おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

読書

リニア新世紀名古屋の挑戦 奥野信宏他 名古屋都市センター編 ディスカバー携書 2017

図書館本 提灯本

まあ、よくここまで名古屋ヨイショが出来るものです。
いわゆるメガリージョン(3大都市圏、東京、名古屋、大阪)がリニアによって形成されると
人口が6810万人(東京 3980万、 大阪 1780万、 名古屋 1050万)で世界一になると。
東京圏あるいは首都圏の人口が3980万もいたりするわけです。首都圏(、東京都およびその周辺地域である茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県の1都7県 3800万人程度 残りの200万は?)

中間駅インパクト(相模原市、甲府市、飯田市、中津川市)の各駅停車が時間当たり何本停車するのかの記載は無し。(JRは一時間に1本、チケットはすべてネット予約としている)
現状での甲府ー品川が133分(2時間13分)と書かれていますが これもウソ。そんなにかかりません。
甲府―新宿のバスが120分程度で新宿―品川は山手線20分でしょ。


コメントとして寺島実郎氏、藻谷浩介氏、家田仁氏等々がヨイショしています。

この手の本の注意点は、儲かるよ!儲かるよ、絶対儲かるよ!的な情報だけを掲げて
不都合な真実を絶対に開示しないことですね。
経済効果とか捕らぬ狸の皮算用を信用して損するのが常です。

大量電力消費や自然環境破壊、最近では静岡での大井川水量減少予測に伴う工事の停止
外環道大深度地下トンネルでの陥没事例(リニアも大深度地下でのトンネル工事)。
コロナ禍でのJR各社(特にJR東海の新幹線)の大幅減益。

さてさて、疑う事を忘れると、後になって騙されたって言っても後の祭りですよ。
そう、騙される側の責任もしっかり自覚してくださいね。(戦争責任者の問題
伊丹万作)

リニア新世紀 名古屋の挑戦 (ディスカヴァー携書)
黒田 昌義
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-07-13




是非こちらの本をご参照ください。
超電導リニアの不都合な真実
謙一, 川辺
草思社
2020-11-30


観光亡国論 アレックス・カー 清水由美 中公新書ラクレ 2019

図書館本 良書

犬と鬼、美しき日本の残像、ニッポン景観論などの名著を綴っているアレックス氏。
非常に説得力のある日本の観光の恥部とでもいう問題点を指摘しています。
オーバーツーリズム、モラル、景観などに関する指摘はこれからの日本のツーリズムの
進展に役に立つのだと思う。

出版された時にはもちろん現在のコロナ禍(2020-2021年1月現在)もなく、インバウンド客が
3千万人を超えていたかと思います。
それが現在では限りなくゼロに近い現実。

メモとして
公共工事という観光公害、工事がが壊す景観、それを景観保護に換える試みも始まっている。
便利なアクセスが本当に観光の利益?
ユネスコサイド=世界遺産登録で壊す地域
体験プログラム等の導入による活性化

観光亡国論 (中公新書ラクレ)
清野 由美
中央公論新社
2019-03-07

みんなにお金を配ったら アニー・ローリー みすず書房 2019

図書館本 良書

原題
Give people money: How a Universal Basic Income would end poverty. Revolutionize work, and remake the World. 2018

ユニバーサル・ベイシック・インカム(UBI)を包括的に綴っていて世界の流れが分かり易い。
理想論、現実、問題点そして未来へという感じです。
非常に多くの参考文献等も付記されている。
UBIに興味がない方には読み難いかもしれません。
AIや自動化が進み、労働、貨幣、時間という考え方がパラダイムシフトして貧困や格差が無くなることがUBIの大きな役割だと感じる。

ルトガーブレグマンの「隷属なき道」(本書ではドイツのジャーナリストとされているが、オランダ人歴史家、ジャーナリストとするべきでしょう)を読んでいる方には、これからの社会の在り方を考える上で本書は多くの現金給付の例やその背景にある文化や歴史的な問題などにも現場を訪問してその光景を綴っていて興味深い。

備忘録的メモ
UBIは21世紀の労働組合的な働き
労働市場への影響は軽微 怠け者や放蕩者を生み出すわけではない
現物支給より現金の方が受給者に価値が高い
アメリカでの個人主義、自助努力礼讃主義による冷酷な線引き(救済か非救済か)
無給労働者(女性の家事、育児)への貢献 家庭支出の決定権の欠如



半藤さん 合掌

無知な私は半藤さんや保阪さんの本で多くを学びました。

いかに権力が無謀に人々を殺していくのか。

二度と愚かな戦争を起こさないために。









世界史のなかの昭和史
半藤 一利
平凡社
2018-02-16

歴史と戦争 (幻冬舎新書)
半藤一利
幻冬舎
2018-03-28

賊軍の昭和史
保阪 正康
東洋経済新報社
2015-08-06

釣り談義 坂上忍さんの父が編集出版


昔録画したままになっていたNHKのファミリーヒストリー 2015年だったんですね。
坂上忍さん

書庫にしっかり保存されております。
そうそうたる書き手による釣り本です。

本当に釣りが好きだったんでしょう。そして文学も。

2021-01-11_14-33-02_7852021-01-11_14-34-06_4262021-01-11_14-34-31_2422021-01-11_14-34-40_2162021-01-11_14-34-52_7252021-01-11_14-35-09_4292021-01-11_14-35-28_2552021-01-11_14-35-45_955


未完の資本主義 大野和基 インタビュー・編 PHP新書 2019

図書館本 良書

著名な経済学者や有識者に対するインタビュー
ポール・クルーグマン UBIは対象者を絞るべき
トーマス・フリードマン UBIには懐疑的
デビッド・グレーバー  UBI導入すべき
トーマス・セドラチェック 
タイラー・コーエン
ルトガー・ブレグマン UBI導入 一日3時間労働
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー 必要最低限なUBIの導入

