おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

読書

ニコルさん ありがとうございました。R.I.P.

多くの事をニコルさんの本で学ばせていただきました。

一度だけ講演会を聞かせていただきました。

森、自然、動物、そして人間が居るんだと。

天国で安らかに一度休養され、また愚かな私たちのために天国から色々と教えてください。

本当にありがとうございました。

身体を忘れた日本人 読書メモ
http://dream4ever.livedoor.biz/archives/52594725.html

Tree(ツリー) (アニメージュ文庫)
C・W・ニコル
徳間書店
1991-03-01


森からの警告―畑正憲・C.W.ニコル対談集
ニコル,C.W.
CBS・ソニー出版
1988-05T


犬が殺される 森映子 同時代社 2019

図書館本

日本における動物実験の問題点を、時事通信社記者である森さんが丁寧に深く調査取材した内容。

私自身が動物実験を多くやってきた関係で、指摘されている問題も良く分る。
特に学生の頃、今から30年以上前であるが、動物の福祉なんて考えなかったし
獣医学の中にもそんな項目は無かった記憶である。

ただし、動物実験があるおかげで医薬品開発や化粧品、食品、農薬開発などがこれまで行われた来た事も事実である。

現在は3Rという
Replacement(代替)
Reduction(削減)
Refinement(改善)というある意味当たり前の指標が示されている。
しかしながら、大学、企業の中には情報公開を求めても非公開や取材にすら応じない所もある。

本書では比較的新しい2010年代に取材した獣医大学、大学実験動物センター、企業での実験動物棟などのある意味、世間に見せたく無い闇を探っている。
そこには大学間での大きな対応の違いや、実験動物に対する扱いの差異が認められる。
また、実験動物学会や実験動物を販売する業界団体、安全性試験等で動物を使用する企業などの
立ち位置や法律に対する取り組みも異なっている事が良くわかる。
動物愛護法にも色んなロビー活動がある事も分かった。
自民党は三原じゅん子氏(愛護議連事務局長)山際大志郎(獣医師免許あり 愛護議連幹事長)

犬が殺される 動物実験の闇を探る
森 映子
同時代社
2019-03-11

失われたバラ園 はかたたん、さわだまり 日本地域社会研究所 2018

図書館本

子供にも大人にも見て欲しい絵本。

福島県双葉町にあった(過去形)素敵なバラ園

3.11震災

原発さえなければ、今も素晴らしい花を私たちに見せてくれている。

人間の愚かさを自然や花が教えてくれた。

今年発売のマヤ・ムーアの写真集も凄く良いとの事です。


失われたバラ園
たん, はかた
日本地域社会研究所
2018-04-01

失われた福島のバラ園 The Rose Garden of Fukushima
マヤ・ムーア
世界文化社
2020-02-21

これまたAmazonレビュー拒否なのね(笑)

おやじのぼやき : 民俗選挙のゆくえ 津軽VS甲州 杉本仁 梟社2017 - livedoor Blog(ブログ)


最近、この本の読書メモへのアクセスが多いのはなぜ?

ちなみにAmazonレビューは当初掲載されていましたが、今は拒否
都合の悪い方が多いのでしょうか?
書かれた事をメモしているだけですが(笑)


以下再掲

図書館本

山梨県出身者として、恥ずかしい民主主義下の選挙の歴史と言ったところ。
まあ、県庁職員をしていた頃、職員が知事選で選挙活動しているような環境でしたしね。(1980年代後半)今もあまり変わってないのかもしれません。選挙はお祭り。

さて、本書は山梨都留市出身の杉本氏(1947- 都立高校教員を経て 都留文科大学非常勤講師 柳田国男研究会会員)が津軽と山梨(甲州)の民俗、風習等と選挙の関係性を資料を基に綴っている。
また、本来は奄美の選挙(徳田さんかな)もまとめたかったとある。

メインに甲州選挙の部分を読んだ。

備忘録メモ
天野久を当選させた選挙のプロ 林ただし、竹中英太郎(竹中労の父)も。
望月県政 金丸信 上納金システムの構築 公共事業と土建屋 勝ち組と負け組
無尽市長 河口親賀(甲府市長) 138本の無尽に加入 選挙後援会親友会 毎月8日笹や旅館で無尽
無尽県議 望月金三 保守・革新関係なく無尽システム
ドラブチ(嫁盗み)、盆踊り(夜這い)等の民俗としての村(共同体)意識(ムラの娘はムラのもの)
名家としての金丸信 山林地主(武川村 三沢家)長女との結婚 
 経済界、政界との繋がり 山梨中央銀行頭取(名取忠彦 名取家の女婿 実兄は広瀬久忠)
伊勢湾台風被害の復旧対策に20億の災害特別対策費 県庁の窓口に 釜無川右岸の土地改良 一大果樹園地帯へ
ポスト望月県政の後継と託した小沢澄夫前副知事の敗北(1991)(この頃、山梨に居ましたね、俺)
1992年 佐川急便事件で金丸信失脚
金丸信の人柄 人の繋がり重視、面倒をよくみる、約束したことは守る、えらぶらない。人情家。3人の息子を政治家にしなかった(長男 竹下登の長女と結婚、次男(秘書) 西松建設社長の子女と結婚)







いまこそ経済成長を取り戻せ ダンビサ・モヨ 白水社 2019

若林茂樹 訳

図書館本

ダンビサ・モヨ女史と言えば、Dead Aid, Winner Take All, How the West Was Lost 等で有名なザンビア出身の経済学者。特にDead Aidでは西側諸国のアフリカ援助がいかに非効率でムダが多いかを指摘して世界の援助業界をざわつかせました。そして当時から中国型の援助が今後のwin-winの関係としての援助になるとの示唆をしていました。
まさしく、アフリカが欲しいものを中国は持っている、そして中国が欲しいものをアフリカは持っている。

