おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

2009年12月

I dreamed of Africa. 永遠のアフリカ DVD 2000年アメリカ

I dreamed of Africa. 永遠のアフリカ DVD 2000年アメリカ

原作を読んでいない。事実に基づく映画との事。イタリア人女性の物語。
離婚を経験し息子と祖母との暮らし、やがて新たな人生を新しいパートナーとケニアで始める。広大なサバンナが映し出され、ナクル湖だろうかフラミンゴが乱舞する。牧場経営なのかサファリ観光なのか、比較的裕福な生活が続く中、新たな生命が生まれようとする時にパートナーの事故死、そして生まれた娘。不幸は続く。息子にスタンフォード大学の入学許可が出た直後、飼っていた毒蛇に噛まれて突然の死。
まさに波乱万丈の人生。そこにはアフリカの時間と文化と歴史が脈々と流れている。美しい自然は多くの人間にとっての危険も含みながら存在する。
エンディングで現在も親子でケニアに住み自然保護活動等に活躍していると映し出されていた。自然と人間との係わり、そんな文脈を映像の中に感じた作品である。


永遠のアフリカ
永遠のアフリカ
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天皇の政治利用

【佐藤優の眼光紙背】羽毛田信吾宮内庁長官は尊皇のまこと心をもっているのだろうか? - livedoor ニュース
政治って”まつりごと、祭ごとですよね。
違いましたっけ。
佐藤優さんの考え方に賛成の立場でおります。

事業仕分け 研究者の品格

研究者の品格ってどうなんだろうと考えてみた。
優秀な基礎研究者とのメイルのやり取りから。

一部伏字

○○せんせより
ご賛同ありがとうございます(注:下記のメイルのやり取り)。
どうかご自由にブログにお使い下さい。
説明責任の件、首肯します。卑近な例ですけど、ラジオ聞いてると
通販で「コラーゲンでお肌ぷりぷり」とか、「アミノ酸たっぷり
の黒酢で健康に」とか、「アルファリポ酸で1週間で10kg
減量」とか、本当にひどい詐欺商売が氾濫してます。科学者で
あれば無条件でそんなのウソだって判るのに、面倒ごとを怖れて
だれも言わないんですよね。そんなの関係無いって。結局国民の
科学リテラシー向上に対する問題意識は何一つ持たないまま、
国民はバカだ、科学が大切なことも判らない、とか叫んでて
もはあ?だと思うんだなあ。だって判るような教育してない
んだもん。
小学校で英語教育するくらいならサイエンスの基礎、論理的
思考の基本を教えた方がずっといいのじゃないか。そういう
教育をまず考えることが科学技術立国(笑)の礎になると
思うんです。英会話なんて、度胸だけの話だよね。
英語を話す白人が特別偉くみえるって言う刷り込みが英会話
を怖がらせてるだけじゃねえの?黒人も白人もみんな中身は
同じ人間で、偉くも卑しくもないって徹底的に教えればそれで
済むと思う。あほらしい。

下記のメイルに対するおいらのリブライ
●●の外は暑いけど、研究所の中は快適。
なんか、日本の研究業界の様です。
●●せんせご指摘の通りだと思います。

誰かも書いていたけど、ただ予算を削る事はケシカラン的な
主張が多く書かれていて。貰ってあたりまえだろう、俺達は
偉いんだぞってね。

基本的に大学の独法化から仕分けが始まっていて、黒木先生
なんかは、その点に気づいていると思うのだけど、やっぱり、
ケシカランとならざるを得ないのね。

●●も書いているけど、科学者の説明責任が非常に日本は薄い
と思う。
こんな面白いんだよとか、今すぐには役に立たないけど、
きっと世の中の為になるんだよ的な事がこれまで無かったし、
予算がブラックボックスだったのが問題なのでしょう。
民主党が特に悪いとは思わないですよ。おいらは。

地政学的には日本はやはりアジアの一員として生きるのが
正しいのかなとは思うけど、アメリカ様のご恩も忘れては
いけないんでしょうね。
だからベルギー的に(ある種、玉虫色的な対応)動かざる
えないのかなと思う。
オランダの様に、世界で一番にはならないけど、いつも
上位にいるというスタンスが俺は好きです。EUはアメリカ
嫌いだし(笑)