著作を読んだ事があるのはルトガー・ブレグマンだけという無教養な私である。
ただ読了して思ったのは、UBI(ユニバーサルベーシックインカム)に対する考えが、賛成、反対、修正賛成等に分かれる事だろうか。経済学がまだ学問として成熟していない事を意味するのだろうか。

メモ
ポール・クルーグマン
 消費増税は反対 富はすでにある、分配に問題
デビッド・グレーバー
 Bullshit Jobs(どうでも良い仕事 )の蔓延 邦訳未刊行
 意味のない仕事の増加 無駄な管理職(でも高給)
 5分類 Flunkies(太鼓持ち)、Goons(用心棒)、Duct Tapers(落穂拾い)、Box Tickers(社内官僚)、Task Makers(仕事製造人)
 労働観の変更(時間を売って貨幣を得るような?)
トーマス・セドラチェック
 従来の経済学の問題点 資本主義は時代によって変化する
 市場はフェアに出来てはいない
 成長至上主義という病
 各国の年金制度は年2%の成長を前提 
タイラー・コーエン
 教育の厳格化は?
 日本における少子化対策は最優先
 ポスト資本主義などは存在しない
ルトガー・ブレグマン
 UBIに上乗せして稼ぎたいと思う
 富を移動させるだけのくだらない仕事が多過ぎる
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
 UBIは一つの仕事への執着を少なくする


 
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書)
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
PHP研究所
2019-09-14



ニッポン巡礼 アレックス・カー 集英社新書 2020

購入 良書

アレックス・カー氏のファンであれば購入せざるを得ないであろう。
本書の奥付には氏の代表作である「犬と鬼」、「美しき日本の残像」は紹介されていない。
後書きで清野由美さんが少し著作には触れてはいるが。

本書は氏のこれまでの人生で出会った景色、景観、風景を日本の文化や土壌がいかに改変されてしまったかを旅の哲学という文脈の中で綴って書き留めたものだと感じた。

場所が特定されれば無駄なお土産屋が出来たり、景観や自然が改変されてしまい、オーバーツーリズムにより本来あった姿は亡くなってしまう現実。

ふと思った。きっと身近な所にも手垢が付いていない改変されていない自然や文化が残っている場所があると。そう、そこに旅すれば良いのだと。

ニッポン巡礼 (集英社新書)
アレックス・カー
集英社
2020-12-17

2020 読書 

ベスト10に絞れなかったので良かった本だけを羅列(順序は新規読了)

来年も良い本に出合えますように!



超電導リニアの不都合な真実 川辺謙一 草思社 2020 11月
鉄路の果てに 清水潔 マガジンハウス 2020
無敗の男 常井健一 文藝春秋 2019
八ッ場ダムと倉渕ダム 相川俊英 緑風出版 2020
経済政策で人は死ぬのか? ディビッド・スタックラー&サンジェイ・バス 草思社 2014
土中環境 高田宏臣 建築資料研究社 2020
虫とゴリラ 養老孟司 山極寿一 毎日新聞出版 2020
続・こうして店は潰れた 小林久 同文館出版 2020年9月
近現代史からの警告 保阪正康 講談社現代新書 2020年6月
特攻隊員の現実(リアル) 一ノ瀬俊也 講談社現代新書 2020
汚れた桜 毎日新聞「桜を見る会」取材班 2020
お蚕さんから糸と綿と 大西暢夫 アリス館 2020
AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争  庭田杏珠、渡邉英徳 (光文社新書)  2020
沖縄「戦争マラリア」 大矢英代(はなよ) あけび書房 2020
令和日本の敗戦 田崎基 ちくま新書 2020年3月
歴史戦と思想戦 山崎雅弘 集英社新書 2019
洪水と水害をとらえなおす 大熊孝 農文協 2020
拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 蓮池透 講談社 2015
フィンランドの教育はなぜ世界一なのか 岩竹美加子 新潮新書 2019
追い詰められる海 井田徹治 岩波書店 2020
失われた福島のバラ園 マヤ・ムーア 世界文化社 2020
権力に迫る「調査報道」 原発事故、パナマ文書、日米安保をどう報じたか  高田昌幸 , 大西祐資 , 松島佳子  旬報社 2016 
731免責の系譜 太田昌克 日本評論社 1999
ホハレ峠 大西暢夫 彩流社 2020
南国港町おばちゃん信金 原康子 新評論 2014
いまこそ経済成長を取り戻せ ダンビサ・モヨ 白水社 2019
コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 西原智昭 現代書館 2018
安倍官邸vsNHK 相澤冬樹 文藝春秋2018
原発に挑んだ裁判官 磯村健太郎 山口栄二 朝日文庫 2019
暗黒のスキャンダル国家 青木理 河出書房新社 2019
平成とは何だったのか 斎藤貴男 秀和システム 2019
消えた山人ー昭和の伝統マタギ 千葉克介 農文協 2019




「線」の思考 原武史 新潮社 2020

図書館本
副題:鉄道と宗教と天皇と

小説新潮に掲載されたものに加筆とのこと。
点は線の起点となり線は面の起点になるという思考が非常に面白い。

自宅の近くの事が書かれた
小田急江ノ島線とカトリック、だけを読んでみた。
天皇家(美智子さんは聖心出身)という絡みや、宮内庁にカトリック信者がいた事など
歴史としての天皇と他宗教との係わりは興味深い
そして小田急江ノ島線沿いにあるカトリック系の学校の数々


「池の水」抜くのは誰のため? 小坪遊 新潮社新書 2020

図書館本 良書

結論から書けば、著者の主張は生態系の事をネットやメディアの記事を鵜呑みにする事なく
色んな立場から考えてみてはどうだろうか?という事。この辺は著者が生物系のバックグラウンドが
あるからなのだろうとは想像するし、間違ってはいない。
そして、生物の多様性を保全し、豊かな生態系サービスを受けられる社会をどう作り、守り、引き継いでいくのかという事だと指摘します。