そんな流れの中で、本書では西欧型民主主義と経済成長の関係性を種々な統計や現在の中国の体制と経済成長と比較することで論じています。もちろん日本の過去の経済成長と現在の低迷する経済をも。

若干、翻訳が分かりにくいというか、疑問な箇所もある。またグローバリゼーションとグローバリズムを同一視しているフシもあるかな。

備忘録的メモ

経済成長は経済学だけから説明できるものではない。
アメリカにおける教育成果の格差 白人と黒人、ラテン系の学力ギャップ
フィンランド、スペイン、カナダ、オランダは市民にベーシック・インカムを給付している。(本当ですか???)
保護貿易、自由貿易、関税障壁問題
移民政策
資本市場と自由民主主義が繁栄の唯一の道と考えられていた
中国は経済(政治)制度を変えることなく、所得格差を縮小出来ることを示した
民主主義に不可欠なのは経済成長
世界で従業員が多い組織の上位10のうち、7が政府 米軍320万人、中国軍230万人、イギリス健康増進局170万人、中国石油天然気集団160万人、中国国家家電網150万人、インド鉄道140万人、ウヲルマート200万人(民間)
投資家や企業年金ファンド等の短期資金回収志向ー長期的戦略の欠如
ロビー活動(利益団体)と政治の関係性
選挙制度と民主主義 投票の義務化
メディアと選挙 SNSの台頭
日本のインフラ投資(公共投資)、計画に問題があり6.3兆ドルの歳出を行ったが、経済波及効果は無かった。
権力と富が政府から個人富裕層の手に移る時、国家は衰退する。



援助じゃアフリカは発展しない
ダンビサ・モヨ
東洋経済新報社
2010-07-30

すべての富を中国が独り占めする
ダンビサ・モヨ
ビジネス社
2013-07-24



コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 西原智昭 現代書館 2018

図書館本 今年読んだベストテンに必ず入る一冊

西原さん(1962- 藤沢生まれ)の生き様が凄いのである。 参考 http://www.arsvi.com/w/nt10.htm

人類学を専攻しコンゴでの調査や野生動物保護活動を通じて見た人類と地球の係わり合い。
山極さん(現京大総長)の居た京大理学部人類に籍を置いたのが人生を決めたのだろうか?
多くの優秀な研究者を輩出している京大であり、人の真似ではない科学がそこにあったのだろう。

内戦でのベース撤退の記述は体験した人間しか書けないであろう緊迫感がある。

ちょっと気になる記述があった。
人類学教室に居た頃(アフリカに行く前)、地下倉庫にアイヌの骨があり現代人の頭骨との比較を頼まれた。(この骨はアイヌの方に戻されたのだろうか? 種々の大学で問題になっていると思う)

森林伐採、日本で使われている熱帯雨林、FSC認証の重要性。日本人は分かっているのか?

象牙問題 日本人が好むマルミミゾウの象牙(ハード材)とサバンナゾウの象牙の差異

マルミミゾウとニシゴリラの希少性でのエゴツーリズム(エコではなくエゴ、すでにサファリやマウンテンゴリラは見ている人々)

ガボンの海岸地域でのJICAによる漁業センター建設(使われず廃墟化?)とザトウクジラ捕獲の関係性

野生生物の「利用側」「保護派」が同じテーブルで議論する必要性

好奇心優位なメディアの問題

野生生物と人間との関係に関する教育の貧弱さ

「自然のシナリオ」を人間は書き換える事など許されない、いかにシナリオへの影響を最小限にするのかが野生生物や自然を守る事にほかならない。




生きづらさに立ち向かう 前川喜平 三浦まり 福島みずほ 岩波書店 2019

図書館本

雑誌「世界」の加筆・訂正 および2019年7月の鼎談収録


教育や男女平等という文脈での議論そして政治との係わり

教育の現場でかってはもっと基本的人権、平和、憲法などが語られていたのではないか。

投資として考える教育の危うさ。

多用性があるべき義務教育の単一化、単純化。

政治の暴走による学校許認可問題。

生きづらさに立ち向かう
福島 みずほ
岩波書店
2019-10-29

新聞記者 映画

Amazon.co.jp: 新聞記者を観る | Prime Video


amazon video

望月衣塑子さんの著作はほぼ読んでいると思う。
この作品は某獣医大学や詩織さん事件を題材にしているけど、実は望月さんが
ずっと追っている日本企業や政府の武器輸出に関する取材が原案なんでしょうね。
ジャーナリストの矜持をうまく描いていると思います。




新聞記者 (角川新書)
望月 衣塑子
KADOKAWA
2017-10-12

権力と新聞の大問題 (集英社新書)
マーティン・ファクラー
集英社
2018-06-15

武器輸出と日本企業 (角川新書)
望月 衣塑子
KADOKAWA
2016-07-10

THE 独裁者 国難を呼ぶ男! 安倍晋三
望月 衣塑子
ベストセラーズ
2018-01-26

amazon レビュー ブロック

日本の山を殺すな!―破壊されゆく山岳環境 (宝島社新書) | 石川 徹也 |本 | 通販 | Amazon


これもAmazonのレビューブロックされていますね。購入本ですが。

2006年のレビュー

山小屋のトイレ問題、高山植物の盗難、山を観光地へ導くわな、電源開発のための電気と治山のためのダムが山に与える生態的影響と経済的影響、世界遺産登録がもたらす弊害、大規模林道の必要性等を実際に現場を見てレポートしている。ある種、一般国民が目にしない場所で着々と進む公共事業への告発でもある。
自分自身も未舗装の山道を車で走っていて、いきなり一般国道と間違えるような舗装道路に出会う事がある、そして毎年、少しずつ奥に舗装が進んで行く。一体誰のための道路なのか考えてしまう。

