1982年初版
アーネスト ヘミングウエイ(1899−1961)
ヘミングウエイを良く知らない自分も跋文(あとがき)を読んで彼のプロフィールに初めて接しました。
ヨーロッパの鱒釣り(1923)、鱒の紳士的な釣り方(1920)、最高の虹鱒釣り(1920)などはまさにヘミングウエイが20代の釣りである。ある種、ギラギラした釣りの中に悟りを開いた釣り師の様な姿も見える。
また、クラークス・フォークス渓谷、ワイオミング(1939)などは中年を迎えた彼の自然への愛しみを感じる。 
第2部は釣りにまつわる文章を集めているとの事で、ニックアダムズを主人公とする、自叙伝的な物語となっている。
二十ポンドの鱒との激闘の中で、ゴルフと釣りの違いについて彼は書く、ゴルフについて語るとき、人は自己を語っているのだ。だが釣りは違う。他人の釣りの話も面白い。釣りというのは個人を超えた何物かなのだから。
自然、釣り、キャンプの描写などは、読んでいて目の前に360度情景が浮かぶのである。
いずれにしても、また読み返したい本である。
そして釣りそれが人生なのか人生それが釣りなのか?
そんなことを妄想しながら、釣りの出来ない日に読まれてはいかがだろうか.


ヘミングウェイ釣文学全集(上巻)?鱒
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