いかにステレオタイプの言説がこれまでまかり通って来たかが本書でもわかる。

タイトルの池の水を抜くは、テレビ番組で話題になったモノを想定しているが、俯瞰的に考察していて長所も短所もある事が良くわかる。


本書の良い点は、メディアに登場した犯罪であったり良かれて思ってやっている放流事業や餌やりなどを多面的に論じている点であろう。絶滅危惧種や保護対象動物の違法捕獲とネット販売にも触れている。

さらに昨今のSNS映えでの野生動物との自撮りや、環境改変しての
野鳥や他の動物の撮影などにも論が及ぶ。今後は(既に?)ドローンなども撮影に使われるので
ますます絶滅危惧種などの保護に問題が出て来るかもしれません。

ブラックバス問題も、バスの違法放流などが行われている現状で、すべてのバサーが犯罪者で有る訳でも無い事は確かである。(ある意味ニジマスの放流でオショロコマの生存域が限局してきている問題と同じかな)

駆除される動物に罪は無い。もちろんその通りですね。ではなぜ駆除せざるを得ない状況を人間が作り出したのか?そこを真剣に考えないと取り返しのつかない地球に自然になってしまうというのは明らかでしょう。





イーロン・マスクが未来を音速に変える: ハイパーループという超高速交通システム Kindle版 C.K.コウタニ (著)

イーロンマスクを知るためには良いかと思います、入門書的には。

多くの情報はネットや既に出版されているマスクの評伝等で得られたモノで
対談やインタビューではありません。

ハイパーループ構想を受け入れた多くの企業がすでに実験線や実験車車両を制作して
実現に向かっています。

明らかに日本のガラパゴス化したリニア新幹線構想とは異なり、ハイパーループの優位性が
分かります。特に消費エネルギーや運搬能力など。

一部誤記に思える箇所もあります。
ドイツでリニアが既に開通している。(トランスビットは撤退したと思うのですが)

マスクはFBもツイッターもやっていないとありますが、ツイッターアカウントは存在していて
発信していますよね。

本書でも少し触れられていますが、
残念ながらドバイでのエキスポ(延期)に合わせての10Kmの先行開業はコロナ等の影響もありまだ
ですが、非常に楽しみですね。完全オフグリッドでの開業という話もありますね。
(基本的にマスクは再生可能エネルギーでの運航を当初から計画しています)



MMT 現代貨幣理論とは何か 井上智洋 講談社選書メチェ 2019

図書館本 興味深い

経済門外漢です。
最近(数年前?)さかんに報じられるMMTなる考え方。
まったく理解出来ておりませんでした。
それで読んでみました。
著者はMMTも現在の経済理論も出来る限り中立的な立場から論じているとは感じました。

そして経済学って生物学や医学の様に統一理論が何ですね。でもノーベル経済学賞はある不思議。

良く言われる様に
家庭の借金は返済しないと破産だけど、国家はいくら借金しても大丈夫というのがMMTの
基本原則だと認識している私です。でもそこには国家には寿命がなく永遠だという様な論理が
有る様にも思います。そんな感じて読み始めた本書です。

備忘録的メモ
自国通貨をもつ国は過度なインフレにならないかぎり、政府はいくらでも借金出来る。その背景には貨幣というのは約束事であり記録に過ぎない。
政府はキーボードを叩けば、自分の預金口座にいくらでも貨幣を生み出す事ができる。
主流派とMMT派の究極的な焦点は何か?
 内生的貨幣供給理論と外生的貨幣供給理論
 金利政策と貨幣供給、インフレ
 JGP(雇用保障プログラム)最低賃金 物価のコントロール?
 雇用保障か所得保障か ベーシックインカムとの関係


ネット興亡記 杉本貴司 日本経済新聞社 2020

図書館本 非常に面白い

副題:敗れざる者たち

700ページ超の大著
日経電子版および日経産業新聞に同時掲載された同名の記事をベースにゼロから書き下ろしたとある。


読み終えてまず感じたのは著者の優しさだろうか。
登場人物に対する優しさが溢れている。
だからこそ、取材対象の本音や事実を聴き出せたのだろうと思う。

食うか食われるかの弱肉強食な業界の時系列での動向が非常に分かり易く、登場人物と時代背景の
流れで綴られる。

もっとも感じたのは、一人の天才が居ても相棒や良い同僚がいないと器が大きくなっていかないという
インターネットの世界であること。

本書ではいわゆる成功者を中心に語られているが、その裏にはドロドロとした人間関係もあったのだろうことは容易に想像がつく。

そして思った。
今もしっかりと表に出て発言しているこの業界の方はズルはしない真面目なヒトなんだろうと。
嘘を隠すために嘘を付き続けている様な方はいないのだろうと。
世界を変えようと思い夢をもってインターネットの世界に飛び込んだギーク達が、夢に近づいた時に
どんな次の世界を作ろうとするのか見てみたい。
そう、ビルゲイツが貧困や感染症対策に邁進するように。

インターネットが金儲けだけのツール出ない事を、見せてください。


超電導リニアの不都合な真実 川辺謙一 草思社 2020 11月

Amazon 購入

川辺氏(1970-)は工学系出身でこれまでの多くの著作があるようです。私は今回初めて氏の書を読みました。
そのせいなのか、しっかり参考文献や論文を引用して論理的にかつ一般人に分かり易く技術を説明しています。いわゆるサイエンスライターでもあるのでしょう。

すでにリニア中央新幹線の工事が始まり、財投の3兆円もJR東海に貸し付けられている。しかしながら工事凍結の裁判や静岡県での大井川の水問題での工事着工許可がなされず、2017年の品川―名古屋間の開通はほぼ不可能と言われています。また他県においても工事の遅延があり、さらにコロナ禍での大幅な新幹線乗客数の減少も続いている(2020年12月現在)。
さて、本書では、そのような流れの中で、果たしてリニア新幹線構想が歴史的にどのように推進されたのか、また技術的に世界および日本での開発の歴史と問題点などを丁寧に時系列と論文等から論考しています。自然保護や自然界という論点は本書では論じていません。

