おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

読書

原発事故 最悪のシナリオ 石原大史 2022 NHK出版

図書館本 お勧め

2011年3.11原発震災

原発事故対応における、種々なセクターの対応と危機管理
そして、最悪のシナリオがいかに作られたか?そしてそれがいかなる効果があったのか?

2021年3月放送のNHK番組の取材および追加取材によって本書が出来たとある。

政府、東電、防衛省・自衛隊、米国・米軍、原発関連研究者・官僚などを取材して明らかになった事が綴られている。

今振り返って、3.11の原発震災、それは明らかに人災であり、安全神話に基づいた思い込み
そして危機管理能力の低さであろう。

本書でも、「また同じ事は起こるのだろう」と指摘している。まったく同感である。

そして一番の被害者は、最悪のシナリオの直接被害者である、福島原発周辺の住民である。
後書きにも書かれている、3月の番組を見た元農家の方が都内で自死されたと。

2024年元旦の能登の震災では、原発周辺の道路は寸断され、事故が起これば、避難すら出来なかったと報道されていた。

原発がある以上、常に最悪のシナリオは作らねばならないのであろう。
東日本壊滅、西日本壊滅 そして日本滅亡と。

原発事故 最悪のシナリオ
石原 大史
NHK出版
2022-02-18


リニア本

本になればすべてが正しいみたいに思っている人がいるし。

3500万も本代に支払った爺さん国会議員が居た。



以前、ベルギーに住んで居た時に、某製薬会社の方が教えてくれたのだけれど
医学部の教授とかが、一冊10万位の本を出版して、それを何十冊も会社に送って来るのだそうだ。
絶対、断れないと言っていましたね。
だって、その会社の薬を使わないって言われるからね(笑)

ある意味、マネーロンダリングじゃね? 二階さんもね。

さて、リニア関連本

まあ、半分以上が提灯本、昔は石原運輸大臣の前書き貰ってリニア本とかありましたし、
メディアの人間がいかにも広告欲しさにリニアをヨイショ的な提灯本も沢山ありました。

そして、どれもが経済効果が凄いとか。2000年には常温超電導が実現しているとか(笑)
まあ、書いていて恥ずかしくないの? みたいな本が沢山ありました。

もちろん、この画像の中にもしっかりと調査したり、学術的に精査した本もあります。

読み手のリテラシーが問われるんですよ。

まあ、騙されない事ですよ。
騙される人の責任もあるんだよby伊丹万作

提灯本は静岡でリニア問題を頑張っている方に差し上げました。

リニア本

山はおそろしい 羽根田治 幻冬舎新書 2022

図書館本

登山、ハイキング、源流釣り、キャンプ、雷、熊、蜂、窃盗
そして一番怖いのはやはり人間かもしれないという教訓。
実際に起こった事故等を取材しています。

秩父での多重遭難(遭難救助ヘリの墜落、その取材クルーの遭難等)や
無謀な登山、とばっちりでの滑落など

自然の中で起こる事故やケガをいかに最小限に抑える事が出来るか。

事前の十分な情報収集と知識、訓練、そして潔い撤退かなと思いました。


めんどくさいロシア人からの日本人へ 小原ブラス 扶桑社 2022

図書館本

著者を知ったのはTV番組のアウトデラックスでした。(すでに番組は終了)
それで興味を持って読んでみた。

特にロシアのウクライナ侵攻後の単にロシア人というだけでの誹謗中傷などは
本当に民度の低いネトウヨ的な行動に情けなく感じる。

小原さんの多様性に関する指摘やグレーゾーンに関する指摘はまさに的を得ている。
all or nothing 的 白か黒か的な論理展開から成熟した社会は形成されないだろう。

これからもどんどんと歯に衣を着せぬ発言を期待しています。



調査報道記者 日野行介 明石書店 2022

図書館本 強くお勧め

著者の日野氏の原発再稼働 葬られた過酷事故の教訓 (集英社新書)2022を読んだ後に本書を読了
おそらく、日野氏が居なければ、永久に闇に葬られた行政の嘘、改ざんが歴史に残っていったのであろう。
発表報道と行政や企業の広報担当の様な新聞記者も多い中で、ほんのわずかな「狂気と執念」を持ち続ける事が出来る者だけが調査報道が出来る真のジャーナリストと呼べるのであろう。