本来、何の分野の研究者でも、権力に対する権威として
、どっしり構えて国民を納得させる技能も必要だと思うよ。
なんかやっぱりインパクトファクターとか賞だけで人間を
評価してしまった弊害でしょうかね。科学思想とか科学哲学
という文脈がないのでしょうか。

とりいそぎ
これ●●の名前を消してブログに使おうっと(笑)

●●@●●は午後2時前



>Subject: 独り言聞いてください。
>
>
●●さん(注:おやじ)なら相手してくれるんじゃないかと思って書きますけど。私の同級生の●大教授の●●君が「仕分け」以来すごくおかんむりで、●●の同級生メーリングリストに民主党を糾弾するメールをしばしば送るようになってます。どう見ても頭に血が上ってるよ。
なんか「科学のえらいさん」はこの何十年も科学に税金が注がれることが自明の>ことだったので、それが崩れそうになってほとんど自我の崩壊みたいな危機感を持ってるのかなと思う。科学者は理性的なもんだと世間は思ってたのに、実はみんなだだこねてる子供だってばれてしまって、どうするんだろう。現状から変わることに耐えられないひとたちだって。
科学は面白いんだ、国民みんなにとっても面白いものなんだ、ゲームやテレビや映画にみんなお金を払うように、科学にもお金を払ってもらいたいから面白いことをやりますって駄目なのかな。

あ、あと素朴な考えとして、●●君に限らず
まず民主党には退いてもらわないと、本当に日本は中国の一部(日本省)になってしまうでしょう。
って言い方、すごくよく見るんだけど。それじゃアメリカの一部(日本州)になって久しい現状はOKなの?なんでアメリカは良くて、中国は駄目なのかねえ。
もう二十年もすれば中国が世界の中心でしょ。それを見越してすり寄ってる小沢は偉いのかも知れないよね。
>
いやもちろんどこの国の一部になるのもごめんだけどさ。でも沖縄基地でアメリカを怒らせたから鳩山も長くないとか記事になるって、どうみても日本はアメリカの一部でしかないことの証拠だと思うんだけど。

おれ頭悪いのかなあ。

チャイナシンドローム DVD

チャイナシンドローム DVD

ハウステンボスの男さんご推薦

1979年アメリカ作品
30年前という古さをまったく感じない。
科学技術、メディア、人間関係、ヒューマンエラー。
原発を主題に描いているが、実は、人類の進歩とか科学技術と人間との間の問題点を的確に映し出しているのだろう。
絶対安全などの言うものはあり得ない事、人がミスを犯すという普遍的な事実、そこには科学は決して万能ではないと言うことを認識していなければいけないという教えがある。
30年前に既に市場経済と言う名の拝金主義やメディアリテラシーを映像にしていたことにある種アメリカの自由さを感じる一方、戦争を正義として主張し続ける幼稚さも感じるのである。


チャイナ・シンドローム [DVD]
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陰日向に咲く DVD 2008

陰日向に咲く DVD 2008

原作と違うじゃん。でも号泣です。
鳥取の人なんて出てきたっけ。出てましたね原作に。
記憶が曖昧です。原作を読んだ時も涙を誘いました。
鳥取弁はだめじゃん、それも女性の方言として。
ホームレスとか放浪というのに非常に思い入れがあるので
完全に感情移入です。
他人との関係性の中でしか成り立たない人生なんだから
どこかで必ず繋がりがあるはずです。
ひとり、ビールを用意してつまみを用意して見た映画。
多くの場面が自分の過去に交差する。
膝を抱えて泣いた浜辺を想い出し、鳥取弁の温かさで
癒されて。
沢山の涙で鼻が詰まりました。


陰日向に咲く 通常版 [DVD]
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こんなとこ見てます 北都留森林組合blog

