おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

読書

トランクの中の日本:米従軍カメラマンの非公式記録 (日本語) 大型本 – 1995/5/19

図書館本

焼き場に立つ少年であまりにも有名ですね。

誰のための戦争だったのか?

戦争に正義など無い事が良くわかります。

写真という媒体を通じて、戦争の愚かさが地球全体に広がる事を期待したい。

是非、AI技術で彩色化もして欲しいですね。


「反権力」は正義ですか 飯田浩司 新潮社新書 2020

図書館本

ニッポン放送アナウンサーで、ザ・ボイスそこまで言うか!アンカー、その後2018年から
飯田浩司のOK!Cozy up!のパーソナリティを務めている著者。

個人的には以前のそこまで言うかは良くpodcastで聴いていて、登場ゲストがだんだんと
政権よりに傾いていたと感じていました。

養老孟司さんがメディア(新聞やテレビ)が公正客観中立などありえないと指摘している通り
多様であるという前提で読んでみた。

共感する部分としては、現場での取材や、一次情報の収集、主張するための根拠、などは
その通りだと思う。

しかしながら、主張に都合の良いデータだけを利用するメディアや専門家、評論家(よくラジオ
に出演する)が居るのも確かである。もちろん両論併記が良いとも思ってはいない。
スポンサーへの配慮や聴取率でのコメンテーターの選択などもあるのであろう。
他のラジオ番組が反権力的な番組があるのであれば、逆に権力寄りの番組があっても良いと
思います。だから「反権力」は正義ですか?じゃなくて、権力寄りで何が悪い?的に自信を
もって語られる人がいても(コメンテーターに多い)よいと思います。

読了して気付いたのですが、一次情報にアクセスするという事で、加計学園問題における
国家戦略特区制度に関するワーキンググループ(WG)の議事録を例にだして、加計が選ばれたのは
問題無い的な流れを書いていますが、WGなり審議会の委員がどの様に選ばれたかには触れていません、審議委員の選び方などは良くコメンテーターで登場した高橋洋一さんが財務省の例をだして
指摘していた通り、役所に都合の良い人を選びますよね。
さらには、官邸への入出記録(今治市担当者等)の不開示や、加計理事長と関係者の疑惑に関してはまったく本書では触れていません。

ということで、正義ってなんですか? という疑問が残った一冊でした。



内容はamazon よりこんな感じ

1 基地問題に「分かりやすさ」を求めるな
単純化の罠「/どちらとも言えない」という民意「/辺野古の声」を聞きにいくと/辺野古にはもともと基地がある/分かりやすさから切り捨てられるもの/基地問題についての私見

2 「軍靴の響き」ってもうやめませんか
すぐに戦前への回帰を心配する人たち/知られざる不発弾処理/不発弾だらけの沖縄「/自衛隊はたのもしい」/自衛隊→戦争というステレオタイプな見方はやめよう

3 安全保障を感情論で語られても
戦争法というレッテル/抗議電話が殺到/腰巾着という批判/強硬論にも要注意/北朝鮮船員を逮捕できない理由/現場を軽視してきたツケ/韓国との距離をどうするか/エビデンスを踏まえた議論を

4 「かわいそうな被災者像」ばかりでいいのですか
「人が住むのにふさわしくない福島」という偏見「/元の街に戻るのは無理」/逆手に取って前向きに/風化を心配する声「/いつまで被災者じゃないといけないのか」/福島発のイノベーション/ドローン先進地帯としての福島「/被災地っぽい絵」を探すのをやめては

5 一体風評を広めているのは誰か
雰囲気に流される報道/いわれのない言いがかり/1000万袋の検査/やめられない検査/セシウムの特性が判明/安心という心の問題/漁業への影響/安心は強制できないが

6 データに基づかない経済の議論に意味はあるか
経済は民を救っているのか/失業率の低下は事実である/騙されないためには一次ソースにあたる/ギリシャと同じにはならない/成長を諦める身勝手/安倍政権は緊縮志向/経済にも「分かりやすさ」の罠がある

7 経済は人命を左右する
就職氷河期世代の人生/マクロ経済の重要性/経済で人は死ぬ/仕事が増えれば自殺者は減る/ 金融緩和のマイナスばかり強調するメディア/金融緩和は異常なのか/政府も日銀に勝てず/ダブルスタンダード

8 「メディアは反権力であれ」への懐疑
権力との向き合い方/反権力の不安定さ/加計学園問題の記録を読む「/加計ありき」の実態

9 それでも現場に行く理由
震災で失墜したメディアの権威「/ザ・ボイス」で目指したもの/主張には根拠が必要/現場取材が必要な理由/現場は常に問いかけてくる



続・こうして店は潰れた 小林久 同文館出版 2020年9月

韮崎にあったヤマト

予約していた本が到着 速攻で読んでいます。前著ももちろん読了。
朝夕の通勤電車でなんとか読了

山梨県の県民性が分かる一冊です。そしてえげつない資本主義の名を借りた
大規模ショッピングモールや問屋のやり口。
2020年4月に前著の出版社が経営破たんしたためアップグレードして続編として
出版との事。
もちろん、経営者としての著者にも落ち度はあったのでしょうが、前著のレビューでも
指摘したように、まさに山梨という地域の民俗性がわかるように思います。
これは山梨で生まれ育った人間でないと理解してもらえないかもしれませんが
コネ、忖度、長いものには巻かれろ、職業職種の順位、メディアの寡占性など。
そんな中で人情とアイデアと実力で進んできた著者を良く思わない県民や商売相手も
多かった事は想像に難しくありません。
補助金に依存せず、地域最優先に考えて行動した著者であることは多くの
スーパーヤマト利用者が認識しているところです。