本書では調査報道とは何かを、実例(行政の不正行為)を示しながら、情報公開法や信頼できる専門家との協働作業で示しています。

読書メモとして
行政における秘密会議 裏会議と表会議 御用学者、御用専門家たちの有識者会議
日本の役所における意思決定過程の不透明さ 公表と公開の定義
行政に都合の悪いデータの非公表 放射能除染におけるデータ
秘密主義 秘密主義がまた次の秘密主義を呼び寄せる
調査報道と発表報道(報道発表は行政として、企業として、金をかけずに施策や製品を広報出来る)
意思決定過程を解明する手順
過去はもういいから前向きの議論だけしようとすると、同じ失敗を繰り返す可能性がある。
調査報道の可視化は報道の信頼を高める
調査報道にこそ職業ジャーナリズムの未来がある
公共性や公益性があるか疑わしく、ニュース価値のないものまで記事や番組にしてしまうような
報道の有り方を「幼稚園のサッカー」と呼んでいる(ボールの飛んで行った方向に一斉に駆け出す姿)
日野氏の調査報道:政治家や為政者のスキャンダルや人間性ではなく、官僚機構が構造的に内包する非人間性に焦点を当てる。


調査報道記者――国策の闇を暴く仕事
日野 行介
明石書店
2022-06-30


ふたりの「雅子」  夏目雅子

図書館本

最近、本書に登場する女優さんと一時結婚していた作家が亡くなった。

大分以前から、この作家が、女優に堕胎を何回もさせていたと報じられている。

本書の中でも、母親の作者が、その作家の事を微妙な表現で、女性を引き付ける才能があると
書いている。

作家の評価は高い様だが、女性関係においては決して評価されるような人間では
無い事が再確認出来た。

堕胎の件は、本書でも筆者が書いている

ふたりの「雅子」
小達 スエ
講談社
1997-07-01

太陽の子 三浦英之 集英社 2022

図書館本 やっと予約が回ってきました。
もっと早く読んでおくべきだった。


読み始めると、どんどんと文字の海に飲み込まれていく。
知っている、国名、地名、人名等々。
個人的な事で恐縮ですが、1984年に初めてアフリカ4か国を研究の予備調査で
カバン持ち的な最年少団員として参加しました。(後の京大総長になる山極さんもいた)
そして、アフリカの水を飲んでしまったがため、やはりアフリカに戻ってくる事になり
それ以来、アフリカに関わる仕事をしております。
そして、今回の舞台となるコンゴ(旧ザイール)の宗主国のベルギーにも家族で2年ほど
滞在いたしました(1996-98)。そして、私のいた研究所には本書でも悪名高い支配者として名前が出てくるレオポルド王の名が冠されておりました。

しかしながら、ザイールに日本企業が運営していた鉱山会社があった事も知らず、さらにそこに
残留日本人(父親日本人、母親ザイール人)が居た事もまったく知りませんでした。
もちろん、同じような構図が、中国やフィリピン、東南アジアにも存在することは知ってはおりました。
ですので、読み始めたら、本当に驚くとともに、三浦氏の調査から導かれる嘘、捏造そして明らかになる真実に鳥肌が立つ思いでした。

読書メモとして
日本財団の笹川さんは、ハンセン病撲滅活動の中でコンゴ訪問した際に、この問題を知り、個人的に援助をしていたこと。2014年 笹川氏はアフリカをはじめ世界のハンセン病のある地域を恐れる事なく訪問している。(笹川氏の著作や、宿命の戦記: 笹川陽平、ハンセン病制圧の記録 2017 高山 文彦 (著)に詳しい)
BBCは三浦氏らの調査による報告で、記事を削除した。
アフリカで鉱山開発に関わった少なくない数の労働者が帰国後に、各地の原子力発電所に送られているとの事(ちなみに、確か日本に落とされた原爆の原料はコンゴ由来でしたよね)

