図書館本

現在の里山の危機的状況を多角的に論じている。
「里山」の定義の難しさを指摘していて、林業を行なわない様な雑木林の山等を里山と考えて良いようだ。
おそらく里山再生のための解決策は「手入れ」だと言う事だろう。これは養老孟司先生の考えと全く同じであり、ただ自然を守る(放っておく)のではなく人間が積極的に利用することにより生物の多様性を維持した自然と共存するというスタンスだ。
ただ、素人には?と思う記述がある。
無農薬野菜には、そんな天然の毒性物質が沢山分泌している可能性がある。セイヨウミツバチは野生化する心配はない(交雑の可能性は?)。等々。また断定調な文章と推定調な文章があり、出来れば論文等を引用してその根拠を示していただくと理解が進むと思う。ゴルフ場における自然の変遷を述べるのには研究データは引用しているのだから。
また明らかにおかしな記述としては、「花粉を吸い込むと、血清中の免疫グロブリンEが抗体を作り。。。。。」とあるが。血清とは血液を遠心分離して得られる上清部分であり、免疫グロブリンE自体が抗体の一種である。

こんな目次の本

はじめに−「里山」からのメッセージ
【第一章]「里山の自然」はどこにある?
1 「破壊」が生み出す里山
2 アマゾンもボルネオも里山だ
3 ゼロからスタートした自然
4 海にも広がる「里山」
5 トキが増えすぎた時代
6 人が安らぐ森林環境
7 里山は「自然」ではなかった
【第二章]「里山の危機」の正体
1 里山を襲う「開発」と「放棄」
2 もう一つの危機「移入種」
3 イノシシが里山から人を追う
4 ミツバチの運ぶ自然が危ない
5 知られざるダムの里山破壊
6 里山を脅かす侵入者は譲か?
7 消えゆく里山文化が招く危機
【第三章]里山を取り巻く"自然界の掟″
1 里山は二酸化炭素を吸収するか
2 「縁のダム」の微妙な効用
3 焚火と山火事が森をつくる
4 マツタケがマツを育てた
5 オオタカとホタルの棲む里
6 アユが増える川の裏舞台
7 花粉症の犯人は花粉にあらず
【第四章]人が里由にできること
1 森林ボランティアの里山観
2 環境教育としての里山づくり
3 NPOはそこそこ儲ける!
4 ”癒しを与える森林療法
5 雑木林も木材を生産できる
6 里山はゴルフ場が守る
7 新しい里山づくりの挑戦
参考文献
あとがきにかえて‐−日本最古の里山で考えたこと
「森遊び研究所」と周辺の地図

里山再生