図書館本

佐藤さんのJR労組関連訴訟に関する会合での講演、宮崎学との対談を中心に、これまでの佐藤さんの著作に基づく思想、言論展開。特に国策捜査や外務省官僚の生態などを織り交ぜながら佐藤さんなりの国家論を綴っている。
興味深かったことは佐藤さんは有償講演をしないという。3桁になるような講演のお誘いもあるという。けれどそれを受け入れる事をしない。
原稿を書かなくなってしまうと恐れる。そして、どこか資本主義の論理とは違うことをやらないと、完全に商品経済に取り込まれて、自分の思想がそこから出なくなっちゃうことが怖いと書く。そのスタンスが良いではありませんか。
そして右翼だといってはばからない、しかし右とも左ともいえない微妙な立ち居地からの言論。
強い国家というのは警察の力に頼らない、警察と検察の横暴を許さないのが良いと言う。検察が無理をするような国家は内側から崩れていく。
なるほどである。

佐藤優国家を斬る