北都留森林組合blog
ヒノキの風呂椅子ほし〜〜、ヒノキのベンチもいいですね〜。林業という文脈で色んな事が出来る可能性を見せてくれます。
もちろん、小物の販売だけで林業が成り立つ訳ではないでしょうが、多くの人が興味を持ってくれる第一歩になるのでしょう。
速水勉さんの本を最近読んで感じるところが多々ありました。
林業労働人口わずか15万人、されで日本の森林面積は国土の7割。もちろん全てを人工林にする必要は無い訳ですが、手入れの思想で木材という恵みを自然から得る事は循環する時間と蓄積する時間の最も良い事例かもしれません。

それにしても、ヒノキの風呂椅子、良い香りがしそうですね。
今度の一時帰国まで在庫があると良いのですが(笑)

堰堤と渓流魚

コンクリートの川から人の川へ。

筆者の方からお送りいただきました。感謝感謝
地に足が付いた仕事あるいは研究というのは気持ちが良いです、読んでいて。

ご希望の方はご連絡ください。

大浜論文

モンベル

福袋抽選に今年も当たった。うれしい。
もちろん無料ではないですが。

でも元旦に届く。いないじゃん(笑)

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 【ご当選されたサイズ・数量】
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 Men's   M 1個
 Men's   L 1個
 Women's  S 1個

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備忘録 堰堤

早川・栃原堰堤、北杜・唐沢堰堤 有形文化財2件登録へ  - 山梨日日新聞 みるじゃん
歴史的景観ですか。。。。
山梨って非常に(異常に?)に堰堤多いんですよね。数は後日お知らせしますが。果たして幾つが本当に必要なのか。

黒い部屋の夫(上下巻) 市原恵理 インフォレスト 2009

黒い部屋の夫(上下巻) 市原恵理 インフォレスト 2009

献本

どんな感想を書こうかと考え込んでしまう本。
同棲、結婚、夫のうつ病、出産、離婚、元夫の自殺。こんな文脈を記憶の中から記録している。初出はブログでの記載から始まって、有名ブログになったとの事。
香山リカ氏が後書きの様な所で、ニュータイプのうつ病(新型うつ病)であり、仕事以外では元気なうつ病であると指摘する。さらに精神科の臨床現場でもこのうつ病の扱いをめぐって大きな議論が起きていると書いている。
筆者の立場の味方をするなら、運が悪かったね。新しい人生を歩んでくださいと心から祈る。また逆に、もっと早く違った道をお互いが取れなかったのとも思う。
10人人間がいれば10個の人生がある。出逢いがあり別れもあるだろう。多元で多様なそれぞれの人生の中の一つの物語として読むのが正しいのであろう、決して特殊なストーリーではないのだと。
ただ、ふと思ったのは筆者も元夫もネット社会の中に生きていたのだと感じる。もちろん元夫はSEであるし、それが元でうつになった様でもある。インターネットがあれば簡単に多くの人々と交流が出来るし商品の売買もPCの前で収束することができる。より多くの人との接触があるようで実は非常に薄く弱い繋がりの様に思える。そこには自然など存在せず、脳の中で考えた事だけの世界が広がっている、養老孟司さんはこれを脳化社会とか都市化社会と呼んでいる。
結局、男と女でも人と人でも相性なのであろう。そんなことを思った本である。


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書評/


山梨県の教員の皆さんは政治的中立ではないんですね。

昇任面接資料賞罰歴なし山教組元幹部罰金刑受け教頭に : 山梨 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
聖職だとばかり思っていたのですが、なんだかな〜ですね。
子供達は反面教師として育ってくださいね。
まあ、県の職員さんも選挙になると偏っていましたからね。
本当に県の事をあるいは町や村の事を考えている人もいるんだけどね。

備忘録 人の移動

東・東南アジアの民族、南から北へ移動し形成 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
人の移動と病気という文脈も非常に興味があるところです。そういえば昔ATLなんて病気を研究していて、人類学的アプローチをされていた先生もいて浪漫を感じました。

当然やるべきでしょう 事業仕分け

県も「事業仕分け」検討 : 山梨 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
今までがオカシイわけですよ。有識者3人で非公開。それも何ら権限無し。結局だれが責任もつの?って感じ。働いていないご老人はどんどんお辞めいただき、若い職員が能力一杯で働ける環境を作らないと、地方はもたないと思うよ。霞が関が必ずしも優秀だとは思わないけど、確実に利他的でノブレスオブリージュな官僚がいるから国という枠組みが維持できたのも事実でしょう。