キーワードとして日本鉱業、長崎熱帯研、レオポルド、ルブンバン(ザンビア国境)、

三浦さんは、日本に帰国され、現在は東北を足場に新聞社でご活躍中との事。
更なるご活躍を祈念いたします。







原発再稼働 日野行介 集英社新書 2022

図書館本 読んでいる最中に2024年1月1日の能登震災が起こった。
志賀原発の被害は小出しにされて、1月12日現在まだ全体像は見えない。
また柏崎刈羽原発の被害もあるようだ。もし珠洲原発が出来ていたら一体どうなっていたかと
思うと背筋が凍る

日野さんが毎日新聞記者として書いた記事をブログでも以前紹介した。



さて、本書である。
まさに、調査報道の基本を忠実にしつこく、そして丁寧に裏を取りながら嘘を暴いていく。
誰のための原発なのか?誰のための電力行政なのか?
読み進むほどに、原子力ムラの巨悪に呆れるのである。

秘密会議と再稼働ありきですすむ規制委員会
国会事故調が指摘した「規制の虜」がめんめんと継続していること
避難計画の数字捏造
再稼働を進めるための住民無視の避難計画
核燃料があるから避難計画を作るという詭弁

あとがきに著者は記す。
「これほどまでに巨大なウソの被害を暴く方法は調査報道しかない。青臭い物言いかもしれないが、今はこれが自分の使命だと感じている」

日野さんの今後さらなる調査報道を期待し、応援したい。



なぜ日本は原発を止められないのか? 青木美希 文春新書2023

予約して購入したが、少しづつ読んだのでちょうど能登地震の報に触れて
志賀原発および柏崎刈羽原発の被害が気になった。また建設を阻止された珠洲原発計画が
あった事を知った。

著者の青木氏の著作は地図から消される街等は読んでいて、まさに調査報道が出来る
ジャーナリストとして認識していた。
本書はあとがきでも触れられているが、所属の新聞社の許可が下りずに文春新書からの出版と
なった事が綴られている。

いったい何に忖度しているのだろう?
再稼働を推進する政権や巨大スポンサーとなる電力業界なのか?

本書ではまさに本邦における原発の歴史と原子力ムラの構図(軍産複合体の様なあまりに
強固な繋がりと利権集団)を記しています。
アカデミア(学会等)との癒着や研究費による支配、言論封殺的な行政の有識者会議という罠など。
メディアにおける原発広告や洗脳記事
福島原発震災で被災した人々の苦悩

福島の事故を認識して原発を廃止するとしたドイツ、イタリア、それでもなお再稼働に走る日本。

より多くの方に読んでいただきたい調査報道書籍である。


能登 宮本常一 網野善彦

網野善彦「古文書返却の旅」 石川・輪島市 - 日本経済新聞


能登地震で色々と読書した事で想い出した事がある。

百姓=農民 ではない。 水呑み=貧乏 ではない。

民俗学から多くの事が分かったのである。

宮本
https://www.facebook.com/suouohshimakyoudodaigaku/photos/a.801698426549002/1147359345316240/

https://www.facebook.com/suouohshimakyoudodaigaku/photos/a.801698426549002/1145408362178005/





戦後間もない1949年、全国の農漁村に眠る古文書を収集し、本格的な社会史資料館の建設を目指す国の事業が始まった。調査員に雇われ古文書の筆写や目録作りなどの実務を担ったのは、若き日の宮本常一や網野善彦ら気鋭の歴史・民俗学徒だった。
江戸初期に2つに分かれた時国家。通称・上時国家には「襖下張り文書」などが保管されていた=写真 嵐田啓明

だが、計画は財政難で頓挫。関係者は失業し、就職先を求めて四散した。所有者から「半年から1年」の約束で借りたまま返却されない古文書の山が30年余り放置された。

網野は80年に名古屋大学を辞し、不義理の責めをひとり背負って古文書返却の旅に出る。本書はその道中記だ。

対馬、紀伊半島、瀬戸内海、佐渡……。叱責覚悟の気重な旅だったが、思いがけず各地で歓待される。網野の誠実な振る舞いが、古文書の所有者の琴線に触れたのだ。

この旅は、後に「網野史学」と呼ばれる学問上の知見も授けてくれた。圧巻は84年8月、石川県輪島市の旧家、時国(ときくに)家を訪ねる場面だ。

時国家は、壇ノ浦の戦いに敗れ能登半島に配流された平家の末裔(まつえい)。国の重要文化財の古民家に網野を迎えた時国家24代当主夫人、時国綾子さん(89)が当時を振り返る。

