4 “鉄仮説”から「鉄理論」へ
5 実証された鉄の環境利用 鉄炭ダンゴ
6 海藻で地球環境を改善し、バイオ燃料も作る 磯焼けは鉄不足
終章 ハマスレー鉄鉱山に三十五億年前の大地を訪ねて


鉄が地球温暖化を防ぐ
鉄が地球温暖化を防ぐ
クチコミを見る