老舗の流儀 南陀楼綾繁 幻冬舎 2009
本が好き!より献本

新聞広告の会社である「とうこう・あい」の歴史をひも解く。
誰もが必ず一度は見るであろう新聞一面下の広告。それをサンヤツ広告という。
三段を八つに割ったスペース。またさらには全面広告などがあるのはご存知の通りである。読んでいて(見ていて?)感じたのは、やはり世相は時代を映し出し、広告という媒体も同様に世相を反映しているということ。さらには新たな歴史の1ページを刻むような広告も存在する。宮沢リエさんの写真集「サンタフェ」の一面広告は同じ幻冬舎が草刈民代のオールヌードの一面広告として2010年に話題になった。
広告という媒体はモノを売ることが使命なのだろうが、良いモノが未来へ繋がるようにというメッセージも含有しているのであろう。
今はまったく読まれもしない多くの本(ベストセラーと言われるものも含む)の広告も多数掲載されているが、今なお読み継がれている本の広告もあり興味深い。池田晶子「14歳からの哲学」などが良い例だろう。
結論を書けば、広告を吟味できるだけの知性と品格を持つために沢山の本を読むことだろう。そうすれば無駄な出費も少なくなり、読んだ後に時間を無駄にしたと思わない人生が得られるのであろう。

老舗の流儀―戦後六十年あの本の新聞広告
  • 南陀楼綾繁_::_とうこうあい_::_東弘通信社=
  • 幻冬舎メディアコンサルティング
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書評


老舗の流儀―戦後六十年あの本の新聞広告
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