個人的にはそれなりにリニア関連の書籍は読んで来て、なぜ、国策からJR東海の単独事業としてリニア中央新幹線構想が成立してしまったのかは、技術者の夢、それに乗った国鉄その後のJR東海、そして政治家がいたからだと認識していました。本書においても非常にその点を分かり易く説明しています。構想が出来た当時の財務当局(大蔵省)が予算を付けなかった事に関しては本書では触れていませんが、明らかに採算ベースでは無かったのだと思います。

技術論では、超電導磁石問題や台車部分のタイヤ(136個のタイヤが使われるという事を
初めてしりました)の安全性や耐久性の問題、そして騒音(いわゆる耳ツン問題や実験線での体験乗車時の感想)問題を分かり易く説明しています。
私の記憶では、鉄道総研(旧鉄道技術研究所)の一般向け書籍に21世紀には高温超電導どころか常温超電導も出来ていると書かれていたと思います。残念ながら実現していません。

またJR東海の民間事業だと思われていますが、リニア技術開発には多大な国費が投入されていますし、山梨実験線には山梨県の無利子融資が140億円あるという事も本書では触れられていませんが既成事実です。

そして最後に著者はリニア実験線は実は既成の従来方式での新幹線も走る設計になっているのではないかと指摘しています。非常になるほどと思う考察でした。

以上読んでみてネタバレになるのを避けるために帯から引用しておきます。
「国家的事業」の見直しを提言すると。

超電導リニアの不都合な真実
謙一, 川辺
草思社
2020-11-30


釣りの話 亀山素光 1940

山本素石さんの「素」は亀山素光からいただいたと確か素石みずからが書いていたと記憶。

ちなみに「石」は佐藤垢石から。

やっとそんな亀山さんの本を入手(笑)

読むというよりは、眺めて楽しむ。

jaRj_lPUQVmr3uKf7xaBTwi-img600x450-1605915858wdbjym345

密漁の海で 本田良一 凱風社 2004

図書館本 良書 400ページにおよぶ

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 2018 を読んでら
知人がこの本を紹介してくれました。

本田氏(1959-)が新聞記者として地に足をつけて取材した情報をもとに構成。
北海道総合研究調査会の機関誌「しゃりばり」に2003-2004に掲載したとある。

根室という地域の見方がが変わる一冊です。
北方領土問題が基本にあり、政治、経済、外交という糸が絡みあって翻弄される地域なのである。
前半部分では密漁の過去現在をソ連側の取り締まりや癒着を綴っています。

そして後半部分では北方領土返還問題での外務省、政治家、民間団体等の絡みを時系列で
綴っています。2島返還なのか4島返還なのか、非常に厳しい外交交渉と日本国内でのイザコザ
(鈴木宗男氏、佐藤優氏、外務省の東郷局長らとアンチの勢力)。
東郷氏は2007年に北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 という書を出されている。
また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優  講談社 2006

あと数年すれば外交文書が公開になるのであろう。
その時に、分かる事も多くあるのかもしれない。

本当に北方領土は帰ってくるのだろうか?



読書メモとして 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会
ゴルバチョフ、エリティン、プーチンの各大統領時代における対露関係の中での平和条約締結と北方領土返還交渉のまさに当事者として、また鈴木宗男氏、佐藤優氏の所謂国策調査逮捕事件のある意味共犯者とも名指しされた東郷氏の回顧録とでも言える書である。
当然ながら公務員としての守秘義務と外交機密と言う文脈の中で語れない部分も多いのであろうが、歴史的な動きは非常に生き生きと書かれているのだと感じる。
東郷氏の生い立ちはまさにサラブレッドと称されるほどの名家であり、外交官僚家系と言っても差し支えないである。それゆえか、文章自体は非常に大人しく、佐藤氏の様な過激さはないし、また特定個人への非難もない。逆にそのために、外交舞台での人間関係のドロドロさも、パワーポリティクスとしての生臭さが表れていないようにも思う。(佐藤氏自身は解説の中で、鳥瞰図的な記述だと言っています)
いずれにしても小泉政権誕生後の進展無き北方領土問題やそれに付随するであろう対露外交の低迷の理由は何か?それは単にロシアスクールと言われる外務官僚とか外務省主流派と言われるアメリカスクール官僚との確執なのか。あるいはそれ以上に大きな何かなのか?東郷氏がソ連課長就任以降に北方領土問題で仕えた歴代の首相は中曽根、宮澤、橋本、小渕、森であるが、領土問題が動こうとしていた時代は橋本、小渕、森のようである。その内の橋本、小渕両氏は急逝されていて当時の首脳会談での秘密交渉などの内容は外交文書の公開を待つしかなく、回顧録等しての心象風景を知るすべもなくなっている。

四島一括返還と四島返還との大きな違いは無い事(若干の時差を生じる返還となるが)が多くの国民に理解されるように東郷氏は願っているのであると感じる。

東郷氏も、解説の項を書いている佐藤氏も東郷氏のオランダ大使辞職後の外国への渡航は「亡命」だと書いているが、もし日本に居たならば佐藤氏や鈴木氏同様に逮捕されたのだろうか? 歴史が今後明らかにしていくのであろう。


また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優  講談社 2006 などもある
読書メモ
鈴木さんと佐藤さんの対談形式で、北方領土返還交渉を政治、外交のコンテクストの中で語っている(暴露している)。そこには、まさにドロドロした人間関 係、北方領土ビジネスと言う利権、中央アジア問題が北方領土返還に鍵となる可能性等が綴られている。もちろん、ご両人の言い分を全て信じる事を良しとはし ないが、通常一般国民が知りえない外交の流れの記載は間違いがないように思う。また、ここまで特定の外務官僚や袴田教授を非難するにはそれなりの覚悟が あっての事だと思う。守秘義務がある中で、語りつくせない部分はあるのだろうが、国策捜査という「時代のけじめ」のワナに掛かってしまったご両人の今後の 活躍を祈りたい。