サンル川の絵本 

こんなダムはいらない
サンル川を守る会が作った綺麗な絵本。ネットでも見ることができます。
ダムをどうしても作りたい人達もいるし、身の回りの豊かな自然と共生したい多くの人々もいます。
僕はもちろん、自然との共生そして共死が生き方だと思っています。

Life 天国の君で君に逢えたら DVD

Life 天国の君で君に逢えたら DVD

残念ながら原作にはかなわないかな。
原作に描かれている飯島夏樹はもっと生と死を生々しく捉えていたように思う。
ただ、最後のクレジットで飯島さん自身やご家族の写真が流れたのにはぐっときた。
死という普遍があるからこそ生が輝くのである、だから長生きさえすれば良いというものではないのだろう。飯島夏樹という男、そして父親の生き様を見て(読んで)、僕らが生を考えるのだ。飯島ののぞみはそこにあるのだろう。

原作を読んだ時の感想
2007年06月02日06:58
ガンに生かされて 飯島夏樹 新潮社 2005
「天国で君に逢えたら」を読んで感動し、この本を読んでみた。
こちらは、まさに闘病日記であり、そして遺書なのである。飯島さん自身が書かれているように、鬱に苦しみ、パニック障害に見舞われた経験をさらけ出し、や がて執筆することに生きがいを見出す。そして「生かされている」自分を発見する。それは奥さん、そして4人の子供に対する男として、父親としてのダイイン グメッセージであるのだが、実は「生」に対する授業なのだと思う。
余命宣告を受け、「死」を認めざるを得ない現実を家族と共に「生」きていく。38歳で一流のウインドサーファーとして生涯を閉じた飯島夏樹と言う人間の生き様から多くのものを学んだ。
おそらく聖書の中の言葉であろう、「一切れの乾いたパンがあって平和であるのは、ご馳走と争いに満ちた家にまさる」と書き示している。

そして、最後に、
今に至るまで、体調は悪化しても、心は希望で溢れています。
人間ですから、いつもいつも元気ではいられないようです。
この数日の眠れぬ夜は、満月のせいもあるでしょう。こうなってみると、とれも自然に敏感になるようで、自分が野生に戻ったかのようです。
色々な事が感じられるようになりました。その中から得た多くの発見や学びを、読者の皆さんと心から分かちあえたら、嬉しく思います。
僕の病状を心配して下さってアリガトウ。でも僕ですら、自分の命が明日どうなっているのかは、全くの謎。これからも、皆さんが、僕の綴る文章と、本当の対話が出来続けますように。
僕が勇気付けられるのは、この本に込めた思いが、人から人へと、まるで渓流の美しい水が流れるように伝わっていくことです。

虹の島ハワイより 2005年2月23日 飯島夏樹

2月28日逝去 

天国で君に逢えたら

「死」を受け入れて「生」を前向きに捉える, 2007/5/23

一人の男が38歳の生涯を閉じる。彼は想い出を天国に持っていくのではなく、家族に「生」という言葉では表しきれない大切なものを引き継いだ。そして、書くことにより「生」を多くの読者に伝えた。
あとがきに奥様が書かれているように、主人公は飯島さんの分身であり、「死」を決して暗い、あるいは悪いイメージで描いていない。死と向き合うこ とにより、より充実した「生」を描いているのだと思う。飯島さん自身がうつ病になり、その回復への糸口が「書く」ことであったのだそうだ。ガンセンターと いう「生」「死」が隣合う現場を湿った環境とせず、ユーモアあるいはコメディーにも近いタッチでありながら登場人物全てが愛に満ち溢れている。 
飯島さん自身が病院を隅々まで歩きまわり観察しインタビューして書き綴ったこの作品は、病院の理想像を描いているのかもしれない。
直近に読んだ、秋元康さんの「象の背中」における48歳サラリーマンが癌で死んでいくホスピスもある種の理想的「終の場所」を描きたかったように感じる。
現代は死を隠蔽する社会といわれる。特に都会においては、死に接する事は少なく病院で生まれ病院で死で迎える。
本書はそんな都会に住む人々に「生」と「死」を考える時間を与えてくれる教科書でもあるのではないか。もちろん、自分で「考える」事がもっとも重要なことであるのだが。

