求愛 藤田宜永 文春文庫 2001
単行本1998文藝春秋
リハビリ中のプロ野球投手達郎と球団通訳の妻でピアニストの千香子の物語。
ともにスペシャリストとしての人生を歩んでいるのだが、やはりどこか世間離れしている姿が見える。それがまた小説としての楽しみを増してもいるのだろう。
年俸でのみはかられる野球選手の価値、演奏でのみ評価されるプロピアニスト、そんな二人の愛の行方はあまりに悲しい。
恋愛にプロセスがあるということは始まりがあり終わりがある。それはどんな恋でも同じなのだろう。しかし、そこに「死」を存在させることがはたして。。。
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