「文書を借りに来たのは宮本常一さん。夫は手紙で返却を促したが戻らぬまま亡くなった」。網野の訪問は亡夫の一周忌と重なった。「夫の魂が網野先生を呼び寄せてくれたような気がしました」

文書返却を喜んだ綾子さんは、蔵に埋もれていた別の古文書約2万点の調査を依頼した。網野は厚意に感激し、足かけ10年を費やし膨大な史料を読み解く。その過程で、「百姓=農民」という通説が誤りであることを確信する。

時国家の17世紀前半の文書に領内の「水呑(みずのみ)」が大船を所有し日本海の廻船(かいせん)交易で巨利を得ていた記述を発見した。水呑は土地を持たない百姓で貧農と理解されてきた。が、彼らは裕福な商人であることが判明。小作を束ねる豪農とみられてきた時国家は海運、鉱山、塩田、金融業を営む「百姓=多角的企業」だった。

「非農業民」を視座に東アジア史の再構築を構想した網野は、時国家の調査を機に思索を深化させていった。

網野は古里・山梨の地に眠る。が、遺族によると時国家に近い景勝地、曽々木の海に一部を散骨したという。本人のたっての願いだった。

(社会部 和歌山章彦)

あみの・よしひこ(1928〜2004) 山梨県生まれ。日本中世史が専門。東京大学卒業後、渋沢敬三が設立した「日本常民文化研究所」に所属し、同研究所が受託した国の古文書収集事業に携わる。都立高校教諭を経て、名古屋大学、神奈川大学で教えた。

近世まで日本は農業社会だったという通説を疑問視。芸能民や被差別民、悪党など非農業民と権力の関係を考察した「蒙古襲来」「無縁・公界・楽」「異形の王権」などの著作は、学界だけでなく文学や映画など芸術の領域にも影響を与えた。おいにあたる宗教学者、中沢新一さんの著書「僕の叔父さん 網野善彦」は網野の人と学問の魅力を余すところなく伝える。

(作品の引用は中公新書)




国商 最後のフィクサー葛西敬之 森功 講談社 2022

図書館本

森氏の調査の凄さを今回も感じる一冊。
当初は書籍化は無理と考え、ネット記事として配信していたある。
それは当然であろう、時の権力者とそれを裏で指南するフィクサーなのだから。

個人的はリニア問題に興味があるので、(国鉄民営化とかではなく)、後半部分を
かなり真剣に読んでみた。

もちろん、リニアに繋がるのは、国鉄入社からの種々な人脈や、政治家や瀬島氏らとの邂逅であろうが。
当初、リニア新幹線などには興味もなく、またその実現性を疑っていた葛西氏が、リニアに
のめり込んで行ったのは、自信の種々の成功体験だった事がうかがえる。
そして自分の不祥事(女性問題スキャンダル等)には従業員を使ってまで週刊誌を回収させたりしたことは全く自著では触れずに愛妻家で通す(まあ、トップとしのて作法か?)

また、NHKの人事や官邸の事務方人事(官房副長官ら)にも大きく関与していたことには驚くし
霞が関官僚との密接な関係性と政治家との癒着とも思える交際は検証されるべきであろう。

葛西氏の死去の後、安倍氏が銃弾に倒れ、そして今、安倍派の裏金問題で議員の逮捕者が出ている。
まさに、時代が大きく、動いているのかもしれない。


日本の進む道 養老孟司 藻谷浩介 毎日新聞出版 2023

図書館本

不思議な本である。
いつ、どこで、なんのための対談だったのだろう?
前書きも後書きも無い。

養老さんの言説はいつもの通りでブレていない。
片や藻谷さんは自説を養老さんに納得させたいがための対談なのか?

