夕方、家の中が寒い。
数本の竹を燃やす。

石油ストーブや電気カーペットでは得られない暖かさ。
頬には心地よい寒気がなでる。
体の芯まで暖まる。
理屈では無い柔らかい暖かさ。

ベルギーの薪ストーブ店で店のオヤジが教えてくれた。
「ガスストーブも暖かいよ、でも造花の様だよ」
僕はその店で薪ストーブと二重煙突を買い船で日本に送った。

木が作り出す炎と熱。

そんな薪ストーブは未だ木箱の中で10年目を迎える。

森の隠れ家も貨幣と言う文脈で不可能だろうから、韮崎の家に自分で
コツコツと設置しようかと思う今日この頃。

木を切り、汗をかき、暖まる
薪を作り、汗をかき、暖まる
薪が燃え、暖まる

木は三回暖めてくれるという。

そして食事やお酒までも美味しくしてくれる。

そして其処に友人や家族が居れば心まで暖めくれる。

炎は心を素直にする。そして穏やかに。
遺伝子でも理論でもない、太古の我が先祖からの遺産であろう。