通勤電車では読まない方がよいと思います。


Life天国で君に逢えたら スタンダード・エディション
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北海道でイトウを守る

王子製紙株式会社|ニュースリリース
企業としての環境に対する責任という文脈では非常に良い動きではないでしょうか。ひたすらコンクリートで川を殺してきた国交省や農水省が、だんだん自分達の間違いに気づいているようでもあります。

チーム・バチスタの栄光 DVD 2008

医療ネタの映画として面白いですね。
確か原作者が医師ですよね。病理医だったような。
寝る暇もない病院スタッフ、渦巻く人間関係、職種による格差等々。
ただ、厚労省の役人役はオーバー過ぎますね。

高度医療が高額医療になり、スパゲッティ症候群と呼ばれる管だらけで
生きながらえる治療が果たして生命の尊厳とどういう文脈で絡まっていくのか。
そんなことも考えながら見てみました。



チーム・バチスタの栄光 [DVD]
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備忘録

総合科学技術会議:事業の「優先度判定」 スパコンは推進 - 毎日jp(毎日新聞)
科学技術会議だから、科学に甘いのはしょうがないかな。

マタギ 田中康弘 判佝如2009

マタギ 田中康弘 判佝如2009-12-06

田中氏(1959−)が秋田の阿仁に通いつめて写し、綴ったマタギの世界。
狩猟という人間の最も基本的な生活文化が徐々にそして確実に消え去ろうとしている現在、その文化が消滅することが何を意味するのかが逆に浮き彫りにされてくる。生きるために食う。そしてそれは自然の恵みとして、森の恵みとしての人間の普遍の姿でもあるだろう。本書は熊狩り、ウサギ狩り、ジャガク(冬の川での漁)、岩魚釣り(漁の方が的確かな)、山菜や茸狩り等を通じてマタギの生活(生業ではなく主に副業あるいは文化として)を描きだしている。田中氏は書く「山は多くの恵みをもたらしてくれたが、マタギの命も簡単に奪い去られる。生きるために山に入り、死と向かい合った時にマタギは神を感じたのだろうか。私が思うに、マタギの精神世界の根本は死である。生きるための死である」
また、最後に田中氏は学術的なアプローチを行っていない理由として、先人達には及ばないし、学術的な興味がないと書かれる。しかしである。すでに本書が学術的意味を持っているのである。三角寛のサンカ研究の不備は指摘の通りであるが、けっしてマタギ学が成り立たない理由にはならないはずだ。山の民の歴史的背景や文化伝承の研究が我々日本人あるいはそれ以前の我々の先祖からの多くの恵みを含んでいるのではないだろうか。
根深誠さんも決して学者ではないが青森のマタギの村を書き綴っていたと思う。
田中氏の今後さらなる本分野での活躍を祈らずにはいられない。


マタギ 矛盾なき労働と食文化
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いま、会いにゆきます DVD 2004

いま、会いにゆきます DVD 2004

原作に劣ることなく描き出されている。
黄色い公衆電話、赤い胴長ポスト、時間がゆっくり流れているような世界がそこにあります。高校時代から成人に向かう時間の中で誰もが経験するであろう青春という文脈。さらに異性と結ばれ、子供をもうけて家族をつくりだす。
けっして裕福でもなく、ささやかに、しかし、明るく、楽しく生きて行くことの素晴らしさ。死というものが循環する時間の中で奇跡を起こす。そんな奇跡が起こりうる社会が健全なのかもしれない。
市川ワールドが映像の中に十分生かされていると思った。

ただ、森は人工林でない森を映し出して欲しかったと思う。そこに多元で多様な命の息吹を感じるためにも。

原作を読んだ時の感想
2008年02月23日09:49
いま、会いにゆきます 市川拓司 小学館 2003
「そのときは彼によろしく」がそれなりに良かったので古本を買ってみた。