世界遺産の問題では、白神山地の入山規制にも言及していて、これは根深誠さんも以前より異議を唱えている。すなわち、青秋林道を作ろうとしていた林野庁が反対運動で林道を作らなくなったら、今度は世界遺産と言う看板を使って一般人の入山禁止を打ち出す。誰が考えてもオカシイ。
大規模林道の件では霞ヶ関のお役人様は現場を見た事がないのに著者にブリーフィングしてくるとの事。

地域振興と言うお題目を掲げ事業を行っているが、実際どれほど森を守る上流域の人々を日本はサポートしているのか?林野庁は大赤字だそうだが、森を守って赤字なら国民は納得するだろう、しかし森を破壊して赤字ならその責任は重い。

登山(沢登り)も釣りも文化だと言う人がいる、勿論文化になって欲しい、しかし文化と声を上げるのであれば日本の森や渓流が置かれている現状をしっかり認識して行動を起こすことが必要でないのかとこの本は訴えていると思う。






良書よ芽吹き

年に何度かあるんですよね。
図書館で借りた本を結局購入する。

今回は購買希望を出しておりました、何人かが希望された様です。
それで鎌倉図書館が購入してくれたので読み始めました。

でも、これは買わねばと!

アジサイも芽吹いてきました。

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薪を焚く
ラーシュ ミッティング
晶文社
2019-11-12

安倍官邸vsNHK 相澤冬樹 文藝春秋2018

図書館本

なぜ相澤さんはNHKを辞めざるを得なかったのか?
森友問題の本質である公有地の土地値下げ問題、学校許認可問題のはずが
籠池氏および夫人は詐欺罪(補助金)で起訴され長期拘留された。
裁判の判決は2020年2月19日 籠池氏実刑、夫人は有罪執行猶予というものだった。
近畿財務局の職員は文書改竄で自殺、その他財務省関連の公文書改竄を指示した官僚等は
不起訴。

本書は森友事件の取材を通して見えてくる政治権力と報道のある意味、馴れ合いと忖度を
綴っているのだと感じた。

また報道記者の生き様や取材方法のコツ、いかに真実を聴き出すかなど、TVドラマより
リアルな内容が興味深い。特に検事などへのアプローチは。

ジャーナリズムは常に権力の監視をしなければいけない。watch dog(番犬)でなければいけない。

不正を闇に葬る現状の政治の流れを相澤さんをはじめとするジャーナリストに是非とも
断ち切って市民に正しい情報を流して貰いたい。


百田尚樹「日本国紀」の真実 別冊宝島編集部編 宝島社 2019

図書館本

自虐史観の対立語は自慰史観だと考えています。

歴史学の中ではすでに確定している史実を、いつの時代にも、無かった、捏造だ、修正だと
言うトンデモな方がいる。
南京事件
731部隊
慰安婦問題 等々

本書はまず、日本国紀のいい加減さを初版と9刷との比較で指摘しています。
コピペと参考文献を示さないいい加減さには呆れます。

その他、やしきたかじん氏の妻を主人公にした「殉愛」を巡る裁判の状況なども
取材無しで書いたとしか思えない内容が多数だと指摘。

売れれば良いという出版社の問題も書かれています。

いずれにしても品性下劣な作家が闊歩して歩いて時代の検証でもありますね。

目次

01 『日本国紀』は「トリックの多い書」である
02 書店人が読んだ『日本国紀』
03 無断修正のオンパレード!『日本国紀』の「全正誤表」と「パクリ事例」
04 デビュー作『永遠の0』に見る「パクリ」のルーツ
05 「触らぬ百田に祟りなし」?研究者たちの『日本国紀』批評
06 『殉愛』法廷に見る百田尚樹「虚言」の検証
07 スター作家・百田尚樹を作り壊した幻冬舎・見城社長の「製造者責任」
08 安倍政権と百田尚樹「権力の代弁者」の末路
09 「もう出ない」と意気消沈 百田尚樹「朝まで生テレビ」デビュー戦プレイバック
10 作品、政治、歴史からメディア、著作権まで―百田尚樹「発言集」20



日本国紀
百田 尚樹
幻冬舎
2018-11-12

黒部源流山小屋暮らし やまとけいこ 山と渓谷社 2019

図書館本

黒部の薬師沢小屋でのお話し。
美大での著者のイラストがほのぼのしています。

力仕事、遭難の現実、何回転もする夕食準備の話。
素晴らしい黒部の自然と厳しい自然の対比。

岩魚の話なんかも書かれています。

黒部の風 砂永純子 山と渓谷社 2014 この書籍の中にも著者が登場しているように
思うのですが、どうだろう?
小屋のオーナーの話も興味深い(同じオーナーです)。

いつか黒部で釣りがしたいと思っていましたが、年を取ってしまいましたかね。
あと、ぎゅうぎゅうな小屋泊まりもちょっとね。


みらいめがね 荻上チキ ヨシタケシンスケ 暮しの手帖社 2019

図書館本

荻上さんが雑誌暮しの手帖に連載したもの。

ご自身の生い立ちから成長、その過程でのいじめやクラブ活動での出来事などを
綴っています。
現在のラジオ番組であるセッション22の活躍からは想像できない苦労や苦悩が
有った事が想像できる。

