図書館本

2004-2005に文学界に発表された作品集。
ふと南木さんの本を読みたくなる時がある。
医師の南木さんが鬱(パニック障害)で苦しみ、その過程で経験、知覚する心象を描いている。
いつも思う、なぜ南木さんは、こんなにも魂(精神)の描写が的確なのだろうかと。言葉一つ一つが読んでいる自分を頷かす。
佐久と言う自然と、そこに住む人々との係りの中でいつしか生かされている自分を発見しているのだと思う。そして過去の自分を見つめ、多くの事を許し、自分を再発見する。
西野爺さん、梅沢婆さんとの会話のやり取りはまさに自分が畦道に座り込んで傍観しているようなすがすがしさがある。
阿弥陀堂だより、神かくし、海へ、等を読んだ後にこの本へ繋がるのだろう。
これも、通勤電車で読まない方が良いと思った。目頭が熱くなる。
こぶしの上のダルマ