興味深い所は、養老さんが元京大総長の尾池和夫さんの主張として
2038年頃に大地震が起こると紹介している点 (ちなみに本書を読んでいる期間に
能登地震(20240101)が起こった。

また、藻谷さんは、リニア新幹線に関して甲府での講演でリニアによるポジティブな経済
発展に関して話していたのに、本書ではリニア不要論?
尾池さんと静岡の川勝知事は懇意だそうで、2038年以降のリニア完成を考えているかもと。
さらに、ダムや干拓地造成も今は反対の様ですね。


日本の進む道 成長とは何だったのか
藻谷 浩介
毎日新聞出版
2023-03-29


農協の闇 窪田新之助 講談社現代新書 2022

図書館本

農協関連の共済に加入している方が必読ではないかと思います。

簡保の不正販売とかありましたよね、加入者は疑う事なく、勧められた保険やら関連商品に契約や
契約変更をしていますよね。まさか損しているとも思わずに。

そんな農協関連事業の闇を農協関連業界に居た筆者が全国を取材した調査報道。

さらに、現場の職員へのノルマ問題や不正問題もこんなに多くあるのかと驚きます。

備忘録的メモ
物品販売ノルマ表(JAやまなしみらい)
JA共済総資産58兆円 日本生命は74兆円 JA2位
JA共済の父 賀川豊彦(保険制度の協同化)が泣いているんじゃないですかね。

農協の闇 (講談社現代新書)
窪田新之助
講談社
2022-08-17

読書の秋は無い?

秋は無くなった?
いきなり冬なのか。

読みたい本は1冊、でも予約だから一応引き取る。

二度と戦争をしないために。

2023-11-14_17-20-25_339

歴史の定説を破る 保阪正康 朝日新書 2023

図書館本

お勧めの一冊
ウクライナ戦争が始まってからの保阪さんの著作
半藤一利さんとともに日本の戦争史を一次情報や関係者からの証言を元にまとめて来られている。

日清、日露戦争、太平洋戦争と続く日本の戦争、果たして日清、日露戦争は本当に勝利だったのか?
世界の戦争を俯瞰的、鳥瞰的に検証して、戦争の本質とは何か?未来の世界はどうなるのか?

以下メモ
戦闘が戦争の重要な要素の一つであることは間違いない。ただし、あくまでも戦闘は戦争の一部だ。だからこそ、戦闘に負けたけれど戦争に勝った。逆に、戦闘には勝ったけれど戦争に負けた。そういう論理が成り立つ。p24

大アジア主義(中国、朝鮮、インドなどと連帯しなければならない)が日本主義や皇道主義と結びつきアジア支配、アジアの解放といった方向へ

日露戦争は日本が勝ったとされるが、アメリカに救われた形。哲学なき軍事行動(日清戦争以来)

人命を戦争の原価計算にいれない日本の軍事。戦時美談、英雄、神様を作りだす。特攻

ドイツの賠償金(第一次大戦) 2010年メルケル政権で完済 

軍人のための戦争 空母を沈めると給料(俸給、恩給)があがる。

人間として戦争の歴史を語り継ぐこと、そして反省し、教訓を生かしていくことだ。つまり歴史的反省と政治的な謝罪とは別次元にある。2015年8月の安倍「戦後70年談話」の乱暴さ

加害者と被害者 二つの顔をもつ日本だからこその役割

戦争が起こる3つの理由
生存手段の確保
安心できる空間の確保
支配欲

核の時代の勝利と敗北




ウイルス学者の絶望 宮沢孝幸 宝島社新書 2023

図書館本 

残念な一冊

ウイルス学者としては一流でも、あまりに自己主張が強すぎて、集合知とならない。
今回のコロナパンデミックにおいて、天才一人で片づけられる問題でもなく、
多くのウイルス学者や免疫学者、疫学学者も当初は右往左往していた。
そこから、これまでの経験や歴史から、最大多数の最大幸福(安全、安心)を導くために
働くのが専門家であろう。

いくら多くのリファレンス(参考文献)をひこうが、他の専門家や政府の悪口を言おうが
おそらくアカデミアからは理解されないのではないか?

一例として彼の文章を貼っておくが、何を根拠に「現実には感染しても、ほとんどの人は大事に
いたることなく回復していました」と言い切れるのだろうか?

