養老訓(養老孟司 新潮社 2007)を読んだのだが、なるほど思ったのは、「ニコニコ」している爺が少なくなった事だ。不機嫌なオヤジやジジイが多いのである。
だから、そんな奴になりたいと思わない、良く老いるという考えがなくなり、アンチエイジングなどとはやしたてるのであろう(池田晶子もそう書いていたように思う)。

大西暢夫が撮る爺婆がキラキラしているのは、実はニコニコしているからなのだ。別に金持ちであるわけでもなく、旨いものばかり食べているわけでもない。その「にこにこ」はおそらく都会と言う文脈では生成しにくいのだろう。不機嫌では自然の中では生きて行けないのである。
自然に生かされていると言う自覚と、自然には逆らえないのだから、どうせなら笑って生きている方が楽しいという感覚。

金儲けは無教養でも出来る、金を使うのには教養がいる。
なるほどである。

そして最終的には体力なのである。