図書館本

医師、宗教学者、作家、歌手そしてアナウンサーで行なった公開生放送での番組をテキスト化したもの。
理想の死に方、残された者にとって納得できる死とは、良い死に方の実践、自分らしく生き切る、といった流れで話が進んでいきます。
生老病死の普遍をいかに受けれいれて死に臨むかというある種辛く考えたくない問題を柔らかくそして時に笑いを交えて取り組んでいます。
山折さんの一日を一生の様に過ごす心構え(デカルトの時間(朝の考える時)、イエスの時間(働き、辛い時)、ブッダの時間、そして臨終の時間)に深く納得した。
さらに後書きで村上さんが山折さんの言葉として紹介している。
「もう教祖や教義はいらない」「これからの時代に求められるのは(天地万物生命教)、天地万物にいのちがあるということを布教する必要がある。太陽や月に感謝し、草木の成長に心を喜ばせ、動物たちと共存する。自然と一体化してこそ、人間は幸福になれる」という。
まったくもって同感なのである。そしてそれは昔の日本人が持っていた山岳信仰そのモノかもしれませんね。


死に方上手―いのちの対話 (岩波ブックレット NO. 732)