〈新訂増補版〉密漁の海で
本田良一
凱風社
2011-03-20





ダム関連書籍 アマゾンで削除されたリスト

Amazon review 排除一覧 ダム関連|Dream4ever|note


Amazonレビューに一度掲載後になんら連絡も無く不掲載になり、その後は再投稿も出来ない事例が
沢山あります。

まずはダム関連の書籍を備忘録的にnote にまとめてみました。

どうしても都合が悪いんでしょうね。
ダムが必要な訳でなく、ダム工事が必要な人々が。




世界標準の戦争と平和 烏賀陽弘道 扶桑社 2019

図書館本 良書

烏賀陽さん(1963-)の本は何冊か読んでいてジャーナリストの矜持を感じるお1人である。
特に原発震災後の取材は調査報道のお手本の様に思った。

本書はメディアリテラシーにも大きく関わる、世界情勢の正しい理解の仕方であろうか。
私を含めて多くの方は新聞やTVあるいはネットで流れるニュースに多くの場合、正しいのだろうと
思っている。
しかし、多くの場合、視聴率であったり販売数であったりというバイアスが掛かる事を知らない。
あるいは、あくまでも日本人からの見方が優先で、外部からの見方や評価にたいしては言及しない、
あるいは少ない。

特に安全保障(軍事とイコールではない)に関しては自国優位を目指すので情報が偏りがちの
ようだ。

そんな例が、たとえば「接続海域」、これは領海ではなく公海同様に通行できるのにもかかわらず
接続海域に入域があたかも領海侵犯の様にメディアが報道する。
領海においてもなんら許可を取ることなく航海できる方法もあるのである(無害通航)。
その様な知識が無いとあたかも中国が領海侵犯をしまくっているという世論が醸成されてしまう。
著者は台湾と韓国における中国船の領海侵犯例の数をあげて比較している。(当然日本はごく少数)
あるいはベトナムと中国の海洋上で多くのトラブル

また公的機関の情報も注意して読まねばいけないと指摘する。例えば、日々の実数データと
月ごとのデータでのまとめ方で受け取り方が違う可能性があること。

海上保安庁(国交省)と防衛省の予算の年次変化(増加)は何を示すのか?納税者である国民の
判断基準はなにか?


アメリカ人、中国人という括りでの判断、白人、黒人などの括りでの判断の危険性も指摘
そして、視点を変えたり、論点を変えてみたり、多面的に情報を読み込むことが最終的には
平和に繋がるのでしょう。

ただ、出来れば今の軍備(核武装)は無くなる様な動き(著者は現状は核戦争が起こらないMAD:Mutual Assured Destruction 相互確証破壊 としていますが)

非戦、不戦が永久であることが一番の世界平和だと思うのです。


漂流者の生きかた 五木寛之 姜尚中 東京書籍 2020

図書館本

週刊朝日に2008-2013にかけて掲載された対談と語り下ろし
五木さん(1932-)と姜さん(1950−)という知の巨匠と言っても良いお二人。
五木さんは戦争での苦労、姜さんは自身の出自に関する苦労
そして日本という国の中で生きて来た現実

お二人とも宮本常一の様に歩き、聴き、言葉を紡いで来た人だと再認識しました。
まさに生きる哲学をご自身で一つ一つ丁寧に積み上げてきたのだと。
宗教、文化、国籍、身分など多岐にわたる話題での対談が興味深い。
特に西部邁氏の自死に関するお二人の語らいはなるほどと思った。

五木さんは沖浦和光さんとの同行取材もされているように漂泊の民や漂流者というコンテクストに
非常に親和性が高く興味があるのだと再度認識した。
だからこそ、タイトルに漂流者を入れたのだろうと勝手に妄想したのである。


漂流者の生きかた
尚中, 姜
東京書籍
2020-07-09

鉄路の果てに 清水潔 マガジンハウス 2020

図書館本 良書

清水さんの著作は幾つか読ませて頂いており、TVドキュメントも素晴らしい作品があります。
調査報道とは何か、ジャーナリストとは何かが良く分ります。


生家の片付けで出て来た父親のメモ
そのメモに残された言葉から父親が抑留されたシベリアへの旅が始まる。

単なる旅行エッセイでないのが清水さんの真骨頂だろう。
戦争という不条理を鳥瞰的に見ると分かる事が多いのだ。
日本から見た諸外国、諸外国から見た日本。
相手がどう感じていたのか、そんな捉え方も重要であることが分かる。

備忘録メモ
幻の国家 満州国 13年間で終焉
石橋湛山の指摘 大正10年(1921)東洋経済新報 社説 大日本主義の幻想
シベリア抑留日本人 57万人以上 死亡者1万5千人以上 日本のシベリア出兵への報復意識?
ソ連軍 1946年3月から中国東北部から撤退 1955年には旅順を中国へ返還
    北方4島以外の日本の固有領地の収奪なし 北海道分割案
逃げた関東軍総司令部 邦人保護せず

最後に清水さんが綴る
同じ過ちを繰り返さないために。
すべては、やはり「知る」ことから始まるのだと思う。
戦争は、なぜ始まるのか
知ろうとしないことは、罪なのだ。
何かを学び、何かをしる旅。
必要であれば、私はいつでもその地へと出かけていくだろう。
たとえ、それが遥かなる鉄路の果てでも。

鉄路の果てに
清水 潔
マガジンハウス
2020-05-21


蓼食う人々 遠藤ケイ 山と渓谷社 2020

図書館本 良書

遠藤さん(1944-)の生き様を食物を通して綴っている感じ。

食文化は地域地域により異なっていて、本書に登場するザザムシも長野県でも一部地域が
メインとなっていたりします。
自然からの恵みは、山からであり、海からであり、山と海を繋ぐ川からであろう。
まさに自然に生かされて生きてきた人間に対して、遠藤さんの見る目は非常に優しい。
厳しい自然環境の中でも時に楽しみながら動物や植物と対峙する姿が臨場感あふれている。
そして、だんだんとそんな食文化が環境破壊や地域の過疎化等で無くなって行く現状を
憂いている様にも感じる。

