放流:増穂の養殖業・秋山冨一さん、イワナやアマゴを 川に魚、空に鳥回復を /山梨(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
下記の記事はいかにも自然保全とか環境保護に貢献しているように見えるが。。果たしてそうだろうか。
魚が減った理由で、砂防堰堤を原因の一つにしている。これは間違いない事実で、学術的にも既に承知の事実である。
ただ、それだけでは無いはずである。
釣り人による乱獲
針葉樹のみの拡大造林、さらに間伐等を行わない事による森の荒廃。
(魚や鳥の餌になる昆虫等の減少は証明されている)
さらに気になるのは、各渓流に固有の在来種が居たはずである。
その事を無視しておそらく一種類の親から遺伝子由来の稚魚等を放流することもまた生態系のかく乱ではないだろうか。
もしかしたら記事にはないが、水産センター等の助言を既に受けていて、固有種が絶滅している河川ならば、しょうがないのかもしれないが。
以下記事
「川に魚が泳ぎ、空に鳥が飛ぶ。そんな当たり前の風景を取り戻したい」−−増穂町で魚の養殖業を営む秋山冨一さん(57)は、漁業やレジャーではなく、生態系を守る目的でイワナやアマゴの放流を続けている。今年も12日から、3センチほどに育った稚魚を渓流に放し始めた。【沢田勇】
◇自然に恩返し
秋山さんは19歳の時、増穂町平林を流れる戸川の清流を利用して養殖業を始めた。イワナやアマゴなどを育て、ホテルや旅館などに出荷している。
25年ほど前、山奥の魚影が薄くなったことに気付いた。それ以前は頻繁に目にしていたカワセミやヤマセミなどの野鳥、魚を食べるカワネズミも年々見かけなくなった。
当時は付近の渓流で砂防工事が盛んに行われており、それが原因だったと秋山さんはみている。「自然の恩恵を受けて生計を立てているので恩返しをしたい」と、秋山さんはそのころから、養殖しているイワナやアマゴの卵の一部を、漁協が放流しない山奥の渓流3カ所に、個人的に放流するようになった。
04年からは、小学校の同級生14人から1人3万円のカンパを募り、放流用の卵を産ませる親魚の飼育費用に充て、放流する卵の数を大幅に増やした。
さらに昨年からは、生存率が高まる稚魚の放流に切り替え、場所の選定にも、山を知り尽くした地元猟友会の猟師の協力を得ることにした。
放流しても魚はなかなか定着しない。一度下ってしまうと、砂防ダムが「魚止めの滝」となって、上流に戻ってこられなくなるためとみられる。
秋山さんは「砂防事業が必要ないとは言いません。ただ人の手で生態系を狂わせたなら、それを補う努力も人が行う必要があると思います」と話す。
2年前からは、放流した魚が産卵する姿を養殖場の目の前の戸川で目撃するようになり、心の底から喜びを感じたという。
「いつか野鳥にも戻ってきてもらいたい」と秋山さん。12日〜14日、15万匹のアマゴの稚魚を南アルプス、増穂、鰍沢の3市町の25本の渓流に8猟友会の協力を得て放流する。
イワナが水系によって遺伝子的に分化しつつあるということを知らせるだけでなく、水系ごと(ないし支流ごと)の遺伝子的なイワナの個体群を、なぜ保護する必要があるのか、という点についての、しっかりした理論を構築する必要を感じます。
私もホームページ
http://www.yasutani.com/tani/iwana/iwana2.htm
にそれを書いていますが、いま1つ、情緒的(感情的)になってしまう弱点を感じています。
もうちょっとクールに、在来イワナの意味について語ってみたいんですよ。