図書館本

早稲田の小林先生が推薦図書で「下流志向」を挙げられていた。
そんな訳で借りようと思ったらかなりの予約待ちである。なので直ぐに読めそうな本を借りてみた。

三砂さんは「オニババ化する女たち」と言う書で議論を巻き起こされた方だそうで、疫学が専門でブラジル、イギリスでの生活歴もあるそうだ。
内田さんと三砂さんの対談をまとめたものであるが、内田さんの広範な知識と読書の虫とも言える鳥瞰図的な考察はなるほどと思う。また内田さん自身が武道家でもあることから、心と身体のリンクに関して的確なコメントされているように思う。三砂さんは「出産」をキーワードに現在を語られているが、ブラジルでの経験の比較が目立ち、2極化することでの考察に思えてしまう。ブラジルあるいはイギリスのローカルの文化や歴史に基づく行動や思想をそのまま日本のそれと比べることがどれほど重要なのかは疑問である。結局はある種、懐古主義的な日本の伝統文化を外から見た日本を元に構築したいように思えてならない。内田氏は対極化することなく現状をある種楽観的に捉えていながら鋭く問題点を指摘していると思う。

身体知-身体が教えてくれること (木星叢書)