図書館本
副題:僕が撮った精神科病棟

大西さんの写真集
大西さんの本は「山里にダムが来る」で写真を担当していて、素晴らしい爺婆の写真を見ていらいである。都会の人の顔には絶対表れない優しさが爺婆にあった。
今回のこの写真集は凄い。普段目にすることが無いであろう精神科の病棟(軽度の障害なのであろう、重度の場合は拘束帯で繋がれたりするはずだから)の中に暮らす人たちを撮影している。人を傷つけるでなく、ほんの僅か、社会生活がおそらく出来ない人々が生き生きと映し出されている。病院の外で暮らす人々が本当に普通の人なのか?
精神障害者258万人、入院者32万人、その患者さんの平均入院日数374日、その3分の1の方は10年以上入院されているという。
日本の全ての病院のベッド数は183万、そのうち5分の1が精神科のベッドだそうだ。
僕には街中をせわしなく徘徊している人たちの顔の方が患者さん達より色褪せて見えた。

ひとりひとりの人―僕が撮った精神科病棟