本書でも書かれていますが倒産時にいかに多くの方々がサポートを申し出たか。
皆さんが復帰に大きな期待をしているのでしょう。

私自身は地元を離れて長いので、著者の父親の事は知りませんでしたが
本書では素性を明かしています。

また著者のホームページからも色々な情報にアクセスでき、小林さんの生き様を知る事ができるでしょう。
本書では著名な哲学者のコラムとなっていますが、鷲田清一さんが前著に関してコラムを新聞に掲載していたりします。

最後に、小林久さんの事業復活を心より祈念するとともにご家族の幸せをお祈りいたします。



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続・こうして店は潰れた (DO BOOKS)
小林 久
同文舘出版
2020-09-11


日本軍と日本兵 一ノ瀬俊也 講談社新書 2014

図書館本

特攻隊員の現実 (講談社現代新書) – 2020 と同時に読んでいました。

副題にもあるように米軍の資料(報告書)から読み解く日本軍の正体という感じです。
1942-1946に米陸軍軍事情報部が部内むけに毎月発行していた広報誌、Intelligence Bulleteinを中心に
かなり的確に調査している。精神論で戦った日本と情報と物量で戦った米国。
その結果は誰が見ても明らかである。

Lの発音が出来ない日本兵、よって合言葉にLを多く入れる。
身体的特徴と戦法・武器の種類
万歳突撃、特攻


近現代史からの警告 保阪正康 講談社現代新書 2020年6月

図書館本 良書

個人的には保阪さん(1939−)と半藤一利さん(1930-)の史観は信じるに値すると思って
いつも本を読んでいます。

本書はコロナ禍が始まった中で書き終えた一冊であり、コロナ禍とファシズムに関しても
ご自身の経験と歴史検証から論考されていて興味深い。

メインは明治維新からの天皇と軍部、その時の政治との民衆の雰囲気(空気)を検証して
日本のこれまで歩んだ道を文字に刻んだという感じ。その点が史料主義なアカデミアと
異なると著者が指摘。

メモ
なぜ戦争は起きたのか
唯物史観の皇国史観 マルクス主義と歴研 実証的歴史検証の重要性
5.15(S7) 2.26(S11)事件における軍部と天皇制
短期現役士官制度(短現)(S13-S20まで)主計将校としての軍人 3555人(戦死者408人)
 戦後の霞が関を牛耳る(官庁横断的に連携)仲間・同族意識 企業幹部 護送船団方式
 戦争の原価計算(軍人には出来ず)
 特攻作戦の無謀さを認識
 仲間の死、作戦の愚をしり戦争の愚かさをしっている短現出身者

意図せざる社会主義者としての田中角栄 
日清、日露戦争後の日本 国家における戦争という営業項目
大正10年から15年 軍は動かず(皇太子が摂政時代)

コロナ後に警戒すべき超国家主義的発想



特攻隊員の現実(リアル) 一ノ瀬俊也 講談社現代新書 2020

図書館本

同時に筆者の前著である「日本軍と日本兵」を読んでいます。

本書同様に多くの資料を読み込んで考察する書であると思う。
またネットオークション等に出品される隊員の遺書などの収集も行い、歴史の検証を続けている。

まず初めに、特攻隊員として、1945年8月15日の敗戦を知らずに亡くなった多くの若き日本人に
心よりご冥福をお祈りいたします。そして戦争開始時および敗戦時における物量の差は明らかであり
日本が負ける事は、多くの海軍主計将校はその事実を知っていたというのに。

本書では
特攻隊員の心情
特攻の意図(軍部やメディア)
国民の特攻・戦争論
を、国民の視点を加味して論じている。

特攻隊員の遺書、家族の想い、メディア(ラジオ、雑誌、新聞)の果たした戦争継続、徹底抗戦への責任
女子挺身隊のマスコット人形 特攻機に飾り出撃 美談として雑誌等に掲載
1945年1月―2月 国民の間には「神風」特攻による勝利への絶望が広がる

特攻隊員の現実 (講談社現代新書)
一ノ瀬 俊也
講談社
2020-01-15


汚れた桜 毎日新聞「桜を見る会」取材班 2020

図書館本 面白い

モリカケ、桜 公文書管理法など全く機能しない現在の日本を象徴する国家犯罪。
一度嘘を付くと、その嘘のためのまた嘘を上塗りしないといけなくなる典型ですね。

毎日新聞の若手3名(1973生、1975生が2名)を中心とした毎日新聞総合デジタル取材センター
が「ウエッブファースト」をモットーに報道してきた内容を再構成。
SNSで読者や市民の声がリアルタイムでメディアにも届く現在、権力に対する番犬としての
新聞が紙媒体とネット媒体で不正に対して斬り込む姿勢は清々しい。

非常に残念なのは、公開情報を要求しても、黒塗りばかりの資料が出てきたり
官僚が野党やメディアに対して不誠実に対応していることが時系列で良くわかる。

桜を見る会、および後援会主催の前夜祭の問題。

公職選挙法にも違反するとされる脱法内閣をこれからも怯む事なく攻め続けて欲しいと思う。

汚れた桜 「桜を見る会」疑惑に迫った49日
毎日新聞「桜を見る会」取材班
毎日新聞出版
2020-02-01

これまたAmazonレビューから消える

おやじのぼやき : 日本の人類学 山極寿一 尾本恵市 ちくま書店 2017 - livedoor Blog(ブログ)