うつ病(33歳の夏から)の事、家族のこと、仕事の事など。

荻上さんの一番の評価点はおそらく、多様的な視点と聞く耳の広さだと感じる。
そして論理的に物事を観察しようとする態度、弱者あるいはマイノリティと言われる
人たちへの共感だろうと感じる。

ネットのみの情報を自分に都合よく解釈して、他者を非難するような社会が
いかに貧しい世界になっていくのかが想定できる。

今後も素晴らしい聞き手であり書き手でありジャーナリストでもあって欲しいと思う。


伊藤忠商事元会長・丹羽宇一郎さん

特集ワイド:この国はどこへ これだけは言いたい 伊藤忠商事元会長・丹羽宇一郎さん・81歳 人間の弱さにどう打ち勝つか - 毎日新聞


企業人として人間として、素晴らしい方ですね。
元中国大使 著作多数


引用

近年、大企業による不祥事が後を絶たない。メーカーの不正会計や検査データ改ざん、生命保険の不正販売、そして電力会社の金品受領……。保釈中にレバノンへ逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告は会社の私物化が問題視された。伊藤忠商事の社長や会長を歴任し、数々の著書で企業論を説いてきた丹羽宇一郎さん(81)はこの事態に何を思うのか。

 「人間って、弱い存在なんです。お金に目がくらんだり、平気でうそをついたりする。そんな人間の弱さを私は『動物の血』と呼んでいます。理性で抑えられずに、お金をポケットに入れたり、改ざんや粉飾に手を染めたりする。昔から変わりませんね、人間は。だから不祥事が相次いでも、私はちっとも驚きません」

 「うそをつかない」「会社のお金には一切、手を出さない」――。1998年、社長に就任した時、自らに誓った。社員には「クリーン、オネスト、ビューティフル」の実践を求めた。宝塚歌劇団のように「清く、正しく、美しく」をあえて唱えなければならないほど、私たちの体内に流れる「動物の血」は濃い、とみる。自身のこんな体験を明かしてくれた。

 「米国赴任を目前に控えた20代後半の頃のことです。上司から取引先への請求書を全て送り終えたかと問われ、私は何カ月も放置していたのに『終わりました』とうそをついた。海外赴任が取り消しになるのを恐れたからです。しかし、取引先の一つが倒産しそうになった。会社に損害を与えかねない事態で、暗い日々が続きました。結果的に運が味方して全て代金を回収でき、うそもばれなかったから、今がある。私自身も弱い心の持ち主なんです」

 では、その弱さにどう打ち勝てばよいのか? 「どんな状況でも『俺はこうする』と明確な価値観をきちんと持っていることが大切です」

 近著「社長って何だ!」(講談社現代新書)は自らの体験に基づいたリーダー論だが、企業経営にとどまらず、あらゆる組織に通じるものだ。例えば、こんなくだりがある。

 <上司に直言する人物が会社には必要です。自らの地位や待遇が不利になることを顧みず、会社のことを考えて「これはおかしいですよ」と真実を告げる「諫言(かんげん)の士」です。(中略)物言えば唇寒しで、迎合する部下たちが結果的に「裸の王様」を育て上げるのです>

 そして「統治の三原則」を説く。透明性、情報公開、説明責任。丹羽さんが企業のトップらに投げかける言葉は、そのまま政治家や官僚にもあてはまるように聞こえる。

 丹羽さんは2008年11月にも「特集ワイド」に登場。当時は、米国発のリーマン・ショックで世界が大混乱に陥っていた。そんな中、丹羽さんはこんな楽観論を展開していた。

 <1929年(大恐慌)とは違いますよ。当時の約4倍の人口が生きている。いまの世界経済はそれほどヤワではない。そのうち戻りますよ>。米大統領にオバマ氏が当選した直後でもあった。約9年に及ぶ自身の米国駐在経験などを基に、こう語った。<彼を押し上げたのは、若者のエネルギーと力なんです。そんな情熱と行動力をもった若者がいるかぎり、米国は必ず復活します>

 ところが、である。17年にトランプ氏が大統領になり、世界で自国中心主義が横行。この変遷をどう受け止めているのか。

 「オバマ氏は『米国は世界の警察官ではない』と言いました。これが全ての発端だと思っています。では、誰が世界の平和を仕切るのか。警察がいないので、各国の好き勝手です。そこへトランプ氏が登場した。『これからはディール(取引)で決める』。そして『俺の言うことが真実だ』と。この10年余で、何を信用したらいいか分からない時代になりました。日本も例外ではありません」

 森友、加計両学園や首相主催の「桜を見る会」をめぐる問題などで次々と発覚した公文書のずさんな扱いのことだ。

 「改ざんしたり、廃棄したり、黒塗りで文書公開したりする根底には『うそ』があります。今、政治の世界はうそだらけに見えてしまう。何が真実か分からない。どう真実を見抜き、行動すればいいか、一人一人が問われていますね」

 権力者が都合の悪い報道をフェイクニュースと呼ぶ。そんな世界になったが、丹羽さんは、ある声明に希望を抱く。アップルやアマゾンといった米国の主要企業のトップでつくる経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が昨年8月に発表した、今までの株主第一主義を見直す声明だ。

 「米国で格差があまりにも広がり、投機的な株主はもうかれば逃げていくから、株主第一だけでは経済が立ちゆかなくなった。貧富の拡大はトランプ大統領を生んだ素地でもあります。だから、企業は株主だけのためにあるのではない、と宣言した。顧客、従業員、取引先、地域社会、株主という五つの分野に利益配分しなければならない、という考え方に大転換したのです」

