図書館本(希望購入)

岩魚を愛する人はとりあえず必読でしょう。
古き良き時代が分かります。そして保護の必要性も。
写真家の青柳さんと言っても中々分からないと思いますが、リンゴのヌードと言うと分かる男性諸氏が多いのではないでしょうか。そうあの麻田奈美の写真を撮った人です。
奥鬼怒岩魚保存会の名前は知っていました。そして古くから活動していることも。実は青柳さんが会長として長年関わってきたのだとこの本で知りました。1975年に発足した会です。同年には銀山湖での奥只見の魚を育てる会が開高健を会長に発足しています。(発起人常見 忠さん、秋月岩魚さん)
奥鬼怒岩魚保存会の発足の理由がやはり岩魚の減少であり、その一部は釣圧であり、青柳さんみ自らがそれを認め、数釣りを止めたと書かれています。もちろん自分が食べる分の岩魚は釣りますが、餌釣りからテンカラ釣りへの転向もあったようです。
写真家としてまた釣り人としてその交流の広さは驚くべきほどです。そしておそらくそれは本書に書き綴れないほどなのでしょう。宮様から各界の著名人、海外の著名人、もちろん開高健、秋月進夫(岩魚)と言う名前も。その方の多くを当時まだ秘境である加仁湯に招き交流を深めていく。まさに岩魚が縁で出来た人の輪である。
1938年生まれの著者が提案する。岩魚サミットを。日本の岩魚を未来に残すために。
是非とも岩魚サミットを実現したいものです。木村英造さんや青柳さんがお元気なうちに。

ドキュメント「岩魚が呼んだ」―岩魚と加仁湯交遊録