これでは、コロナ女王とか呼ばれた、似非専門家とまさに同じ土俵で発言しているのと同じだろう。

どうぞ、専門のレトロウイルスに戻られて、良い研究をしてください。

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ウイルス学者の絶望 (宝島社新書)
宮沢 孝幸
宝島社
2023-02-10

図書館本から購入へ 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

年に何度かあります。

図書館で借りた本を読みだして、購入するケース

今回はこれ

著者は大本営の嘘に関しても素晴らしい著作があります。


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なぜ私たちは存在するのか ウイルスがつなぐ生物の世界 宮沢孝幸 PHP新書 2023

図書館本

コロナ禍で不必要な言説がなければ、本書がサイエンスに興味を持つ多くの方に
ウイルス学の素晴らしさを提示出来たと思うと残念な思いもある。

コロナ禍において、誰もが未知との遭遇的な対応であり、それはウイルス学者であっても
同じであっただろう。数少ないコロナウイルスの本邦における専門家(私立医大の教授は
本邦にコロナウイルスの専門家はいないと書く無知を晒したけれど)ですら、当初は、パンデミックにはならないであろうであろうとコメントしていた。それがこれまでヒト、動物のコロナウイルスを扱ってきた専門家の考えでもあったのだ。

宮沢氏はレトロウイルスの専門家であることはウイルス学分野では誰もの認め、これまでの業績を否定する研究者は皆無であろう。

しかしながら、まったくの似非研究者であるタレントの岡田某などと同じ土俵で言論を戦わしてしまった事が専門家からも危惧された訳だ。

少なくとも最新の論文資料にはアクセスできる訳だから、つねにリファレンスとして自身の論調の裏打ちとして発言するのが最も効果的であると考えたが、マスコミや専門家は都合の良い部分やケアレスミスを指摘してくる。逆に岡田某の様に最新情報も知らず、適当に危機を煽り、当たり前の感染症対策だけを専門家のふりをして喋って民衆の支持を得る、時に何もデータを持たず、アビガン、アビガンと叫んだのはご記憶の事であろう。

そんな背景であるから、もう少し、落ち着いて、丁寧に自分の専門外のウイルスに関して発言すれば本書は明らかに素晴らしいウイルス学入門書であり、宮沢氏の死生観にも繋がる良書なのである。






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獲る食べる生きる 黒田未来雄 小学館 2023



猟師さん(川漁師も含む)やマタギそして狩猟関係の本は好きで色々と読んできました。
個人的にはこれまで読んできた書籍の中でベスト3に入るのは確実だと思うほど素晴らしい本だと断言出来ます。
生あるものを屠して生きる人間としての生きる哲学を作者の語りの中に叫びの様に聞こえてくるのです。
食うために生きるのではなく、生きるために食う。そして良く生きるとは何か。
もちろん本書は狩猟に特化しただけの書籍ではない、ユーコンに生きる心を通い合わせる友人との森の中での生き方や自然に対する真摯な向き合い方を研ぎ澄まされた、そしてやさしさを含有する言葉で綴っていく。森に感謝し、動物に感謝し、自然の摂理を最大限に受け入れて生きる著者の姿が文字を追うごとに明瞭に見えてくるようである。
決して遊び半分で狩猟して文章を売っている作家とは違うのである。

読書メモとして記録する
まず本書はなんの事前情報も無く(FBで出版を知っただけ)読み始めた。
そして、ワタリガラス、ユーコン、、、、、もしかして星野さん繋がり?とまず想像。
そしてその想像は当たる事になる。もちろん、個人的にはユーコンと言えば、故野田知佑さんやアラスカの日本人猟師の話も想い出すのではあるが。

