まえがきで小池さんが書く。「私は本書の中で自分を含めて、人間の心理、男と女の関係の真実を、できる限り正直にありのままに書いてみた。まやかしでない、キレイゴトではない、社会に規定されてない人と人との関係が欲しかったかれである」
小池さん35歳の作品。
目次を記しておこう。
1.愛はインモラルなもの
2.恋愛は共同幻想である
3.妻にならないことの選択
4.愛の呪縛からの解放
5.女のダンディズム
6.女の役割常識を打破せよ
7.女は皆ドンファンである
8.結婚の虚像は何も生まない
9.愛の神話は信じられない
10.あるがままに生きよう
小池さんの若気のいたりなのか、すべて自分がマイノリティーであり反体制側にいるような感じで話が進むのであるが、それはそれで当時の小池さんのまさに生き生きとした「生」であり「性」であるのだろう。多元で多様な愛情論があって良いわけであり、あえて「悪」と銘打って論じなくてもオヤジは思ってしまうのである。さらに最近(2008−)の小池さんの作品に醸し出される何か青春時代を懐かしむ様な甘酸っぱい恋愛ストーリーへの助走期間作品が80−90年代の彼女なのかと。


悪の愛情論 (角川文庫 緑 494-4)
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