図書館本

2007−2008に文藝春秋に連載された文章。
外交にしても国政にしても、結局ヒトとヒトとの絡みで物事が動いていく。そこには高度な交渉と思われがちだが実は稚拙な人間関係が存在したりする。佐藤氏はそれを外交と国内政治という切り口で面白く、そしてフィクションとノンフィクションを織り交ぜながら綴っていく。
特に面白かったのは、交渉という文脈における文法問題。永田町文法と霞ヶ関文法の両方に長けていることが政治家にも官僚にも必要であるのだということが良く分かる。
佐藤氏や鈴木宗男氏が力をいれていた北方領土問題は今だ外交上の秘密文書が存在するようであるが、やがて時間という歴史が2000年前後の北方領土問題のパワーポリティクスを明らかにしてくれるのだろう。
誰もが触れない欧米の関与や本書には登場しない政治家の係わりが。


交渉術
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