樹下の想い 藤田宜永 講談社文庫 2000
97年同名 講談社
初めて藤田さんの小説を読んだ。小池真理子さんのご主人だということも知った。
花材屋 平賀誠吉48歳、華道の家元代行向山絹子46歳 その出会いは26年前。
その26年間が短いのか長いのか?青春という一こま、読まれなかった手紙。
小池真理子さんが女性の感性での恋愛小説であるのなら、藤田さんのそれはまさに男性からの感性の作品でしょう。違和感なく受け入れてしまいます。
癌におかされながらも、最後の仕事として花材を集める、そして家元は花材に新たな命を与え作品とする。そこに生と死が横たわります。そして循環する時間があるとすれば、技術や文化が弟子に伝承されていき、蓄積されていく芸術がそこにあるのでしょう。
こんな言葉を家元にはかせる、桜に関して、「本当に美しいものって、とても無防備で無軌道なんですよ。だから、誰をも感動させる力があるの」と。
「美」を追い求めていくことがひとつの人生でもあるのだろう。

樹下の想い (講談社文庫)
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97年同名 講談社
初めて藤田さんの小説を読んだ。小池真理子さんのご主人だということも知った。
花材屋 平賀誠吉48歳、華道の家元代行向山絹子46歳 その出会いは26年前。
その26年間が短いのか長いのか?青春という一こま、読まれなかった手紙。
小池真理子さんが女性の感性での恋愛小説であるのなら、藤田さんのそれはまさに男性からの感性の作品でしょう。違和感なく受け入れてしまいます。
癌におかされながらも、最後の仕事として花材を集める、そして家元は花材に新たな命を与え作品とする。そこに生と死が横たわります。そして循環する時間があるとすれば、技術や文化が弟子に伝承されていき、蓄積されていく芸術がそこにあるのでしょう。
こんな言葉を家元にはかせる、桜に関して、「本当に美しいものって、とても無防備で無軌道なんですよ。だから、誰をも感動させる力があるの」と。
「美」を追い求めていくことがひとつの人生でもあるのだろう。

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