 太平洋戦争中の記憶が脳裏に焼きついている世代でもある。名古屋市で生まれ育ち、実家は書店を営んでいた。幼稚園児だった丹羽さんは、米軍の爆撃機から焼夷(しょうい)弾が次々と落とされる中、親類宅に逃げ込んだ時のことを振り返る。「私は裸足で走っていました。その両側には、まるでろうそくが立つように火を噴く焼夷弾が着弾していました。必死でしたね。数年前、私は実際に戦場へ行った人にインタビューして『戦争の大問題』という本を出したことがありますが、取材を申し込むと、多くの人に『話したくない』と断られました。誇るべきものが何もないからです」

 戦時下に育ち、戦後は大手商社でビジネスに携わった丹羽さん。2010年から2年半は、民間初の駐中国大使として外交でも手腕を発揮した。「平和と自由貿易が日本の国是だ」と強調する。「食料自給率は4割以下で、エネルギー自給率は1割以下。日本は自給自足ができないので、世界の国々と仲良くしないと生きていけない。それなのに、どんどん戦争に近づこうとしている」

 15年に集団的自衛権の行使を容認するなどの安全保障関連法が成立し、米国の戦争に巻き込まれかねない時代になった。そんな中、米国とイランの対立が続く中東へ日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集との名目で海上自衛隊が派遣された。

 「誰かが鉄砲を撃てば、戦争が始まりかねない状況にある。そんな中、海自は巻き込まれずに逃げることができるのか。これまで日本人は海外で憲法9条に守られてきました。戦争をしない平和な国だから日本人を狙うのはやめよう、と。それなのに、なぜ9条を変えようとするのか」

 丹羽さんの自宅は神奈川県の郊外にある。大企業のトップを務めた人とは思えないようなごく普通の家だ。「始発駅だったら、会社に着くまでにゆっくり読書ができるし、帰りも寝過ごすことがないと考え、ここに決めました」。その後、路線が延びて終点ではなくなる誤算もあったが、社長時代も個人、私用では社有車を使わずに電車通勤を続けた。

 「去年の夏、足が突然動かなくなり、歩くのが不便になった。だけど一病息災と言いますか、軽い病気を持っていたほうが、健康に気を付けることができますね」

 最近、「未現過(みげんか)」という言葉を作った。「今、自分がここにいるということは、未来の入り口に立っているということ。現在が未来の入り口なら、過去も未来とつながっている。未来を生きるから、過去のことはクヨクヨ後悔しない。一瞬一瞬が『未現過』です。だから『Do my best everyday』、毎日ベストを尽くして生きていきましょうよ」

 今も物申すこの国のリーダーの一人として、揺るがぬ価値観を持ち続けている。【沢田石洋史】

 ■人物略歴
丹羽宇一郎(にわ・ういちろう)さん

 1939年愛知県生まれ。名古屋大卒後、伊藤忠商事入社。98〜2004年社長、04〜10年会長。10年6月〜12年12月駐中国大使。現在、日中友好協会やグローバルビジネス学会の会長を務める。著書に「仕事と心の流儀」「日本をどのような国にするか」など。







死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
丹羽 宇一郎
幻冬舎
2017-07-28


丹羽宇一郎 戦争の大問題
丹羽 宇一郎
東洋経済新報社
2017-08-04

潜入中国 峰村健司 朝日新書 2019

図書館本

2007年から6年間 朝日新聞中国特派員として中国を取材
その後アメリカ 2018年6月アメリカより帰国
何度か公安に拘束されスクープをモノにしたという。
その昔、舟橋洋一(元主筆)帰国を余儀なくされた(共産党気密文書の記事)など
多くの中国国内で取材活動をして生の中国を報道されている。

組織ジャーナリズムの強みはまさにこの様な活動だろうと思う。
フリーランスでは出来ないだろう。


権力闘争の中でのワイロの問題やハニートラップなどの事も書かれている。

ジャーナリズムの矜持を感じました。



原発に挑んだ裁判官 磯村健太郎 山口栄二 朝日文庫 2019

図書館本 お勧めです

単行本「原発と裁判官」2013年の新たなインタビューと追加取材の成果を加えて再構成とのこと。

日本におけるこれまでの原発関連裁判の流れと結果、その背景が理解しやすいです。
最高裁では必ず負けていますが、地裁、高裁では勝訴もある。
なぜ最高裁で負けるのか、そこには司法を越える何かがある様に思う、この書の中では
最高裁の奥の院と呼ばれる最高裁判所事務総局の関与が示唆されている。

3.11原発震災の前と後では明らかに裁判の流れも変わってきた事がわかります。

備忘録メモ
地震想定の甘さ(地震予知は不可能な現実と、基準地震動(ガル)の低想定)
地震学会がこれまで一度も大規模地震を予知していない)
3.11で1F4号機の使用済み核燃料が助かったのは偶然。首都壊滅の危機的状況だった。
原発に関しては司法が介入しなければならないほど危険 樋口元裁判長
最高裁事務総局経験者3名同時の異議審への異動 高浜原発
被告側(電力会社)の安全性立証が必要
多重防御(スクラム)の有効性への疑問 想定外地震の場合
社会観念上というあやふやさ 社会的に無視し得る程度の危険性とは?
女川原発裁判 津波の高さ認定ミス かろうじて3.11は助かったが
平和利用という発想そのものが間違い?
行政は電力会社に逆らえなかった
新潟県巻町 原発立地阻止 住民投票 訴訟
韓国の法曹一元化 日本より進んでいる
国会事故調ヒアリング 班目春樹元原子力安全委員会委員長の原子炉安全設計審査指針に誤り、認める

