図書館本 種々な研究に携わる人にお勧め
何冊かトッド氏の本は読んで来て、歴史人口学という分野があり、データ収集により歴史を検証し現在および未来を考えるというスタンスが非常に興味であった。
乳児死亡率の統計からソ連崩壊を予測したことはトッド氏の最大の研究実績の一つであろう。
そんなトッド氏の自身もフランスで経験したコロナ禍で日本読者向けの自身の生き様と研究スタンス(思考方法)を吐露している。
非常に個人的な事(通常はデータ解析とそこから導かれる結果と考察がメインであるが)と自身の人生と研究の関係性が良く理解出来た。研究の方法論なども詳しい。
日本にも歴史人口学と政治の関係性にも言及する学者が求められていると感じた一冊である。
備忘録的メモ
混沌とした歴史に中に法則を見付ける
最初に見つけた法則は家族構造の種類と政治思想の関連性
考えるのでなく、学ぶ(哲学は好きでない。池田晶子氏の知る事より、考える事の対立軸)
他人がしてきた研究の結果をひたすら読む
3つの知性 処理能力(頭の回転の速さ)、記憶力、創造的知性
仕事の95%は読書
研究は楽しくなくてはいけない
執筆予定 女性の開放と未来社会 家族システムの起源(下)
ドイツはアメリカにつくのか、中国につくのか
フランスはドイツにつくのか、アメリカにつくのか
戦争とそれを率いるリーダーの出現が国家の起源と結びついている?
農業の発展、女性・男性の地位、国家権力の出現、戦争、宗教と呪術の役割、迷信などの関係性 p65図
2015年「シャルリとは誰か?」 対立 フランス人の反応に落胆したトッド
ファクトの積み重ねから仮説をたてる
すべては歴史である 科学史などの重要性 最新情報しか教えない教育
重要な発見の一つ 共同体家族と共産主義の関係性 (トッドは16歳から青年共産党メンバー)
WHOの世界年鑑 ソ連のロシア地方とウクライナの乳児死亡率の上昇を発見
リサーチャーと発見者の違い
予想外のデータを歓迎する (エイズの発見に至る、希少な薬剤処方の増大)
古典を読む意義
アイデアが浮かぶの鬱状態の時
現在3人目の奥さんと暮らしている 4人の子供の父親
同調圧力に抗う(インテリや学会からの低評価、社会科学の問題点)
自然科学を研究するように社会学や歴史学を研究する
研究者としての唯一の価値観は真実の追究 価値観の対立の無意味
目次
出版社のwebより
序章 思考の出発点
1 入力―脳をデータバンク化せよ
2 対象―社会とは人間である
3 創造―着想は事実から生まれる
4 視点―ルーティンの外に出る
5 分析―現実をどう切り取るか
6 出力―書くことと話すこと
7 倫理―批判にどう対峙するか
8 未来―予測とは芸術的な行為である
何冊かトッド氏の本は読んで来て、歴史人口学という分野があり、データ収集により歴史を検証し現在および未来を考えるというスタンスが非常に興味であった。
乳児死亡率の統計からソ連崩壊を予測したことはトッド氏の最大の研究実績の一つであろう。
そんなトッド氏の自身もフランスで経験したコロナ禍で日本読者向けの自身の生き様と研究スタンス(思考方法)を吐露している。
非常に個人的な事(通常はデータ解析とそこから導かれる結果と考察がメインであるが)と自身の人生と研究の関係性が良く理解出来た。研究の方法論なども詳しい。
日本にも歴史人口学と政治の関係性にも言及する学者が求められていると感じた一冊である。
備忘録的メモ
混沌とした歴史に中に法則を見付ける
最初に見つけた法則は家族構造の種類と政治思想の関連性
考えるのでなく、学ぶ(哲学は好きでない。池田晶子氏の知る事より、考える事の対立軸)
他人がしてきた研究の結果をひたすら読む
3つの知性 処理能力(頭の回転の速さ)、記憶力、創造的知性
仕事の95%は読書
研究は楽しくなくてはいけない
執筆予定 女性の開放と未来社会 家族システムの起源(下)
ドイツはアメリカにつくのか、中国につくのか
フランスはドイツにつくのか、アメリカにつくのか
戦争とそれを率いるリーダーの出現が国家の起源と結びついている?
農業の発展、女性・男性の地位、国家権力の出現、戦争、宗教と呪術の役割、迷信などの関係性 p65図
2015年「シャルリとは誰か?」 対立 フランス人の反応に落胆したトッド
ファクトの積み重ねから仮説をたてる
すべては歴史である 科学史などの重要性 最新情報しか教えない教育
重要な発見の一つ 共同体家族と共産主義の関係性 (トッドは16歳から青年共産党メンバー)
WHOの世界年鑑 ソ連のロシア地方とウクライナの乳児死亡率の上昇を発見
リサーチャーと発見者の違い
予想外のデータを歓迎する (エイズの発見に至る、希少な薬剤処方の増大)
古典を読む意義
アイデアが浮かぶの鬱状態の時
現在3人目の奥さんと暮らしている 4人の子供の父親
同調圧力に抗う(インテリや学会からの低評価、社会科学の問題点)
自然科学を研究するように社会学や歴史学を研究する
研究者としての唯一の価値観は真実の追究 価値観の対立の無意味
目次
出版社のwebより
序章 思考の出発点
1 入力―脳をデータバンク化せよ
2 対象―社会とは人間である
3 創造―着想は事実から生まれる
4 視点―ルーティンの外に出る
5 分析―現実をどう切り取るか
6 出力―書くことと話すこと
7 倫理―批判にどう対峙するか
8 未来―予測とは芸術的な行為である