ライオンの咆哮のとどろく夜の炉辺で ジェイコブ・アコル、小馬徹訳 青娥書房 2010

アフリカ、スーダン、ディンカ族の昔話。
人と人、人と自然、人と動物、動物と自然の係わり合いの中での寓話だろうか。
実に奥行きのある昔話なのである。そしてそれはおそらく何処の国にも存在するであろう人間が生きるための守らなければならない掟である。
進歩や発展という文脈が果たして人類の平和を導きだすのだろうかと言う問いにも答えてくれるように思う。
人間と自然の本質的な姿が経済や文化と言った流れの中で変化していく、そしていつの時代も人間は過去を振り返る事が出来るにも係わらず、争い続けている。
もう一度、昔話を読んでみてはどうだろう。そんなに昔でなくても良いのかもしれない。
たとえば、宮本常一「忘れられた日本人」の中の日本人をもう一度見てみるのも。

ライオンの咆哮のとどろく夜の炉辺で―南スーダン、ディンカの昔話
  • ジェイコブ・J.アコル
  • 1575円
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書評