市川さんの小説はご自身とご家族の文脈から流れて来ているそうだ。私小説がファンタジーに昇華しているのかもしれない。
文章が若干荒い様にも思うのだが、知らず知らずに読者の自分が絡め取られていく。多くの少年少女(60年生まれ前後)が体感したモノを織り込んだ展開だからだろうか。そう、携帯電話もポケベルも無かった青春時代。
こんな文章に接すると、もうたまらないですね。

この喪失の予感が恋する気持ちと重なって、胸の中はもう「切なさ」とか「愛しさ」とか、そんな名前がついた化学物質で溢れかえっていた。中略。きっと人間 は、何どでも同じ相手と恋に落ちるものなのだろう。そして、そのたびにニキビとやたらと感じやすい心を抱えた10代の子供に戻ってしまうのだ。

今日よりも明日が素晴らしいのは、一日分きみの次の手紙に近づけるからだ。そんなふうに感じて過ごしていたのものだから、これはかなり応えた。(主人公が自らの病気を隠して別れた後の独白かな)

久々に通勤電車の中で途中から読むのを止めました。

ふと思ったのは、市川さんの2作とも小世界の自然は出てくるのですが、それ以上の自然が出て来ない、言い換えれば都市小説なのかなと。



いま、会いにゆきます スタンダード・エディション [DVD]
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楽して成功できる非常識な勉強法 川島和正 アスコム 2008

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献本

読後の感想による、正しい本書のタイトルは「努力なくして何ら成功はなし」かな。
夢を持つのも良いし、金もうけするのも良いでしょう。ゴールへの道のりが短い方が良いというのが筆者のお考えのようです。いわゆる自己啓発書という分類なのでしょうかね。
楽をするというのは兎角他人の褌で相撲を取る様に取られがちですが、本書は、いかに自分の努力量を少なくして目的を達成するかのアイデアでしょう。特に裏技も奇抜な方法論もありません。いずれにしても勤勉でなくてはならないのです。
読んでいて思ったのは養老孟司さんの良く言われる脳化社会あるいは都市化現象です。すなわち全ての事象を、ああすればこうなる的に記載していく現代の流れ。そこに身体性はなく、自然との絡みも生じません。
幸福とは何か、時間とは、貨幣とは、そして生きるとはという根源的な問いははじめから存在しない世界があるように思えてなりません。



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書評/ビジネス

そんなにひどいのか?

罰金刑の元部長、小学教頭に昇任 山教組 (1/3ページ) - MSN産経ニュース
良い先生も沢山いたが、偉くなっている先生って(教頭とか校長とか)裏で色々やっているんですかね。そういえば、お世話になった先生とか好きな先生はみな生涯一教師みたいな人だったなと、今思う。

こんなのやってます 展覧会 

東京藝術大学|お知らせ一覧|取手ARTPATH2009 開催中!!
よくわかりませんが、宮台教授の講演会もあるようですね。
大学時代が一番楽しいんだろうなと。
遊んで、夢見て、苦しんで、生きて行けばよいのである。

金融商品としての森

環境:全国の地方銀行が結集、「森を守る」サミットと植樹 - 毎日jp(毎日新聞)
森を守るのは良いとして、どうしてもそこに市場経済という貨幣が絡まっている。革靴履いてネクタイ締めたおじさんたちが、宮の森に植樹。

是非一度、荒廃しきった人工林を見た方が良い。
問題は宮の森や頭取室にはないのである。

森林ボランティアという言葉は誘惑的であるが、実はそのほとんどは林業ボランティアという人工林の間伐作業なのである。
林業が不要だとは考えないが、行政やアカデミックの失策を言葉の遊びや環境税というまやかしで未来に繋げては絶対いけないのであると思う。

労働組合に意味があるのか?