獲れた鹿と獲った鹿は違う
単独忍び猟
野生動物との同化
トドマツの根本に刻まれた母熊の爪痕

是非とも講演会等でカラーの映像として狩猟や自然の姿を見てみたいと思う。



池田晶子 夏休みは輝く

いつも夏になると思い出す。

池田晶子 暮らしの哲学より
回帰する季節に記憶を重ねることで、人生の一回性を確認することに他なりません。中略。大人になっても夏は来ます。でも夏休みはもう決してやって来ない。
毎年、夏の気配を感じとる頃、夏を待っているのか、夏休みをまっているのか、よくわからない感じになる。大人になって勝手に夏休みをとることができ、贅沢な旅行ができるようになっても、子供の夏休みの日々、あの濃縮された輝きにかなうものではないとういうことが、よくわかっている。
おそらくすべての大人がそうでしょう。すべての大人は、もう決してやって来ない夏休みを待っている。人生の原点であり頂点でもある無時間の夏、あれらの日々を記憶の核として、日を重ね、年を重ね、流れ始めた時間の中で繰り返しそこに立ち戻り、あれらの無垢を超えることはもうこの人生にはあり得ないのだという事実に、今さらながら驚くのではないでしょうか。(夏休みは輝く)



暮らしの哲学
池田 晶子
毎日新聞出版
2007-06-28

自民党の統一教会汚染2 鈴木エイト 小学館 2023

図書館本 お勧め

鈴木エイトしは以前より名前は存じていた。
それは、ニセ科学特集の本などにカルト宗教問題を執筆していたからである。
本書でも明らかであるが、まさに孤軍奮闘での統一教会の悪事を地道に取材し
勧誘阻止やマインドコントロールから多くの若者を救出もしてきた。

統一教会のダブルスタンダード(反日として韓国への高額送金、自民党への選挙応援等)を
しっかりと調査し、地方および国会議員と統一教会の関係性を暴きだした。

山上徹也氏の犯罪を認めるわけにはいかないが、彼の行為により、統一教会問題、2世問題
さらに他の新興宗教などの問題が、これまで報道しなかったメディアが鈴木エイトさんの
データなどを利用してオープンにしてきた事は非常に社会的にもターニングポイントだった
様に思う。

自民党内での調査は非常に不十分であると指摘しており、今後も引き続き各種メディアが
追及していくことが望まれる。

それが2度の同じ轍を踏まない最低限のアクションだろう。

鈴木エイトさんの孤軍奮闘に心より感謝するとともに、今後の更なるご活躍をお祈りする。



自民党の統一教会汚染 追跡3000日
鈴木 エイト
小学館
2022-09-26




3.11 大津波の対策を邪魔した男たち  島崎邦彦 青志社 2023

図書館本 お勧め

津波対策をしなかった東京電力の犯罪に関してはすでにジャーナリストの
添田さんらが地道な取材や情報公開により明らかになり、裁判においても
東電の犯罪を立証してきている。

本書は原発ムラの中でもアカデミア(学問分野)での関係者が3.11までの種々な審議会
会合等での悪事を実名告発していて興味深い。秘密会合等に関しても指摘しており、これも
添田さんらも指摘してましたね。

ただ、著者が専門とする地震学会も過去において地震は予知可能であるとして多額の
学術交付金(科研費等)を得ていたムラでもある事は知っておくべきであろう。

原発ムラ(核ムラ)としての行政、電力会社、大学、ゼネコンの関係性が良く分かります。
予算を提供して土木学会に研究委託し、そのデータを都合よく使う。
電力会社は総括原価方式ですから決して損はしない、そんな業界に色んな企業や忖度して
金儲けに勤しむ。

3.11 1Fの非常電源装置が津波を被らなければ、歴史にIFはないけど。
当時の1F所長が前職において防潮堤に非積極的であったことも議事録等で明らかであったことは
再現フィルムや映画、ドラマでは描かれていないのが非常に残念です。







東電のハードディスクから掘り起こされた重要メール Level7 books
添田 孝史
一般社団法人 原発報道・検証室(名称:Level 7)
2022-10-08



シニア右翼 古谷経衡 中公新書ラクレ 2023

図書館本 超お勧め

古谷さんの本は以前から何冊か読んでいたけれど
これは古谷さんの代表作になりそうな予感。

以前からネトウヨは若者ではないと調査指摘していて、今回はまさに
歴史修正主義的な動画依存のオジサン達が、保守でも右翼でもない
トンデモであると結論付けている。
さすがです。やはり古谷さん自身が若かりし頃にネット系(CS放送)での
右寄り番組に関わっていた経験も大きいのでしょう。