amazon購入です。

「申し訳ありませんが、この製品を審査する資格はありません。詳細については、コミュニティガイドラインをご覧ください。 」


最近、アイヌへの遺骨返還をしたが、東大の謝罪なしとの報道ありました。
尾本さんは謝罪の意思はあると思うよ。


以下レビュー

霊長類学って何?
人類学って何?
日本と世界の間にあるもの。

備忘録メモ
遺伝子研究を導入した東大人類
独自の霊長類学からの京大
狩猟採集民から現代を見る 尾本
文理融合
物理学の法則で生物学現象を理解できるか
京大人類学教室 1962年 国際霊長類学会 1964年
日本霊長類学会 1985年
日本人類学会・日本民族学会連合大会 1996年終了
クロード・レヴィ=ストロース 1977年初来日 毎晩飲みに 山極
今西錦司と京都エリート 京都学派
宇宙飛行士になりたかった山極さん 伊谷さんとの出会い
今西さん57歳まで無給講師
人類学と植民地主義 ピグミーのパリ万博での展示 アイヌ・先住民族の遺骨問題
涙と笑いはヒトの特徴 尾本 ゴリラは笑う、涙は流さないが 山極
狩猟採集民(ハンターギャザラー)と食料獲得者(フォーレジャー)、コレクター(食料を集める人)欧米で異なる定義?
狩猟採集民の大きな特徴:戦争をしない 私有を否定 共有
私有とはそんなに大事なものなのか? 尾本 山極
ジュゴンと沖縄 辺野古大浦湾 沖縄の人にとってのジュゴンの重要性を理解しない
狩猟採集民社会は男女共同参画社会 農耕社会になると男系社会に移行
きリスト教社会における女性の権力消失
人間はいつから性を隠す様になったのか
閉塞感の中での人類学者の役割 原発問題 エネルギー問題
自然人類学と文化人類学 総合人類学へ
人類学会 霊長類学会 ともに会員600人程度 動物学会、文化人類学会は2000人程度
アイヌの人類学研究の重要性 先住性、先住民族の人権の重要性 差別偏見の反省
ゴリラは狂暴ではないし、狩猟採集民は劣っていない 偏見と思い込みの間違いを正していくことの重要性




内閣情報調査室 今井良 幻冬舎新書 2019

図書館本 ガッカリ

期待外れな一冊

以前、佐藤優さんが、諜報活動は実は公開されている情報の再構築によりかなりの部分得ることが出来るという。まさに、公開されている情報での書籍と感じます。
特に秘密の暴露的な内容は無いのではないかと。

文科省次官の出会い系店舗への入店報道に関しても、なにか独自の調査結果があるわけでも
ない。

それでいて、情報調査室のスタッフは全員スパイと定義されている。

スパイって陸軍中野学校の時代とどう違うのだろうね?
単に公開情報を調べたりしている人もスパイ?


ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社 2019

図書館本 良書

先日、フィンランドの教育はなぜ世界一なのか 岩竹美加子 新潮新書 2019を読んで、
海外の教育って面白い(興味ある)と感じた。

本書は父アイルランド人、母は日本人(福岡出身 1965-)、住んでいるのは英国のブライトン。

一人息子(日本語は出来ないと書かれている)が地元の小学校から底辺中学に進学し成長する過程を綴ったエッセイ。
著者自身が保育士として英国で働いた経験もあり、教育に対する視点が非常に興味深い。

簡単に言えば、英国という階級社会、賃金格差、多民族の中での差別や貧困をいかに教育で
良い方向に導けるかという視点があるように感じた。

多様な価値観、人としての尊厳の共有、学校という教育組織と相互理解の場。

メモ
エンパシー(empathy):他人の感情や経験などを理解する能力、
ライフスキル教育
性教育 中学でFGM(女性割礼)を学ぶ

日本の外国人特にアジア出身者へのヘイトや差別が平然と公然で行われる社会の異常さは
すでに世界の多くの人々が知っているだろうし、ディベートなどのスキルを得る教育も
殆ど行われていないのではないでしょうか。
決して英国が優れているとは思わないが、多様性、平等性、相互理解の教育は日本の未来を
担う若者には特に必要だと感じる一冊でした。外国で子供と暮らした4年間の経験がありますが
もっと早くこの本に出合っていれば、違った子供との接し方も出来たかと思う今日です。



ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディ みかこ
新潮社
2019-06-21




サカナとヤクザ 鈴木智彦 小学館 2018

図書館本

鈴木氏(1966-)のヤクザと原発(2011)は読んでいる。
本書は漁業(密漁)とヤクザの関係性を長期にわたり国内外で取材した著作である。
アワビ、ナマコ、カニ、シラス等々
私たちが普通に(たまに?)食べる高級海産分は密漁で取られたものがかなりの部分
あることがわかった。

確かに山の山菜をとっても罰せられず(多くの場合)、海で海産物を取ると罰せられる。
それはなぜか?その背景を歴史的に考察もしています。

また水産の専門家ですら、漁業には地雷が多すぎるという言質。

裏社会が実は表社会と密接に関係性を持って存在する業態が漁業なのかもしれない。
そんな事を感じた一冊である。



自分の力で肉を獲る 千松信也 旬報社 2020

図書館本 良書

千松さん(1974-)の生き様はすでに「ぼくは猟師になった」等で知っている方も多いだろう。
本書は子供向けに分かりやすくワナ猟を解説して、生きるモノ屠り、有難く食料として頂くという
人間としての基本的な立ち位置を示しているように思う。
カラー写真やイラストなどもふんだんに使用して、非常理解しやすい構成になっていると思う。

食うために生きるのではなく、生きるために食うという態度が非常に良く分かるのは
以前はレストラン等にも売っていたのだが、商売として、売るために狩りをすることに
疑問を覚え、今は家族や仲間内だけで獲った肉は循環しているということである。

