自分が読んだのは昭和51年7刷
7000kmにおよびサハラ横断を3000kmでラクダの死により途中棄権するが、再度3000km地点から新しいラクダで挑戦し謎の死を迎えるまでの記録である。
遊牧民との触れ合いや他のバックパッカーとの出会い、友情。数少ないアフリカでの日本人社会での交流を通して上温湯隆という一人の日本人男子が生きた道程が記されている。
残された家族の文章、ラゴスで交流のあった日本人の方の手記などが彼の素晴らしさを示している。サハラ横断の後の夢が叶えられなかったのだけれど、多くの日本人の心に生きざまを植え付け、旅する人生を教えてくれたのではないだろうか。
そして孤独の中、自分で悩み考えることの大切さを。


サハラに死す―上温湯隆の一生 (1975年)
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