阿仁マタギの猟の話には故西根さんの話も登場するし、鮎のチン叩き漁なんている
面白い話もある。

そして吐露する
「人は、食うために切るのではない。生きるために食う。他の命を犠牲にして生きる価値を
どこに求めるのか。それが人間一人一人に突き付けられて課題にほかならない」

本書では扱われている食材。
野兎/ 鴉/ トウゴロウ/ 岩茸/ 野鴨/ 鮎/ 鰍/ 山椒魚/ スギゴケ/ スガレ/ ザザ虫/ イナゴ/ 槌鯨/ 熊/ 海蛇(エラブウミヘビ)/ 海馬(トド)

若干話が盛られていると思われる部分もあるがそれはそれで面白い。

蓼食う人々
遠藤ケイ
山と渓谷社
2020-05-07


時代の抵抗者たち 青木理 河出書房新社 2020

図書館本 良書

スタジオジブリ刊行の月刊誌「熱風」2015年7月からの青木氏の連載「日本人と戦後70年」の対談者から9人分をまとめたとある。

恥ずかしながら知らない方もいて、自分の無教養さを痛感した一冊。

備忘録として
芸能界と自民党の関係
青島幸夫さんの凄さ
文部省関連議員のパワハラ
古賀誠氏 2歳の時に父がレイテで戦死
平野氏 僕らの世代はある種の恥の世代として歴史に記憶されることを覚悟
    共謀罪、集団的自衛権の行使容認の道、特定秘密保護法


目次

第1章 なかにし礼―芸能という自由・平等・猥褻
第2章 前川喜平―集団主義の教育から強権支配へ
第3章 古賀誠―平和を貫く保守政治を
第4章 中村文則―言うべきことを言う姿勢
第5章 田中均―いまは知性による抵抗のとき
第6章 梁石日―潜在化した差別が噴き出す危険性
第7章 岡留安則―スキャンダリズムから沖縄の怒りへ
第8章 平野啓一郎―国家権力が人を殺すということ
第9章 安田好弘―オウム事件、光市事件の弁護人として

時代の抵抗者たち
青木理
河出書房新社
2020-05-26


神社で柏手を打つな! 島田裕巳 中公新書ラクレ 2019

図書館本

一般常識は何処に由来するのか?
そんな疑問に答えてくれる一冊。

当たり前だと思っていた事が、じつは比較的最近に導入された風習であったり文化であったり。

儀式儀礼などは特に古来からあったと思いがちでありますね。
あるいは種々なイベントなど。
多くの場合、決まり事(しきたり)だとおもって同調してしまうわけですね。
本書では色々な事例をもとに歴史を検証して、常識を疑う事を指摘している様に感じる。
初詣、墓参り、結婚式(祝儀、お返し)、クリスマス、ハロインなどなど。


無敗の男 常井健一 文藝春秋 2019

図書館本

選挙の本質を臨場感高く中村喜四郎さんの評伝とも言える作品。
なぜ中村候補は無敗で勝ち続けられたのか?
自民党と離党しても、懲役刑で服役しても。
令和になり、菅政権になり、野党再編がどの様な展開をするのか?

なぜトランプがクリントンに勝ったのかを現地に赴いて自らの五感で吸収する姿が
非常に印象的である。

政治家と利権、おそらくこれはこれからも受け継がれるのであろう、しかしそのためには
国として日本が存在していることが大前提である。それがアメリカの属国としてであれ
中国の属国としてであれ。

中村氏の様な政治家が郷土益、国益を考え、外交や内政に真剣に取り組む事が右だの左だのと
いう小さな枠組みで絡み合うことへのカウンターであってほしいと感じた一冊。

またメディア嫌いな中村氏に食いつき、食い下がり、親族や後援会、秘書らにもしっかり取材しているからこそ、臨場感あふれる書になったのだと感じた。

そして選挙という戦いが、まさに泥臭い、どぶ板であり、戸別訪問であり、個人の信頼であることが
良く分かる。地域回りと活動報告であると。

中選挙区制から小選挙区制への移行で投票率がおよそ18%減少(1800万人相当)、その減少分が再度投票に向かえば政治は変わると指摘。


この2018年NHKの記事も本書に関連する。



2017年のジャーナリスト畠山さんの連載も興味深い





八ッ場ダムと倉渕ダム 相川俊英 緑風出版 2020

amazonの取り扱いが遅かったのでrakutenで購入
良書 

八ッ場ダムと倉渕ダム 相川俊英 緑風出版 2020

「清流に殉じた漁協組合長」(2018年、コモンズ)は読了しております。
八ッ場ダムも倉渕ダム(建設中止)も群馬県に存在する。
著者の相川氏も群馬県出身であるとのこと。
読んでいて、臨場感を感じるのは故郷への想いも有るからだろうと勝手に想像した。

本書の帯にあるように、なぜ八ッ場ダムは出来てしまったのか?
利根川の氾濫を防いだとという報道・情報は本当か?

その二つの質問に本書は明確に答えている。ネタバレになるからここでは書かないが。

本書を通じてわかる事は、
河川ムラ(ダム利権ムラ)の構造と時の政治との絡みに翻弄される地域と住民。必要なダムはあるだろう、しかしそれ以上にダム工事が欲しい人々がいる事が根源にあるのだろう。だから何十年も前に計画されて多くのデータの矛盾が指摘されているにも関わらず未だに建設を強行しようとする石木ダムのように。
そして地元住民すらよく知らずに治山ダム(農林水産省管轄)や国交省管轄の利水・治水・多目的ダム、水力発電をメインとする公営あるいは私企業ダムなど種々な利権が入り乱れている様だ。
ダム事業の必要性をでっち上げる行為は全国で行われているのだろう。