サバイバル云々と言って、山中の撃ち殺し、食い残した肉は埋めて(捨てて)下山するような人間とは
根本的に違う生き様だと感じるのである。

是非、多くの方に読んでいただきたい書籍である。


お蚕さんから糸と綿と 大西暢夫 アリス館 2020

図書館本 良書

50年以上前の記憶が蘇ります。
母親の実家の屋根裏、そこで桑の葉を食むカイコの姿。
実家でもお蚕さんと呼んでいました。

一頭、二頭と呼ぶお蚕さん

大事に大事に育てられ、糸になり綿になった。

僕は今まで無知でした。真綿はお蚕さんから作られるのだと。
そして絹糸とは違う作り方だったと。
シベリアに渡る兵士の上着に使われたとか。

生糸(きいと)を紡ぐ人々
繭をむき水の中で四隅を引っ張り角綿(かくわた)を作る人々


多くの技能や技術が無くなっていくことの寂しさを感じるとともに
忘れられようとしている伝統・民俗に光を当てている大西さんに感謝。

お蚕さんから糸と綿と
大西 暢夫
アリス館
2020-01-20

AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争  庭田杏珠、渡邉英徳 (光文社新書)  2020

2020 個人的ベスト10には必ず入るだろうと思う書籍

庭田さん(2001-)は大学生、渡邊さん(1974-)庭田さんの指導教官でしょうか。


モノクロとビジュアル化された写真の違いは何を語るのか。
見る人それぞれに感想は異なるのでしょう。
特に場面が戦争に関連する状況では。

戦争の加害性、被害性、世界のほぼ全ての人は戦争を悲劇と感じると思います。(願います)
白黒写真では分からなかった事実がカラー化によって分かる事もあるといいます。
(本書にはありませんが、長崎の「焼き場に立つ少年」写真もカラー化で新しい発見がいくつか
あった報道されておりました)

戦争のリアルを知らない日本人が益々増える状況です。多くの方に是非とも見て感じて欲しい
書籍です。

ただ、本来の戦争の悲劇や痛みを示したモノクロ写真も多く存在し発表されています。
それをカラーして欲しくない方も多いかとは思います。
しかし、生と死、それをしっかり感じ、戦争の愚かさを未来に残すには、やはり目をそむけたくなる
様な場面もカラー化していくのが良いのではと個人的には感じます。



沖縄「戦争マラリア」 大矢英代(はなよ) あけび書房 2020

図書館本 良書 2020ベスト10に確実に入るだろうと思います。

沖縄にマラリアが有った事は知っておりました。
しかし、戦時中の強制移住により多数の住民がマラリアで無くなった事を知りませんでした。
自分の無知を恥じるばかりです。
著者のジャーナリストとしての真摯な態度が戦争、戦争マラリア体験者の証言収録や貴重な資料発掘にも繋がったのだと確信いたします。

著者は大学院時代(2010年)から戦争マラリアの取材を始め(波照間島)、その後三上智恵さんと共に映画「沖縄スパイ戦史」を作る事になる。
さらに現在の八重山地域での自衛隊基地問題にも言及している。

メモ
1945年島の人口の3分の1におよぶ552人がマラリアで死亡(西表島への強制以上、および帰還後)
強制移住は陸軍中野学校出身の山下虎雄(本名 酒井清)の命令(軍命)後のインタビューで。
波照間島の全家畜処分
八重山列島(石垣、竹富、小浜、与那国、黒、新城、西表、鳩間)当時の人口31万6千人の
53.8%がマラリア罹患、21.6%(3647人)が死亡 一家全滅62戸(201人)、孤児198人
このうち軍命による移住が原因で死亡した住民は3075人との事
米国退役軍人ロバート氏の証言 少年兵の存在、9歳少年への銃撃を吐露 日本軍の住民への軍事練習と兵士化
八重山へのスパイは山下(酒井清)を含めて4名
住民を守る事より住民が米軍の手にわたる事を恐れて移住・隔離・監視下に。

疑問:軍人だけは治療薬のキニーネを持っていたのだろうか?




新型コロナウイルスの真実 岩田健太郎 ベスト新書 2020 3月

図書館本

これまで岩田さんの著作は何冊か拝読してきて、特にワクチン関連の本は
良かったと思っています。

さて本書は
ダイヤモンドプリンセス(DP)号での艦内撮影youtubeで問題提起した岩田さん。
英語も日本語も両方見ました。
外国からの批判は無いと書かれていますが、英語の方が全うな言説になっていましたから
まあ当然でしょうか。

リスクコミュニケーションの重要性を指摘していますが、その通りです。
ただ、問題なのはご自身のコミュニケーション能力でしょうか?
指摘する内容は正しい事が多いと思いますが、それを相手にしっかり納得させることは
科学者としての当然のスキルですから。
間違いを指摘し、批評することは当然ですが、自分が自分がと前のめりに出て行っても
相手や他の研究者も同意されないのではないかな。
これ、別に日本だけじゃない事はご自身も良くご存知のはずなのに、日本の特徴だと
指摘するのはちょっと?です。
一流の科学者が態度や発言で批判される事は普通にありますよね。学会でも。

DMATの対応や厚労省官僚(医系なのか事務系かは書かれていないけど)が悪かったのは
事実でしょう。それを修正していくのが大学教授としての役割の一つではないかなとも
思います。

だって、感染症専門医として一番大切なことは感染者を救う、新規感染者を出さない事ですよね?

新型コロナウイルスの真実
岩田健太郎
ベストセラーズ
2020-04-15

トラックドライバーにも言わせて 橋本愛喜 新潮社新書 2020

図書館本 良書

ある意味、波乱万丈な人生な筆者。
だからこそ、自身の経験をもとにシッカリした調査と論考になっているのだろう。

今や物流無くして日本経済は成り立たないのは常識。
しかし、宅配便の再配達による時間や経済ロス。
トラック運転手への差別や偏見。
さらに業界としての労働環境と法整備の不備などなど。

一般読者が知らない事がいかに多いか痛感しました。
もちろん、一部には悪徳ドライバーも居るでしょう、でもそれは一般ドライバーで煽り運転する
輩がいるのと同じではないか。
時間に縛られ、法律に縛られ、3K,4Kと言われる環境の中で、働いている営業ドライバーの皆さん。

経済活動の血流が物流なのだと改めて分かった書でもある。

メモとして
2003年からスピードリミッターの装着義務 時速90Km
4時間走って30分休憩
運転時間 2日平均で一日あたり9時間以内 などなど
なぜ、ハンドルに足をあげて休むのか
過失無しでも逮捕される例
ジャストインタイム方式による運送
バラ積み、バラ降ろし(キツイ労働条件)
荷主は閻魔大王で消費者はわがままな神




これもAmazonレビュー拒否??

