ちょっと古いですが、調査報道番組 熱海の痛ましい事故の前ですね。






日本各地の“盛り土”建設残土問題を2年にわたって追跡取材。
都会の“負の産物”を引き受ける“残土ビジネス”の実態を追った。

2018年、愛知県瀬戸市の住宅街に突如現れた“盛り土”で、住民が困っているとの情報を得て取材を開始。
すると、「休耕田にリニア新幹線の工事で出た残土を1メートルの高さにして搬入させてほしい」という業者に対して、土地の所有者は「搬入後は畑として使えると言われたし、JRの事業だから変なことはないだろう」と了承した。

ところが、それは真っ赤なウソだった。

さまざまな建設現場から出た土の寄せ集めの山と判明した。
一方、三重県南部の尾鷲市周辺は格好の“土捨て場”。
関東・関西の工事現場の残土が船で運びこまれ、港からすぐの山肌が削られ捨てられていた。

建設残土は、開発の陰でうみ出される「負の産物」だ。
東京オリンピックや大阪万博など都市部での新たな開発が進む中で、国がその規制を曖昧にしていることは、これから日本全土の問題として広がるのではと危惧する。
また、繁栄する都市部と衰退していく地方の間で起きている「南北問題」とも言える。

日本はこのまま“盛り土”建設残土問題にしっかり向きあわなくてもいいのか・・・。

【受賞歴】
・令和元年度(第74回)文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門「優秀賞」
・第46回 放送文化基金賞 番組部門 テレビ・ドキュメンタリー番組「奨励賞」

2019年11月放送