日本の現状として
戦争の総括が未だ出来ていない事。(戦争責任のありか)
近現代史を学んでいない。
ネットスピード(ブロードバンド)化による動画の拡散
動画のアルゴリズムによる気持ち良いタイトルだけの選択
嫌中、反韓ビジネス(古谷さんの以前の著作でも指摘)としての似非右翼
リベラル、革新自体の問題等々




夏の課題図書

これは買わねばなるまい。

この夏に読む予定の2冊

高桑さんの本は何冊か読んできたけど、山や自然に対する態度がサバイバル云々の変な作家と
大きくかけ離れていて、本当に素晴らしいと思う。

まあ、その辺はまた書くとしましょう。

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宮本常一 畑中章宏 講談社近代新書 2023

図書館本

初めての著者の方の本です。
宮本常一さんの本はそれなりに読んでいて、興味がありました。

端的に言えば、宮本常一民俗学入門紹介書でしょうか。

忘れられた日本人をはじめとする有名な宮本の書籍から、民衆、住民、常民、共同体そして民具などのコンテキストで宮本が目指した民俗学(宮本自身は学問というある意味高みからの態度では全くない)を紹介してくれています。

知らなかった事として、宮本は「日本人は自然に甘えていると」指摘していると。
そして、しかし決して自然を大切にしていない。木でも草でも平気で切ってしまう」と。

参考書籍と紹介されていますが、佐野眞一氏が宮本を称して「旅する巨人」と紹介しています。
また、本書でも紹介していますが、女性に注目した調査や、共同体での民主主義の成り立ちなど、
さらには無文字あるいは非文字での文化・歴史として男女間の性事象も宮本氏の大きな功績なのです。


日本のリーダー達へ 葛西敬之 日本経済新聞出版 2023

図書館本

やっぱりなという自画自賛、そしてよいしょ本
いきなり日経の社員のヨイショが前書き
そして内容は自分の仲間達の賞賛
奥さんへの感謝(自身のスキャンダルには触れず)

ご自身で、歴史は勝利者の物語と書かれていますよね。まさにこの本が
自分が勝利者であると宣言して都合の良い歴史にしているのでしょう。

そして、歴史は主役のために書かれたドラマであり、演出であると。
客観的事実はシナリオに沿って封印され、葬られたりする。p192

さらに追悼文が杉田和博、櫻井よしこ、屋山太郎等

1991年、1992年 自身の女性スキャンダルをFOCUS, FRIDAYに晒されて
当該紙をJR東海社員にKIOSKで買い占めさせていたんですよね。


こちらのご参照ください。amazonレビューは削除されて再投稿出来ませんね(笑)






沖縄を知る

図書館の素晴らしいのは
このような書籍をしっかりと保存していること。
歴史を修正させないため、正しい歴史を後世に繋げるためにも。


2023-06-02_08-30-00_336

アジサイ

こんな本が有ったのでついつい

アジサイ

破れ星、流れた 倉本聰 幻冬舎 2022

図書館本

倉本聰さんの自叙伝でしょうか。
祖父母、両親、家族、そして多くの人との関係性を吐露。

戦争経験が大きく生き様に影響を与えているのは間違いない事実であり
それが倉本さんの作品に反映している。
養老先生と同じく、戦争が終わり、教科書に黒塗りをしたと。


特にドラマの脚本は俳優の口を通して、倉本さんのが叫び、訴えているのだろう。

2023年で88歳だろうか。他の著作で、北の国からの最終章ともいえる脚本は
出来ているという。
是非見させていただきたい。

倉本




破れ星、流れた
倉本 聰
幻冬舎
2022-06-08



倉本聰の言葉 碓井広義編 2020 新潮新書

図書館本 お勧め

子供の頃、見て覚えているTVドラマが、のちに倉本聰さんの作品だった知った時は驚いた。
「君は海を見たか」1970年

多くの作品の中で俳優がしゃべる言葉、倉本氏の思想哲学を纏っている。
だから、反戦であり、反核であり、自然破壊に対する憤りなのである。

メモ
男の顔は履歴書、女の顔は請求書 やすらぎの郷 水谷マヤ(加賀まりこ)



黒板五郎(田中邦衛)、やすらぎの郷の菊村栄(石坂浩二)北の国から2021の脚本は存在するとの事。




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