読書メモ
ダム建設の基本は建設の目的(治水、利水、発電等)が科学的データを元に調査解析されているかである。流域住民の命や財産を守るために何が最も効果的であるのか、それが最優先の調査研究項目であろう。そしてダムの場合、河川改修等とダム建設の費用対効果などを公正に解析する。
倉渕ダムの場合(県営)、過去の洪水被害を過大に喧伝していたことが明らかになった。
さらには公文書の遺棄や改竄も明らかになる。
洪水調節機能の一つとして想定氾濫区域を過大に見積もり
県民サイドに立った官僚出身の県幹部(その後知事)の存在 それを補佐する優秀な出向官僚の存在 (とある群馬県在住の哲学者も懐刀だったようだ、上野村の方だと思う)
公開討論会 大熊教授(新潟大、東大工学部出身)、水源開発問題全国協議会の嶋津さん、県関係者 第2回目は開かれず
倉渕ダムの費用対効果 0.19とのデータも出る
倉渕ダム建設中止の幸運点(ダム予定地が県有林、住民移転無し、県が簡単に建設出来ると想定、流域住民の反対を予見せず)
最終的に倉渕ダムの利水目的も治水目的もダム不要と結論

国策ダムとしての八ッ場ダム
1952年に構想 
1986年建設基本計画 建設費2110億円 完成2000年
1994年関連工事開始 2001年計画変更 完成2010年
2003年計画変更 総事業費 4600億円 関連都県は了承(群馬も最終的に了承)
国の洪水設定の過大過剰な設定 治水効果の高い堤防の強化や新設、河川改修の提案
2009年 民主党マニフェスト ダム中止 (筆者指摘 実現させる力量と熱意、戦略、覚悟や本気度などを伴ったものとは言い難い。選挙戦術の一つ。)
準備無しの中止宣言 
前原大臣と元キャリアの宮本博司さん(ダム屋エースでありながら公正中立な治水政策立案に貢献、その後退官)
非公開有識者会議からダム懐疑派の排除(宮本さん、大熊さん、嶋津さん、いずれも排除)
国交省からの地方自治体土木部への出向人事 ダム推進の機動力 官僚たちのやり方
ダムに依らない治水
 河道改修に予算配分(ダムだけに莫大な予算)
 越流を防ぐ堤防(耐越水堤防工法の導入)
 日常的な河川管理(土砂やヘドロ)
 土地利用規制(氾濫の危険性の高い地域)
国交省でも自治体土木部でもなく、河川・治水行政から流域住民が主体となる治水への転換が求められている

第一章 ダムをとめた住民と県知事
 地味で目立たぬ知事の「脱ダム宣言」
 保守大国で異例のダム反対運動
 代表の身銭で独自調査を敢行
 県の怪しい行動から真実を暴く
 県職員を徹底追及する敏腕記者
 住民説明会で露呈した役人の無知
 住民運動の分裂と新規参入
 県民に寄り添った官僚出身知事
 側近が感じた環境派知事の苦悩
 県の公聴会でやらせ発覚
 現職がダムを争点外しに出た高崎市長選
 ガチンコ公開討論会で県が住民側に完敗
 倉渕ダム凍結に推進派は沈黙
 ダムなしでの治水利水策を実施
第二章 国策ダムに翻弄される住民と地方自治
 敗戦直後に策定された巨大ダム計画
 ダム官僚の天敵となった群馬の町長
 ダムができて急速に衰退した故郷
 上州戦争が激化し、副知事不在に
 迷走する八ッ場ダム事業に知事の苦言
 現職知事を追い落とす保守分裂選挙
 県議会で八ッ場ダム必要論を論破
 八ッ場が政治課題に急浮上した背景
 政権選択選挙と八ッ場ダム
第三章 八ッ場ダム復活の真相
 準備なしの中止宣言で墓穴を掘る
 馬を乗りこなせない政治家たち
 ダム官僚の思う壺となった有識者会議
 民主党から出馬表明し、驚愕させた小寺前知事
 地元で痛いところを突かれる前原大臣
 民主党の敗北と失意の病死
 地に落ちた政治主導の金看板
 着々と進む建設続行への道
 中止を中止して万歳三唱した国交大臣
 民主党政権の失敗から学ぶべきもの
おわりに



出版社のHP


hay4NNQySQSArxjDGUm14Q

八ヶ岳デイズ vol.19  2020年9月

これまで買い続けているシリーズ

今回は二地域居住という、コロナ禍でのタイムリーな話題がメイン

実際に二地域居住している先駆者の皆さんの生活をトレースする感じで興味深い。

養老孟司さんが地域創生としての官僚の参勤交代制を以前より提案していました。
これも一つの二地域居住かな。

コロナ禍でのリモートワークやテレワークが可能な職種が多くある事が判明したことで
自宅と都心部のオフィースへの無駄な通勤がいかに多いかが明らかになった。

そんな状況下で多くの方が移住や二地域居住を考え出したことは想像に難しくないですね。

都心部のオフィース賃貸料も下がって来たとか、オフィースを縮小する企業も出て来たとの
報道もある。

より良い生き方、幸せな時間の使い方を考える上で二地域居住は一つのチョイスでしょう。

多くの地元ハウスメーカーの宣伝もある意味、二地域居住にはマッチしていますね。
また、停電時の発電機という視点の宣伝も面白い。

八ヶ岳デイズ vol.19 (TOKYO NEWS MOOK 879号)
東京ニュース通信社
2020-09-24

経済政策で人は死ぬのか? ディビッド・スタックラー&サンジェイ・バス 草思社 2014

図書館本 良書

原題:THE BODY ECONOMIC, Why Austerity Kills 2013
Why Austerity Kills 緊縮財政はなぜ人を殺す?

