日本人とは何か 中西進 講談社 1997
以前、中西さん(1929−)の「日本人の忘れもの」を読んで面白かったので購入しておいた本。
第一章 生まれる
第二章 親と子
第三章 家族
第四章 愛と結婚
第五章 生活を楽しむ
第六章 死ぬこと
第七章 信じる
第八章 自然と生きる
第九章 この国
全体を通して今の日本を憂いているのであるが、何かピンとこないというか、日本人優生論のように思えてならない。万葉の時代あるいは戦国時代と今を比較するのは確かに面白いが果たして説得力を持ちえるのかと考えてしまう。
もちろん多くの示唆に富んだ、そしてなるほどと思わせる文章もあるのではあるが。
備忘録として
「自然」という言葉を使うようになったのは明治以降(内山節さんも同じ事を言っていたと思う)
幸福の尺度、物質の豊かさを引きかえに、人間性を喪失してしまった。
鎖国政策は、開放的な日本人の、いわば逆説である。開放的だからこそ、権力を維持するために、鎖国をせざるをえなかったのだ。地球が狭くなった現代では、一国の権力がどうこうと言う時代ではない。わが国は、わが民族は、などと狭い了見で自己主張する時代ではなくなっている。現代は、インターネットの時代である。個人が、民族や国家や宗教の枠を飛び越えて、個別に繋がる時代である。そこに必要な価値観は、宗教や民族を超えた、人類全体に共通な普遍的な価値観であろう。日本人にはそれがある。(最終ページ)

日本人とは何か
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以前、中西さん(1929−)の「日本人の忘れもの」を読んで面白かったので購入しておいた本。
第一章 生まれる
第二章 親と子
第三章 家族
第四章 愛と結婚
第五章 生活を楽しむ
第六章 死ぬこと
第七章 信じる
第八章 自然と生きる
第九章 この国
全体を通して今の日本を憂いているのであるが、何かピンとこないというか、日本人優生論のように思えてならない。万葉の時代あるいは戦国時代と今を比較するのは確かに面白いが果たして説得力を持ちえるのかと考えてしまう。
もちろん多くの示唆に富んだ、そしてなるほどと思わせる文章もあるのではあるが。
備忘録として
「自然」という言葉を使うようになったのは明治以降(内山節さんも同じ事を言っていたと思う)
幸福の尺度、物質の豊かさを引きかえに、人間性を喪失してしまった。
鎖国政策は、開放的な日本人の、いわば逆説である。開放的だからこそ、権力を維持するために、鎖国をせざるをえなかったのだ。地球が狭くなった現代では、一国の権力がどうこうと言う時代ではない。わが国は、わが民族は、などと狭い了見で自己主張する時代ではなくなっている。現代は、インターネットの時代である。個人が、民族や国家や宗教の枠を飛び越えて、個別に繋がる時代である。そこに必要な価値観は、宗教や民族を超えた、人類全体に共通な普遍的な価値観であろう。日本人にはそれがある。(最終ページ)

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