図書館本である。720円であるが、、、でも蔵書にしたい本です。

さて、山梨が生んだスーパースター中田英寿は残念ながらこの本は読んでいないようだ。
もし読んでいたら引退を表明したHPに「自分さがし」の言葉は使用しなかったであろう。
前半部から後半部分は中々読み難い、おそらくバカの壁等のような口述筆記や編集者の手があまり入っていないのであろう。でも最後の方は非常にクリアーに理解出来ると思う。
おそらく主旨は簡単なんだと思う。日本には無宗教と言う宗教が存在し、無思想と言う思想を持ったのが日本だという事。概念世界と感覚世界を行ったり来たりする努力が足りない人々が多い。
さて「自分さがし」である。自分さがしとか、自分にあった仕事を探すだとか言う若者が多いと指摘する。その理由は「自分という実体」の確信に欠けるからだと。これは感覚世界の不在つまり経験の不足であると。
最後の方に日中関係に触れて、日本人がひと月、参勤交代制で中国に通い植樹する。植樹特攻隊であると。「木を植えなきゃ、地球が保たないだよ」議論はそれで十分だろう。と言う。中略  それなら無益かというなら、木は勝手に育つ。経済成長よりもはるかに確実に「成長する」のである。その確実さ、それが感覚世界のいいところある。共産主義だろうが、資本主義だろうが、木は育つ。

以前養老先生は書名は忘れたが、あとがきで、言いたい事は全て言ったと書かれていたが、今回のあとがきで、ぼちぼち70歳に近くなってきた。そうなったら、意外にも日本が心配である。と書かれている。さらにガンガンと言って欲しい、書いて欲しいものだ。
無思想の発見