原発に挑んだ裁判官 (朝日文庫)
磯村健太郎
朝日新聞出版
2019-06-07


黒部の風 砂永純子 山と渓谷社 2014

図書館本

350ページにおよぶエッセイ。
黒部の山小屋でのアルバイトや山小屋でのスタッフとの交流を綴っている。

ほのぼのとして心がなんか癒されるのである。

登山家の志水哲也さん(今は写真家やガイドもされる)が著作の中で山の良さは
山で語らう話は夢であったり恋愛であったりで、金の話は出ないというような事を書かれていた。

本書もまさに、銭儲けや刺々しい日常社会の話が出てこない。
もちろん著者の生きる葛藤や悩みは存在する。

個人的には「黒部源流の岩魚を愛する会」の岩苔小谷での活動に小屋番さん(小池さん)が係わっていた話が興味がある。愛する会のHPもあるので活動は知る事が出来る。

黒部の岩魚と双六の岩魚の出会いの話なんかも(これは岩魚が歩くという話にも通じるかな)面白い。


図書館本

予約していた本が一気に来ると困るのである(笑)

でも次の方の予約が入っていない場合は借用期間が長くなるので少し助かる。


楽しんだり、勉強したり、本は素晴らしい。


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絶望の林業 田中淳夫 新泉社 2019

図書館本

主観が多く客観性がどうなんだろうという感じですかね。
ページ数は多いけど(300ページ)、内容の濃さは感じないかな。
何冊か著者の本は読んだけど、同じ感じ。
森林ジャーナリストを名乗るのであれば、調査報道なのだから、出来うる限りの情報は
公開すべきだと思う。個人名や企業名を出せない理由があるのだろうか?
行政の悪口や施策の問題点は追及しているが、結局、山主、加工業者、森林組合の
問題点は非常に主観的でデータも示していない。
成功例は吉野林業だけなんですね?
林業白書のデータだけ?
参考文献も巻末の13だけ?
〜という話も伝わってくる。 1次情報は?
伝聞や勝手な思い込みに思う文章多数。隠されているのかもしれないとか。
補助金問題を追及するのは結構だが、実例や数字を出して議論すべき。



備忘録メモ
隣接している山の山主を調べようとしたら役所は教えてくれない。(じゃどうやって調べるの?)
高額林業重機、アタッチメントの交換だけで何千万もかかる。(いくらか調べてから書いて欲しい)
機械化林業は地球環境にやさしいとは言いにくい。(取材で使う車や移動手段も同じじゃね?)
匿名の報告が届く、裏取りは出来ないが、内容は・・・。(嘘だったらどう対処?)
〜な記載があったりするらしい。(これまた伝聞?)
某国の某自治体の事例である。(なんで伏せる?)
トヨタが買い取った森の整備のを地元の有力林業家に受託経営させている。(速水林業さんと書けない?)





訃報 田渕義雄さん

田渕義雄薪ストーブエッセイ・きみがいなければ生きていけない | 【森からの便り】


1月30日にお亡くなりになったとのツイートがありました。
https://twitter.com/hobojun/status/1222910626059571200?s=20

1944年生まれですから76歳くらいでしょうか。

芦澤一洋さんが1938年生まれ(1938−1996)ですからほぼ同じ時代を生きて来られた。

アウトドア、フライフィッシング、そしてナチュラリストで作家
お二人とも自然を愛し、ローインパクトを信念にしていたのだと思う。

心よりご冥福をお祈りします。
森からの伝言 (NEKO MOOK)
田渕 義雄
ネコ・パブリッシング
2017-10-03









藤田さん R.I.P.

「愛の領分」などで知られる直木賞の藤田宜永さん69歳が死去 - ライブドアニュース


奥様の作品も大好きでした。

佐久病院で亡くなられた様ですね。もう南木佳士さん(作家、佐久病院医師)
はいらっしゃらないのかな。お二人の対談なんか聞きたかったです。
ご冥福をお祈りいたします。


以下記事

恋愛小説などで知られる直木賞作家の藤田宜永(ふじた・よしなが)さんが30日午前9時44分、右下葉肺腺がんのため長野県佐久市の病院で死去、69歳。福井市出身。葬儀・告別式は行わない。妻は作家小池真理子(こいけ・まりこ)さん。

 早稲田大を中退後に渡仏。帰国後に冒険小説「鋼鉄の騎士」で日本推理作家協会賞などを受けた。1990年代後半からは恋愛ものに手を広げ、「求愛」で島清恋愛文学賞。「愛の領分」では2001年、約5年前の小池さんに続いて直木賞を受賞した。

 90年代初頭に東京から長野県軽井沢町に移住。体験に着想を得た短編集「大雪物語」で吉川英治文学賞を受けた。





備忘録
http://dream4ever.livedoor.biz/archives/51978655.html
http://dream4ever.livedoor.biz/archives/51945880.html?_f=jp
愛の領分 藤田宜永 文春文庫 2004

単行本2001文藝春秋
藤田さんの直木賞受賞作品
男と男の出会い、別れ、そして当然そこにある男と女の出会いと別れ。
それは運命なのかそれとも偶然なのか。別れは必然なのか、そして男と女のどちらかに責任があるのか。
仕立屋の淳蔵を取り巻く世界、そこには運命にも似た人生が用意されていた。
東京白金と信州との間で繰り広げられる男と女の少し悲しい物語。
果たして、愛に領分があるのだろうか。愛の領分を分け合える二人だけが幸せになれるのだろうか?
文庫の後書きの後ろに、自伝エッセイ、母親の顔として、藤田さんがご自身をアダルトチルドレンだと告白し、お母様への想いを書き綴っているのが興味深い。また小池真理子さんのとの出会いにも触れている。