労働組合という恐竜 - Joe's Labo
城さんの書かれている事に激しく同意するわけです。いつもながら。
自分は昔中途採用の専攻職とやらで地方公務員をしたことがある。なぜか自然に労働組合というものに入れられる(一応、承諾はしたのかもしれないが、皆が入っているから入ってください的な勧誘だったと思う。
そしてオルグなるものがあって、専従とやらの組合員が話をするのである。霞が関の給料が高いのはケシカランと。
その時、知り合いが何人か霞が関に働いていて、終電での帰宅なんか当たり前の生活った。
それに比べて、在職した機関のほとんどのオヤジは5時過ぎにはあっと言う間に消え去るのである。

組合という名の既得権益保存装置だったのである。
退職金や年金の計算を楽しみに、利他的なことなどまったくなく。ワークシェアリングなどとんでもないという組織なのである。

そうそう、機内でハゲタカという映画をみたけど、そこに派遣労働者が出てくる。
まさに正規社員と会社のための奴隷の様に描かれていた。
弱者を守る組合という文脈はまったくないのである。

湯島の大杉

山梨県早川町・南アルプス邑野鳥公園のブログ: 「早川グリーンウォッチングツアー 巨木・古木にふれよう」開催レポート
知らなかった。。。
見て〜〜〜
風呂もあるし。。。
良く残してくれたと言う感じでしょうか。
屋久島の巨木まではいかないけど、凄いですね。
来年は絶対行くぞっと。

さてと

読みたい本も沢山仕入れたし。映画も落語も。

クリスマスも正月も西アフリカにおります。たぶんね。

日本にいるとつい飲んでしまいます(笑)
そんな訳で本が読めなかったであります。

どんな本を買ったのかも忘れる今日この頃。
まだらボケと言うらしい。



清浄なる精神
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事業仕分け あるいは 思想仕分け

「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長のブログ:事業仕分けに対する中村桂子さんの意見に対して
まだちゃんと読んでいません。自分のブックマークとして保存です。

ノーベル賞学者を並べたり、オリンピックメダリストを並べて陳情するという行為が果たして正しいことなのかおいらにはよく理解できないでいます。

もっと弱者に優しい共同体としての日本という文脈が過去にはあったように思います。でもそれが公共事業と言う名の雇用対策でもあった気がするのです。
権威と権力の狭間に漂う多くの弱者がいるのは確かではないでしょうか。

四手井綱英先生

僕は読書でしか知らない。
でも読んでいて、この人は真実の人であり研究者として全うな人だと
確信した。
自分の目で見て、手で触れて、そして森の動物やそこに住む人々と対話
しながら日本の森をみつめてきたのである。
決して林業の将来性を悲観していたわけではない、ただ、間違ったやり方に
我慢がならなかったのだ。
どうして間違ったのか。

事業仕分けの仕分人としてまさに適任だったはずである。

速水林業の速水さんは仕分人で今回参加していた。これには伏線があるし
正しい選択だと思う。

日本の森を守るにはどうしたらよいのか。
環境税だとか目先の事だけで何とかなるものではないのである。



森の人 四手井綱英の九十年
森の人 四手井綱英の九十年
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森林はモリやハヤシではない―私の森林論
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もりやはやし―日本森林誌 (ちくま学芸文庫)
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森に学ぶ―エコロジーから自然保護へ
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日本の森林―国有林を荒廃させるもの (中公新書)
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美しい森をつくる-速水林業の技術・経営・思想-
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おじさんの畑は 今日もにぎやか さげさかのりこ PHP研究所 2009年11月


大都会の中にある畑、里山。
そこには循環する時間が存在する。
土地と自然が人間という動物に恵みを与えてくれる。
そして自然と共生、共死する文脈の中で「手入れ」という技能は
簡単には習得出来るものではない。

おじさんは、何気にあたかも簡単に美味しい野菜や綺麗な花を育てて
しまう。その背景には絶え間ない努力と自然との会話が存在する。
さげさかさんの目線はそんな心象風景を鮮やかにデジタルカメラで
映し出している。

ふと通り過ぎてしまう都会の中の畑に、実は高度に蓄積された手入れという技能、自然に逆らわない、そして脳化されていないおじさんという
日本があるように思う。

いつまでも、この本の中にある風景が残って欲しい、そこには市場経済と
いう文脈では到底説明のつかない自然と共にあるはずの自然資本者としての人間の姿が見えるし、おじさんの姿を見ているさげさかさんのお嬢さんの笑顔と笑い声が聞こえてくる。

おじさんの畑は、今日もにぎやか。
おじさんの畑は、今日もにぎやか。
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