おやじのぼやき : 森の詩人: 日本のソロー・野澤一の詩と人生 坂脇秀治 彩流社 2014 - livedoor Blog(ブログ)


何処に問題がある???
ちなみにAmazonで購入ですが。

以下ブログのまま

森は人を呼ぶ。
森に魅せられてしまった人は世界中に居る。
ソローも野澤も、そして多くの森を源流とする文学作品の数々。

野澤一(1904-1945)の唯一の詩集「木葉童子詩経」を読み解く。

そして坂脇氏がその甲府郊外の四尾連湖畔に独居した野澤の生涯を辿る。
決して共同体から疎外された人ではなく地域との交流、詩作、家族、戦争。
宮沢賢治を敬愛し、高村光太郎への傾倒。

一人の詩人を通して、自然とは何か、生きること、時間とは何かなど考える一冊です。

戦争が無ければ野澤はもう少し生きられたのかもしれません(結核にて逝去)。



令和日本の敗戦 田崎基 ちくま新書 2020年3月

図書館本 良書

神奈川新聞記者の田崎さん(1978-)が2018-2020 にかけて取材執筆した記事等を加筆修正して再構成とあります。

市民目線でおかしいと思う事を普通に疑問に思い取材する態度が調査報道に繋がるのだと実感します。

戦わずして(戦争ではなく)周回遅れになっていく日本の現状を解析している。
そしてオカシナ事:有事法制・改憲案、モリカケ桜問題、統計偽装問題、アベノミクス問題等を論考します。

そして巻末の識者インタビューも非常に示唆的で良い。
白井聡、井出栄策、木村草太 

そしてコツコツとやって行くしか日本の未来はないのである。

メモとして
新卒採用2022年問題(執筆時にはまだコロナ禍での内定取り消し問題は触れていない)
沖縄問題、取材者(記者)は拘束しない。
大本営発表テキストの再来的な改竄、隠蔽、公文書廃棄(現政権、記者会見等)
 全滅:玉砕 敗走:転進 餓死や感染症死:英霊





ヤンキーと地元 打越正行 筑摩書房 2019

図書館本

荻上チキさんのラジオ番組に著者が出演していて興味を持った書籍。

社会学者として参与観察という手法(調査地で直接感じた事などを基に数値化出来ないデータ等を
収集する)で沖縄での調査行ったとの事。

出会った少年少女達は異質な存在である著者を受け入れる過程において自身の生い立ちは現状を
吐露していく。
暴走族に参加したり、建設会社や他の業種での就労だったり、性風俗での経営やバイトだったり
種々な場面での沖縄の若者たちが直面している(一部かもしれないが)現実を知る事ができる。

年功序列、帰属意識、学歴、低賃金、暴力、結婚、妊娠、子育て そんな中で這い上がる者、
沖縄を捨てる者、また戻って来る者。

確か沖縄だけは人口減少していないと記憶している。しかし基地問題や基盤産業の脆弱さなどが
指摘されいる沖縄。
日本の将来を託す若者と沖縄の関係性が今後どうなるのか?第3者の外部者として思う。
実は沖縄だけの問題では無いのではないかと。

そしてこの様な社会学調査はいかに沖縄の、いや日本の将来に貢献できるのか?
その答えを読了後に見付ける事は出来なかった。

ヤンキーと地元 (単行本)
打越 正行
筑摩書房
2019-03-23

歴史戦と思想戦 山崎雅弘 集英社新書 2019

図書館本 良書

読み応えのある1冊でした。
自分の回りにもどうしても南京虐殺は無かったとか慰安婦はいなかったと言う人々がいます。
どうして学術研究(歴史研究)ですでに確定している事を敢えて都合の良い資料だけを使って否定したいのか?
不思議でなりませんでした。まさに世界の常識、日本の非常識というやつですね。

本書では非常に分かり易い枠組みを提示していて、普通に近現代史を薄くでも勉強した人であれば
理解出来るのではないでしょうか?
問題は義務教育や高校教育で近現代史が十分に時間を取って教えられていない現実なのだと感じます。

まずは、キーワード
日本という円の中にある大日本帝国と日本国
帝国主義、侵略戦争、独立支援
自虐史観、東京裁判史観
WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)、洗脳
コミンテル
ジュネーブ条約(各国が違反、パターン死の行進、強制労働、人権軽視、民間人殺害等々)
日本とドイツの対応方法の差異


瀬戸際の渓流魚たち 増補版 東日本編 佐藤成史 つり人社 2020

日本の淡水魚の多様性が種々な要因で失われつつある、もちろん他の生物種も同様であるが。
筆者自らが歩き、釣った魚たち。いかに多様な色彩や特徴があるかを教えてくれた。
前著出版が1998年だっただろうか。
それから20年以上 今も細々と源流や支流で生き延びていてくれているのだろうか?
現在では遺伝子解析でイワナの集団等の系統樹分析も可能となっている。
現時点で分かってきた学術的知見も加えて、アップデートされた本書が出版されたことは
非常に嬉しい。
自然と人間との関係性を考えるにも良いのではないだろうか。
釣りという遊びであるが、釣圧(釣りによる魚の持ち帰り等)により多様性の低下が起こることは
すでに明らかな事であるのだから。

瀬戸際の渓魚(さかな)たち
佐藤 成史
つり人社
1998-05T



瀬戸際の渓魚たち 増補版 東日本編
佐藤 成史
つり人社
2020-07-16

瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編
佐藤 成史
つり人社
2020-07-16

洪水と水害をとらえなおす 大熊孝 農文協 2020

図書館本 知人が編集しているのもうれしい。鎌倉図書館に購入してもらった本

本年度のベスト3に入るであろう良書 そしてダムや治水問題を正しく理解するためにも。

洪水と水害をとらえなおす 大熊孝 農文協 2020

大熊先生の本は何冊か読んでおり、自然との共生という態度は哲学3人塾(内山節、鬼頭秀一、大熊孝)の会でもお聞きしていたので本書も非常に分かり易く、敢えて結論からかけば大熊先生の自叙伝的治水論としての河川工学とでも言うべきでしょうか?