はっとりさんちの狩猟な毎日 服部小雪 河出書房新社

図書館本

遊びのサバイバルを売文している方の奥様の本

旦那の旧姓は村田さんだそうです。
奥様は芸術系の大学をお出になり、本書でも沢山のイラストを描かれています。

お子さん3人に恵まれ、日常を綴っています。
肯定的にお書きになられているので、それをあえて批評することはいたしません。

ただ、真剣に狩猟されたり、それを生活の糧にされている方が多くいます。
またその様な体験を文章にされている方もいます。

遊びで狩猟して、それをサバイバルと称して面白おかしくネタにする。
サバイバル登山にも大きな違和感がありましたが、ますますひどくなる感じ。


はっとりさんちの狩猟な毎日
服部小雪
河出書房新社
2019-05-21

サバイバル登山家
服部 文祥
みすず書房
2006-06-20

地震予知は出来ません 

「地震予知」に異議あり!地震はいつでもどこでも不意打ちロバート・ゲラーさん(東京大学名誉教授)


以前著作を読んでおりました。
世界の常識が日本の非常識の好例

どこでも、いつでも、不意打ちの地震ですよ!

是非、読まれていない方はpodcastで聞いてみてください。
https://www.tbsradio.jp/kume954/date/2020/01/ 1月18日分

地震学者は予知、予測は出来ない事を知っていながら、決してしゃべらない。
その理由は何か?

ゲラーさんは地震研でなくて東大理学部なので自由にしゃべる事ができる。

そして、政治家は地震ー公共事業ー利権という流れ。
もちろん原発の地震対策やゼネコン・マリコン(海洋ゼネコン)と繋がっています。

3日以内に地震予知できると言ったのが40年前。

何かに似てませんか?

そう、国土強靭化計画。

皆、簡単に騙されてしまうのですね。





日本人は知らない「地震予知」の正体
東京大学理学部教授 ロバート・ゲラー
双葉社
2011-08-27



暗黒のスキャンダル国家 青木理 河出書房新社 2019

図書館本

青木さんも尊敬するジャーナリストの一人です。
通信社勤務からフリーランスになり、しっかりした取材とインタビューを通じて
社会の問題点をしっかり炙り出します。

権力に忖度し跪くメディアが急激に増加してきて、大本営発表や大企業発表を
躊躇すること無く記事にする戦前の日本と同じ状況が安倍政権とダブっていることが
良く分かります。

権力を監視するのがジャーナリストという不文律も風前の灯火の様です。

本書は2016年から各種媒体に発表してきた記事および書き下ろしで構成されています。

日々忘れ去られていくニュースや事件をしっかり記憶の中から掘り出して検証してみては
どうでしょうか?

青木さんもあとがきで記しています。
「この時評を手にしてくれた1人でも多くの読者が同じ感覚を抱き、さまざまな記憶を喚起し、
問題意識を再共有してくれるなら、筆者としてこれに勝る幸せはない。」

暗黒のスキャンダル国家
青木理
河出書房新社
2019-09-25

サバイバルという服部某の愚かさ 再掲

これもAmazonレビュー拒否られているな

2006年当時はしっかり掲載されていたけどね。

図書館本

新聞記事で見たので読んでみた。
人の趣味に文句をつけるつもりはない。また冒険であるのならその冒険に反対する権利もない。しかし、それが活字になった時には若干話が違う。先の新聞記事では、20匹のイワナを釣り、その内の10匹を食糧として確保したとあった。サバイバルであるから極力食糧は現地調達だと著者は語る。本書の中に「かって岩魚は渓流のウジといわれ、日本の渓にはいくらでもいたらしい。中略 しかし開発につぐ開発で山河は荒れ、その山を住処にする岩魚も、野生種はほんの一部の山奥でしか見られなくなってしまった。いまでは岩魚は原始の象徴にまでなっている。」と書いておきながら、「森に住む岩魚を食料とするなら、せめて山の中で自分に課す負担を多くして、心の中で岩魚を殺生することを正当化するしかない、負担とは食料や装備を持っていかないサバイバルでありソロであり、長期であり、毛バリであると僕は考えている」と言う。

さらに釣りに関して「そのテンカラ(和式毛バリ)だが、この釣りは渓相、時期によってはエサ釣りよりも効率がいい。美しさ、優雅さ、躍動感をあわせもち、行為そのものに陶酔できる。日頃岩魚が食べているものにハリを仕込むエサ釣りは、仁義に欠いた騙し討ちの感があるが、毛バリは「食いついたお前が悪い」と言い切れる。してやったりという快感はエサ釣りを凌ぎ、生命を奪うことの引き目も少なく、よりフェアーである・・・・・・とは、やはり釣る側の勝手な思い込みだろうか」
釣りをして魚を殺し食うのに釣り方の違いなど関係ないでしょう。勝手な思い込みです。
岩魚を食べる事を否定はしない。されど在来種が絶滅危惧種になろうとしている現在、あえて食料や装備を減らして山にはいり岩魚を食う必要性はまったくないのです。そしてこんな登山を真似する人が出ない事を祈るばかりです。

高桑さんや志水さんとは根本的に違うように思うのはおいらだけだろうか。。。

サバイバル登山家
服部 文祥
みすず書房
2006-06-20



平成とは何だったのか 斎藤貴男 秀和システム 2019

図書館本

僕がもっとも尊敬するジャーナリストのお1人です。
自ら調査しインタビューして記事を構築する。
そして常に弱者の側に立たれていて尚且つ中立的に悪をしっかり非難する。
今は新聞、テレビも幹部が政権中枢と平気で飯を食べる様な国に成り下がり、
広告代理店や政治家に忖度して記事を書き、テレビで流す。

