1994新潮社 新潮45に掲載された文章をまとめたもの。文庫での遺言3部作は文庫化にあたり改稿とある。
ソクラテスと種々な業種?の人々を登場させ、ソクラテス(池田某)がことばで切り刻んでいくと言った感じだろうか。本質あるは本質に近い事の強さがこれでもかと言わんばかりに展開する。世の中のあたりまえが、実は当り前ではないことを見事に証明している。
池田さんにとっては、連載は初めてであり、かなり力が入っているのだろう。形而上によって形而下を語るというスタイルを、独自のものとして立てることが出来たとあとがきで記している。本書では職種の代表としての登場人物(議員、プランナー、フェミニスト、サラリーマン、脳死臨調委員等々)と対峙するが、その後の作品では実名で書かれるようになる。愉快である。



帰ってきたソクラテス (新潮文庫)
帰ってきたソクラテス (新潮文庫)
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