まさに令和2年7月豪雨での熊本県球磨川の水害を見聞きして、川辺川ダムがあれば的な報道がされる違和感を感じざるを得ません。ダムか堤防か?という工事ありきの防災対策が想定外な降雨量に対してまったく意味をなさない治水計画にも思えます。

本書は自然災害や河川工学の歴史を検証し、100%の正解など存在しない水害対策に関して多くのヒントとこれからの施策の在り方を提示しています。

最も基本的な事は、人類は自然を征服したり管理しようとする思想こそが人類を破滅に導くという事なのでしょう。自然に生かされ、自然との折り合い(居り合い)の中で、いかに人的被害を最小に出来るのか?そんな事を本書は教えてくれます。

備忘録的メモ
洪水は必ずしみ水害を導かない。下流部を肥沃にしてきた歴史的事実
白洲次郎が東北電力会長時代のダム 魚道を作るという発想は皆無
2008年JR東日本宮中取水ダム(長野 山手線用電力)コンピュータープログラムによる不正取水発覚
河川工学の川の定義「河川は、地表面に落下した雨や雪などの天水が集まり、川や湖などに注ぐ流れの筋(水路)などと、その流水を含めた総称である」
大熊氏が学生に教える川の定義「川とは山と海とを双方向に繋ぐ、地球における物資循環の重要な担い手であるとともに、人間にとって身近な自然で、恵みと災害という矛盾のなか、ゆっくり時間をかけて、ひとの”からだ”と”こころ”をつくり、地域文化を育んできた存在である。
水害調査心得 現場調査なくして発言権なし
ダムによる堰上げの影響 2011年7月 只見川水害
ダムの洪水調整機能の精査の必要性 河川改修工事との工事費比較(ダム工事の高額)
土木機械力の質的・量的な進歩により堤防化の迅速で安価な工事が可能に
基本高水とダム計画の乖離 八ッ場ダムを含むダム群 治水計画は絵に描いた餅
ダムの排砂問題(黒部ダム排砂による富山湾の魚介類死滅)から多くのダムの堆砂問題が浮上(想定外の量的堆砂) 穴あきダムの登場
八ッ場ダムの洪水調節計画は変更されていた
信玄堤は本当に信玄が作った? そして徳島堰は甲斐国志にはまったく登場しない。
将棋頭(六科)、堀切(竜岡台地)価の可能性あり
現在の日本の治水計画は、表向き平等性を担保することを前提として、大きな基本高水を設定し、ダムによる洪水調節と河道の洪水流下能力を組合せで、計画洪水を一滴も漏らさせずに海まで排出する計画となっている。(堆砂、環境問題は考慮されず)
堤防強化の経済性(安価)
社会的共通資本としての川 (宇沢弘文との共著) 
 社会的共通資本:自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本
地域・都市における自然観と国家の自然観との対立


洪水と水害をとらえなおす: 自然観の転換と川との共生
孝, 大熊
農文協プロダクション
2020-05-28

本の処分 職場の一部

本の寄付サイト(以前はbook fro Japan)
https://www.charibon.jp/

ここで支援団体を選択して僅かだが支援金にする。

職場に置いてあった私物本(すべて私費購入)を終活も兼ねて寄付。

画像はほんの一部だが、備忘録的に

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戦争という仕事 きけわだつみのこえ

“わだつみのこえ”常設展始まる|NHK 山梨県のニュース


故中村克郎先生の想いを聞いた者として永遠の戦争放棄を願っています。


以下記事

太平洋戦争で戦死した学生たちの手記などを集めた「きけわだつみのこえ」に収められている中村徳郎さんの日記などの常設展示が出身の甲州市で始まりました。

甲州市出身の中村徳郎さんは、東京大学在学中に学徒出陣して25歳のときにフィリピンで戦死し、中村さんが隠れて弟に渡した日記や家族への手紙は「きけわだつみのこえ」に収められています。
甲州市は去年3月、中村さんの日記や手紙など47点を市の文化財に指定し、戦争の恐ろしさを改めて知ってもらおうと、戦後75年にあわせて13日、甲州市中央公民館に常設展をオープンしました。
このうち、出征が決まった中村さんが昭和19年に家族に宛てた最後の手紙は「運命の皮肉からこういうことになりました」とつづられ、戦争の不条理さを感じられる資料です。
また、最後の面会で弟に手渡した手記は、生きたいと願いながらも戦争に赴かなければならない無念さなどが書かれています。
甲州市教育委員会の保坂一仁教育長は「戦争を経験した人が少なくなるなか、資料を通じて平和の尊さや中村さんの気高い魂を知ってほしい」と話していました。
常設展は甲州市中央公民館で月曜日を除く午前9時から午後5時まで無料で観覧できます。


きけわだつみのこえ より

中村徳郎 大正7年(1918)生まれ 昭和17年10月 東京帝国大学理学部地理学科入学 同月 千葉県習志野にて入営 大学の講義を一度も受けることなく戦場へ

昭和19年6月5日
父上、母上に。
 長い間あらゆる苦難と戦って私をこれまでに育んで下さった御恩はいつまでも忘れません。しかも私は何も恩返しをしませんでした。数々の不幸を御赦し下さい。思えば思うほど慙愧に堪えません。
 南極の氷の中か、ヒマラヤの氷河の底か、氷壁の上か、できればトルキスタンの砂漠の中に埋もれて私の生涯を閉じたかったと思います。残念ですが運命の神は私に幸いしませんでした。
 総ては悲劇でした。しかし芥川も言っているように、親子となった時に既に人生の悲劇が始まったのだということは、いみじくも本当だと思いました。気の毒なお父さんお母さんに恵みあれかし。
中村徳郎
昭和19年6月20日午前8時