これまでの斎藤さん(1958-)の著作からも分かる様に一貫して正義を貫いていると感じる。
本書は、ご自身もその波の中で過ごした平成という時代を事件や犯罪を通じて総括しています。

おそらく結論は副題にもなっている様に「アメリカの属州」化の完遂、なのであろう。

備忘録メモ
排除と差別の平成 父親はシベリア抑留 その後スパイの疑いで公安監視下 自身も批判的記事を
書くと監視
テレビで消費税の国際比較でアメリカの例が無い事を指摘 テレビ出演が無くなる
2004年(平成16年)イラク武装勢力による日本人拘束 自己責任論の罵詈雑言
東京電力研究:福一原発災害までの東電、そしてその後 
誤植 273ページ最後 HIVでは無くHPV
天皇と政権 国歌、国旗問題 






「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫)
斎藤 貴男
KADOKAWA/角川書店
2015-11-25

サバンナのジェンダー 友松 夕香 明石書店

図書館本(神奈川県立)

500ページにおよぶ書
ガーナ北部での長期にわたる調査研究。

東大農学系の博士論文をもとにしているとの事。
流し読みなので詳細を押さえているわけではないが、非常に素晴らしい民族史(誌)だと思う。
西洋的な価値観に基づく観察調査ではなく、つねに中立的立場で上から目線でない。
そして所謂、女性のためのエンパワーメント(開発学的)だけの調査研究ではない。

莫大な数の参考文献をもとに、まとめられている。
僕には経済という文脈ではおそらく貧困と同定されるような地域と住民の幸福平和論にも
思えた。



知って役立つ民俗学 福田アジオ責任編集 ミネルバ書房 2015

図書館本

民俗学を楽しもう!
〜学って難しそうだけど、実はそんなにハードルは高くない。
誰でも簡単に楽しめて、奥が深く、面白い。
まさに「野」の学問ではなだろうか。
地道なフィールワークと記録、その積み重ねが大きな成果を産み、社会にも役に立つ。
自分たちの先祖、近隣諸国の同胞の生きて来た知恵を私たちはしっかりと知り、検証し
未来に繋げていく。
面白いと思ったら、さらに深く知るために多くの参考文献がリストされています。
ただ、残念なのは夏祭りとか盆踊りとかにおける男女関係、夜這い、また女性問題には触れていない様に思います。

メモ
ハレと祭り
土葬と火葬 山梨は非常に土葬が多かった 土葬が普通だった?
放送禁止用語 差別用語 ヨイトマケの唄
ハレ、ケ、ケガレ(穢れ)
行列(作らせる側の論理、作る側の感覚)
自然資源とコモンズ
災害伝承
丙午(ひのえうま)の間違い
縁側の役割(宮本常一さんは確か、日本建築が失ったものと指摘していました)
ウチとソト(内祝い、身内、仲間内)ウチの会社 家族性

知って役立つ民俗学 現代社会への40の扉
福田アジオ
ミネルヴァ書房
2015-03-30

官邸官僚 森功 文藝春秋 2019

図書館本

2018年月刊文藝春秋での連載を元に書き下ろしとの事。

読み終えて感じたのはどうして安倍晋三という人がここまで官僚を掌握できるのか?
内閣人事局で幹部官僚(680人)を自由に操れるとしても、どうしてここまでエリートたちが羊の様に従順になってしまうのか?
ある意味、安倍という人間は教祖なのだろうか?とさえ思えてくる。
さらに、官僚だけでなく同じ自民党の有力議員までもが追従してしまう。
統計偽装、公文書改竄、廃棄、森友・加計問題。そして桜を見る会、IRカジノ問題と常に疑惑が付きまとう。

備忘録メモ
総理の分身 今井秘書官(経産省、原発再稼働、橋本氏や嘉田氏を説得)
 江田憲司氏(橋本内閣時に今井と同じ政策秘書官)の経産省3年後輩
 原発の海外輸出 東芝のアメリカでの原発企業買収(ウエスチングハウス)
 佐川氏と同期
 森友問題での昭恵夫人付の谷氏の上司であった
 外務省を半ば無視して外交(ロシア、北朝鮮)その他
和泉首相補佐官 (栄光学園―東大工学部―建設省 最近iPS絡みで不倫騒動)
 業界の意を汲んだ部下の更迭 構造計算書偽装事件後の保険制度
 和泉なくば今の菅なし(菅氏が横浜市議時代からの繋がり)
 沖縄基地問題 影の司令塔(菅氏の元)
警察官僚 杉田氏 左遷 返り咲き JR東海(葛西氏との関係)そして官房副長官
北村氏 内閣情報官 刑事部長に逮捕中止指示?(詩織さん事件)

財務官僚 福田次官 セクハラ
文科省 佐野太 18年7月4日逮捕(受託収賄、子弟裏口入学) 次官候補 山梨県知事選候補とも
コンセッション方式 竹中―福田ライン 空港 上下水道



Profile
鎌倉おやじ
趣味:イワナに遊んでもらう、菜園、読書、焚き火、ランタン

愛読人:内山節、池田晶子、養老孟司、山本素石、高桑信一、相田みつを、宮本常一、網野善彦、野田知佑、南木佳士、川上健一 佐藤優 内田樹(順不同)

夢:晴釣雨読で自給自足、在来魚保護 (最近釣りにはそれほど熱中してません、年のせいでしょうか)
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