2004年に小説新潮に掲載された短編をまとめたもの。

昭和30年代(熊谷さんが生まれたのが35年)を自分の中で構築して
描いたのかもしれない。
高度成長時代を迎える前夜、日本人が精一杯生きている社会を仙台から
見ている。

熊谷ワールドは初期作品から順番に読んでしまうと、近年の作品に
若干の違和感を感じてしまうのは、きっとしょうがない事だとは
思う。しかし、動物やマタギ、山人が登場する作品の方があまりにも
インパクトがあったので、それらを又求めてしまう自分がある。

懐郷