父上母上様。弟へ。
門司市大里御幸町 辰美旅館        徳郎

何もかも突然で、しかも一切がほんの些細な運命の皮肉からこういうことになりました。しかし別に驚いておりません。克郎(弟)に一時間なりとも会うことが出来たのはせめてもでした。実際は既にその前日にいなくなっているはずでした。そうしたら誰にも会えなかったのです。
中略
最も伴侶にしたかった本を手元に持っていなかったのは残念ですが致し方ありません。それでも幾冊かを携えてきました。
中略
今の自分は心中必ずしも落ち着きを得ません。一切が納得が行かず肯定が出来ないからです。いやしくも一個の、しかもある人格をもった「人間」が、その意思も意志も行為も一切が無視されて、尊重されることなく、ある一個のわけもかわらない他人のちょっとした脳細胞の気まぐれな働きの函数となって左右されることほど無意味なことがあるでしょうか。自分はどんな所へ行っても将棋の駒のようにはなりたくないと思います。
 ともかく早く教室へ還って本来の使命に邁進したい念切なるものがあります。こうやっていると、じりじりと刻みに奪われてゆく青春を限りなく惜しい気がしてなりません。自分がこれからしようとしていた仕事は、日本人の中にはもちろんやろうという者が一人もいないと言ってよいくらいの仕事なのです。しかも条件に恵まれている点において世界中にもうざらにないくらいじゃないかと思っています。自分はもちろん日本の国威を輝かすのが目的でやるのではありませんけれども、しかしその結果として、戦いに勝って島を占領したり、都市を占領したりするよりもどれほど眞に国威を輝かすことになるか計りしれないものがあることを信じています。
 自分をこう進ましめたのは、いうまでもなく辻村先生の存在が与って力ありますが、モリス氏の存在を除くことが出来ません。氏は自分に、真に人間たるものが、人類たるものが何を為すべきかということを教えてくれました。また学問たるものの何者たるかを教えてくれたような気がします。私はある夜、西蔵(チベット)の壁画を掛けた一室で、西蔵の銀の匙で紅茶をかきまわしながら、氏が私に語った"Devote yourself to Science."という言葉を忘れることが出来ません。








拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 蓮池透 講談社 2015

図書館本 巻末に青木理氏との対談収録

拉致被害者家族連絡会の代表であった横田滋さんが2020年6月5日にお亡くなりになられた。
拉致された横田めぐみさんとの再会は果たすことができなかった。

私自身、拉致問題に詳しいわけでなく、どうしてここまで拗れてしまったのか疑問に思っていた。
小泉訪朝(2002年、2004年)で大きく解決すると多くの日本国民は思ったのではないだろうか。

その程度の認識だったの、本書をから得られた情報はある意味衝撃的でもあった。
政治家
外務省
家族会(筆者は家族から除名 元事務局長)
救う会 (右寄り?)
マスメディア
これらのある意味利害が複雑に絡み、未だに解決の糸口が見えなくなっている様に思う。

圧力なのか対話なのか、おそらくそんな単純な話ではないかとは思うが、拉致という犯罪と
日本の朝鮮半島における戦争責任とも相まって、現状の政権では何も解決出来ないという理解は
正しいのだと思う。

外交とは結果責任なのだから。



フィンランドの教育はなぜ世界一なのか 岩竹美加子 新潮新書 2019

図書館本 良書です

小国フィンランド(人口 551万人)ではありますが wikiによれば
人口や経済規模は小さいが、一人当たりGDPなどを見ると豊かで自由な民主主義国として知られている。フィンランドは2014年のOECDレビューにおいて「世界でもっとも競争的であり、かつ市民は人生に満足している国のひとつである」と報告された。フィンランドは収入、雇用と所得、住居、ワークライフバランス、保健状態、教育と技能、社会的結びつき、市民契約、環境の質、個人の安全、主観的幸福の各評価において、すべての点でOECD加盟国平均を上回っている。

そんなフィンランドと日本で子育てをされた著者のエッセイです。
ご自身の幼少期の体験も教育に対する言質の背景にあるようです。

単なる日本との比較に留まらず、フィンランドでの歴史的変遷による教育行政の変化、徴兵制に関する詳細な記述当は非常に興味深い。
さらに日本のいわゆるPTAという親の組織の問題点にも焦点を当てている。(PTAという国家装置とい著作もあり)

基本の「基」は子供がしっかりと権利と義務に関して理解して行動することだと私は理解しました。
フィンランドにもいじめやヘイトはもちろんあるし、犯罪も存在する。しかし、教育の重要性を重視することこそが国家維持の基本なのだと感じた。






忘れられた日本人 大西監督の連載 1

人と知恵がつなぐ:/1 滋賀・長浜の養蚕業 糸の旬生かす手技、今も /愛知 - 毎日新聞


大西暢夫さんの連載

岐阜県の旧徳山村(現・揖斐川町)が日本最大のダムの底に沈んで13年になる。八つの集落のうち唯一、水没を免れた最奥地の門入(かどにゅう)に、廣瀬(ひろせ)ゆきえさんは最後の一人になるまで暮らし続けていた。
お蚕さんを育て、糸まで取る仕事を4代にわたって西村さん一家は続けている=滋賀県長浜市で

 門入から北海道真狩村へ向かった開拓団の2世のもとへ嫁いだ。しかし終戦後、一家で村に戻ることになる。後継者が絶えそうだった廣瀬家を継ぐためだった。ゆきえさんの話は、いまの時代に生きる僕たちにとって、過酷でありながら、新鮮な話題ばかりだった。

