図書館本

2019年に厚労省を退職された(キャリア職員 医系技官ではない)著者が見た霞が関と永田町。

絶妙な時期(コロナ禍になる前)に厚労省を辞めたのは正解でしょうね。

これまでも厚労省を辞めた医系技官の暴露ぼやき系の著書はありましたが、
本書は法律改正や政策立案などに係わった方なので興味深い。

いわゆる脱藩官僚(経産の古賀さん、原さん 議員の江田さんも?、財務の高橋さんら)の皆さん
とその根本的な主張は同じではないかと思う。

ただ、昨今の官邸主導型の人事を利用した官僚支配の問題点を著者は例をあげて指摘している。
コロナ初動ミス(一斉休校や給付金等)はまさに官僚を無視して進めた結果でしょう。

政治家と官僚のモチベーションが国民の幸せに向かっていないのだろうと想像しています。

若手官僚の離職が象徴するように、誰のために働いているか分からない状況なのだろう。

旧態依然とした前例主義、デジタル化の遅れ、国会待機等の無駄

出来る官僚が辞めていく日本に未来はないのだと思う一冊でした。



ブラック霞が関(新潮新書)
千正康裕
新潮社
2020-11-18