録画しておいたビデオを観た。
サルやシカの被害が多い。
里山の崩壊や高齢者問題、過疎化がその原因だと言う。
確かに一因なのであろう。

ふと根本は何かと考えると、やはり簡単に言ってしまえば脳化した社会なのですよね。害と言う観念はあくまでのその立ち位置は人間側。

昔から上流域に住む人々がいて、そこには多くの野生動物がいて共に生活していた。番組の中にもあったが、農耕が始まると、当然、定住し、奥山から里山、そして人間の住む場所へ動物は安易に食物が取れる方に流れる。だから人は柵を作ったりしていた。狩猟もしていた。
獣害と言うのは別に現代の問題でもなんでもなく、農耕を始めた時からあったのであろう。

どうしても「管理」したいようであるが、出来るはずがない。自然を管理しようなどとする人間の浅はかさはこれまでの歴史で明らかであるのに。

番組後半部で伊沢さん(サル研究者)の話が最も説得力があったように思う。それは矢張りサルをずっと見てきたモノの重みだろう。
追い払いでなく、奥山への追い込み、サルの尊厳ある生き方(ある種これは人間の思い込みかもしれないが)を伊沢さんは指摘していた。

森の捕食者の頂点であっただろうオオカミを絶滅させた人間の罪が今問われているのかもしれない。