 その一つに、滋賀県の近江高山(現・滋賀県長浜市)へお蚕さんの繭を運ぶ話がある。ゆきえさんがまだ14歳の幼き時だ。門入から、ホハレ峠を越え、坂内村(現・揖斐川町)の川上に出る。さらに鳥越峠を越え、近江高山(長浜市)に到着する。何日もかかる物流の峠道だった。

 「その取引先に6尺の大男がおってな」という言葉だけを頼りに、僕は近江高山に向かった。それらしき家をようやく探し当て、6尺くらいの大男の息子に出会うことができた。息子といっても80歳を超えていた。

 「この辺りは、揖斐郡の坂内村や徳山村の人たちに世話になった。山越えをし、交流は県をまたいだ。街の人からは想像がつかん山のルートだが、大勢の人が繭を運んでくれた。しかし今じゃ、養蚕農家は1軒だけになってしまった」

 その1軒、4代目の西村英次さん一家がお蚕さんを育て、糸取りまでを行っていた。「ここは滋賀県内でも養蚕の盛んな地域でね。春糸は和楽器の弦に使い、秋糸は着物などに使うんだよ。年に2回、糸を取っている」

 季節によって絹糸の用途に違いがあることに驚いた。糸に旬の季節があるというのだ。春、桑の葉の柔らかい新芽を食べるお蚕さんと、秋の硬い葉っぱを食べるお蚕さんとでは、吐き出す繊維の手触りが違う。完成した絹糸を触らせてもらうと違いがよくわかった。春糸は柔らかくて、しなやかな手触りだ。奏でる音が違うらしい。

 生き物が吐き出す繊維が、こうした形に変わり、人の生活に欠かせないものになる。さらに、真綿が盛んだった集落がすぐ近くにあり、そこには綿を引っ張っている老夫婦が、1軒だけ残っている。

 「真綿ってお蚕さんだって知っているよね?」

 そんな常識にややたじろいだ。若い世代は、その常識を知らない人が多い。

 「綿って、綿、ですよね」

 真綿はお蚕さんからできている動物性だ。

 徳山村のゆきえさんの言葉から、いまも残る手技につながった。ものがあふれている現代の暮らしに、命と向き合いながら丁寧な仕事をする家族は輝きに満ちていた。(写真・文 大西暢夫)

     ◇

 さまざまな手仕事の現場では、職人たちが互いに不思議な縁で結びつき、原材料などとなる自然の恵みを循環させながら無駄なく使いきる仕組みが出来上がっています。長年の取材で見えてきた社会の「大きな円」を描きます。=次回は5月23日掲載

 ■人物略歴
大西暢夫(おおにし・のぶお)さん

 作家、写真家、ドキュメンタリー映画監督。1968年生まれ、岐阜県池田町在住。ダム湖に沈む岐阜県徳山村をテーマにした著作と同名映画の「水になった村」を発表。近著は「ホハレ峠」「お蚕さんから糸と綿と」など。映画「オキナワへいこう」は、自主上映活動が全国で展開されている。










追い詰められる海 井田徹治 岩波書店 2020


読み進む過程で、地球を殺そうとしているのは人間だという事を認識します。

日々安楽な方法を求めて消費は美徳という価値観で生活をエンジョイする多くの先進国。
環境変動で農業漁業等の一次産業から得られる所得が減少し飢餓に陥る経済的途上国。
まさに、分断と格差が大きくなるばかりであるが、やがて間違いなく先進諸国にも
同じ状況が訪れるのであろう、子供や孫の時代には。

本書では地球温暖化とも大きく関わる海洋における環境問題(破壊)を井田氏が
分かり易く、科学者や論文からのデータをもとに解説している。

海水温上昇
海の酸性化
プラスチックごみ、マイクロプラスチック
海産物乱獲
海面上昇など

メモとして
海洋酸性化によるサンゴの白化
農業肥料流出による海洋の富栄養化
温室効果ガスおよびCO2の海洋での吸収
海水酸性化による殻の損傷
マイクロプラスチック、マイクロビーズ汚染 有害化学物質との結合 魚介類、人間の取り込み
プラスチックごみの7割は焼却処理(日本)
海の酸素欠乏(低酸素、無酸素)ーデッドゾーン形成 生物多様性の減少
窒素肥料の開発 富栄養化
温暖化による海洋からの酸素減少



失われた福島のバラ園 マヤ・ムーア 世界文化社 2020

図書館本

辛いけど素晴らしい作品。是非多くの方に見て頂きたい。
原発という存在がいかに不幸を強いるのかということを。

福島県双葉町にあった素晴らしいバラ園。
美しいバラの数々、バラに魅せられた岡田さんが全身全霊を込めて作り上げていたバラ園。

ページを進め、突然に谷底に落とされた気分を感じるでしょう。

2014年には英語版が、その後韓国版も出版されています。

序文にかえて、倉本聰さんが文章を寄せています。

また失われたバラ園という児童書も2018年に別の著者より出版されています。


失われた福島のバラ園 The Rose Garden of Fukushima
マヤ・ムーア
世界文化社
2020-02-21

The Rose Garden of Fukushima
MAYA MOORE
世界文化社
2014-10-31

失われたバラ園
たん, はかた
日本地域社会研究所
2018-04-01



2020-06-19_14-03-29_1012020-06-19_14-03-39_509
Profile
鎌倉おやじ
趣味:イワナに遊んでもらう、菜園、読書、焚き火、ランタン

愛読人:内山節、池田晶子、養老孟司、山本素石、高桑信一、相田みつを、宮本常一、網野善彦、野田知佑、南木佳士、川上健一 佐藤優 内田樹(順不同)

夢:晴釣雨読で自給自足、在来魚保護 (最近釣りにはそれほど熱中してません、年のせいでしょうか)
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