緊縮財政が人を痛めつけ、殺して来た歴史を統計データ(2007年から研究開始)で明らかにしています。

もっと早く読んでおくべきでした。コロナ禍の現在(2020年10月)世界各国のコロナ対策がどの様な結末を迎えるのかも、本書と同じ解析手法で明らかとなり、人々の人生が国の政策によりどういう道をたどるのかという未来が見えて来そうである。

作業仮設は単純明快です。
経済危機(世界恐慌、リーマンショック、アジア通貨危機)等における国々の公衆衛生あるいは保健関連施策を緊縮財政施策とするか経済刺激的施策とするのか。すなわち保健分野の予算を縮小させるのか、それともこれまでと同等あるいは増額するのか?
そして施策実行後のGDP上昇率、失業率、自殺率、疾病率、ホームレス数、平均寿命変化等から結論を導きます。
研究者自身は施策を提出出来ないし、実行も出来ないので、これを自然実験と名付けています。ですから、非常に痛ましい事例にも遭遇し、辛い思いもせざるを得ません。

備忘録的メモ
健康にとって本当に危険なのは不況それ自体でなく、無謀な緊縮政策。
セーフティネットの予算削減:失業、住宅差し押さえ 
疫学転換を除去したあとのデータから死亡率の上昇や低下を検討する
ニューディール政策は、最低限の健康な暮らしを支える役に立ったという意味で、アメリカで実施された公衆衛生政策のなかで最大規模のものである。州ごとにデータは異なる。
ソ連崩壊後の死亡危機(男性死亡数の増加と平均寿命短縮、アルコール中毒や自殺)
ショック療法的政策 急激な市場経済導入(ジェフリーサックスやローレンス・サマーズなどハーバード大経済学者)
ジョゼフ・スティグリッツらは漸進的民営化を主張 しかしIMFの融資と政策
市場経済移行の速度差による自然実験(ポーランド、中欧・東欧、ロシア)死亡率、貧困率に大きな差異
アジア通貨危機、IMFに従った国、従わなかった国(マレーシア) マレーシアは自然実験の対照群となった。そしてマレーシア(マハティール首相)は他のアジア諸国より早く通貨危機を克服 さらにエイズ感染率も抑えられ、幼児死亡率も上昇しなかった。
IMF: Infant Mortality Fund(幼児死亡基金)、I am fired (クビになった)と揶揄
アイスランド金融危機(2008年)IMFに支援要請、しかし極端な緊縮策を拒否 医療予算増額
ギリシャ金融危機 IMFの緊縮財政策受け入れ 種々な不正の暴露 対策費削減による感染症増大
アメリカの健康問題 オバマケアとその後 医療保険制度問題
失業率の増加に伴う抗うつ薬の処方件数増加
失業率と自殺率が相似(スペイン)、自殺率低下(スエーデン 積極的労働市場政策ALMP)
ベーカーズフィールド(米国)でのウエストナイルウイルス蔓延(蚊による媒介)は住宅差し押さえによるプールでの蚊の繁殖が原因 ホームレス化(車上生活を含む)による子供の健康への影響大
不況下での緊縮財政は景気にも健康にも有害
保健医療分野では1ドルの公共投資が経済を3ドル押し上げる
人命にかかわる問題をイデオロギーで考えてはいけない。



最後の湯田マダギ 黒田勝雄写真集 藤原書店 2020

図書館本 良書

黒田氏(1938-)が1977-1997年にかけて撮影した作品(黒田氏が会社員時代。定年退職後に
プロ写真家)

マタギだけの写真集ではなく、地域の生活を丁寧に撮影していてほのぼのする。
その土地に生きる人々を白黒写真には愛情が滲み出ていると感じます。

失われていくマタギ’(狩猟)文化の記録としても興味深い。

黒田勝雄写真集 最後の湯田マタギ
黒田 勝雄
藤原書店
2020-05-27

山とけものと猟師の話 高橋秀樹 静岡新聞社 2020

良書

静岡県富士市在住の高橋氏(1954- 鹿児島生まれ)の自身の体で感じとった経験と調査などによって
綴られた森と人間の関係性。


30代はフリーのライターとして忙しく生活し、生き方に疑問を生じて初めて渓流釣りで
訪れたのが群馬県の上野村だという。(哲学者の内山節さんと同じ感じ、内山さんはその後
上野村に半移住)
森は人を癒す優しさと、人を包み込む何かがあるのだろう。

秋田県阿仁町のマタギナガサの鍛冶職人で猟師の西根稔さん(故人)にも会い森での狩猟に関して
聞き取り、また狩猟にも同行して森の豊饒さを味わったという。

そして地元静岡の井川や伊豆での狩猟などを取材して綴っている。

もちろん本書は猟の話だけではなく、現在の森林荒廃問題や、鹿による食害、ジビエとしての獣肉の事
地域と森との関係(歴史、民俗、風習)などを丁寧に書いています。

山とけものと猟師の話
高橋秀樹
静岡新聞社
2020-06-17

山小屋ガールの癒されない日々 吉玉サキ 平凡社 2019

図書館本

最近、山小屋経験者の本が多いと感じますね(笑)
何冊かブログでもメモを残していると思う。

本書はwebメディアで連載されたものと書き下ろしで構成されているとの事。

山小屋での日々や登山者の事、山小屋従業員(ほぼアルバイトの方)の日常や社会や
友人との関係性が綴られている。

私は山には登らない(源流釣りはする)けど、登山者の習性が分かる気がした。
特に山小屋従業員から見た登山者の生態とでも言えば良いだろうか。

著者が指摘するように、山は制するのでなく、登らせてもらうという姿勢が良いですね。
山ガールを上から目線で説教したり揶揄する爺婆登山者の存在も笑えた(むかついた)。
山のお局という存在もあるらしい。

そして、何よりも多くの山に係わる人たちがいて山での事故や遭難に対応しているという事。
安全で安心できる登山を皆さんしてください。
いつでも背負って下山させてもらえるとか、捻挫程度でヘリを呼んだりという今日この頃。

山小屋ガールの癒されない日々
サキ, 吉玉
平凡社
2019-06-21



黒部源流山小屋暮らし
やまとけいこ
山と溪谷社
2019-03-16

Profile
鎌倉おやじ
趣味:イワナに遊んでもらう、菜園、読書、焚き火、ランタン

愛読人:内山節、池田晶子、養老孟司、山本素石、高桑信一、相田みつを、宮本常一、網野善彦、野田知佑、南木佳士、川上健一 佐藤優 内田樹(順不同)

夢:晴釣雨読で自給自足、在来魚保護 (最近釣りにはそれほど熱中してません、年のせいでしょうか)
Recent Comments
Archives
お薦め映画