図書館本 良書 お勧め
歪む社会(安田浩一x倉橋耕平、 論創社 2019)と同時進行で読了。
なぜいとも簡単に歴史的真実が歪められ、市民が信じてしまうのかが理解出来ました。
インターネットで収集する情報は自分に都合が良かったり、心地良いものだけを選択する時代、それに追随する営利企業としての出版社やメディア。
ニセ科学等にも親和性がある歴史修正主義がどの様に蔓延したか時間的な変遷をメディアとの関連で広く深く考察しています。
2022年に読んだわけですが、現時点で俯瞰すると、歴史修正主義者の言動の熱量は下がって来ている(ヘイトや差別に対する法律成立や社会がそれを是正するように動いているせいだと考えたい)。
そして歴史修正主義者の手法を理解しておくことが必要である。
備忘録メモ
専門家と(学術分野)で確定している事実を無視
論争の場所が学術誌や学会でなく、メディア(雑誌、漫画、一般書等)
ビジネスとしての歴史修正主義(サブカルチャー 保守ビジネス、稲田元防衛大臣の誕生)
修正主義の現状は歴史否認、歴史否定
陰謀論を用いて現状を説明可能に見せる
八木、潮、渡部、福田、西尾、桜井、藤岡、小林、ギルバート 歴史学者皆無、メディア知識人の進出
日本会議と教科書採択運動
学術出版社から歴史修正主義的な出版皆無
ウケる、売れるの基準での出版
「専門家」でないという免罪符、メディアにおけるイデオロギーの「論破」だけでOK
論壇のサブカルチャー化 小林の論壇参入 アマチュアの参入可能
読者が結論を出す、読者参加型メディア 保守論壇誌
民主的議論を演出するメカニズム ゴー宣
朝日新聞叩き、他紙も慰安婦報道、性奴隷の初出はAP通信 毎日>朝日
国内英字紙での性奴隷表記 朝日>毎日>読売
朝日を叩くことの商業性(ビジネスチャンス)
アマチュアリズムの中で展開する歴史修正主義
メディア産業界の対立を利用してビジネス化 朝日vs産経
広告収入文化 グーグル検索
情報に対する査読、編集の消失
歴史修正主義者の手法
目次
はじめに
序 章 なぜ「メディア」を問うのか
1 保守言説の広がり
2 これまでの調査研究でわかっていること
3 本書の対象――歴史修正主義と一九九〇年代
4 「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」
5 本書のアプローチ――コンバージェンス文化
6 本書の構成
第1章 歴史修正主義を取り巻く政治とメディア体制──アマチュアリズムとメディア市場
1 歴史修正主義の特徴
2 歴史修正主義はどこで/誰が展開しているのか
3 教科書をめぐる政治運動と右派メディア知識人
4 歴史修正主義をめぐるメディア市場
第2章 「歴史」を「ディベート」する──教育学と自己啓発メディア
1 「自由主義史観」と「ディベート」
2 「歴史」を「ディベート」する
3 メディアでのディベート表現の展開
第3章 「保守論壇」の変容と読者の教育──顕在化する論壇への参加者
1 「論壇」の輪郭と「論壇」の問い直し
2 読者の「教育」――読者コーナーのメディア論
第4章 「慰安婦」問題とマンガ──『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論
1 これまで小林よしのりはどう語られてきたか――先行研究と本書のアプローチの違い
2 「慰安婦」問題を否定する保守言説の構築とそのメディア特性
3 「読者」の扱いと言説空間の構築
第5章 メディア間対立を作る形式──〈性奴隷〉と新聞言説をめぐって
1 〈性奴隷〉の初出をめぐって
2 主要新聞報道で〈sex slaves〉はどのように用いられたか
3 批判の「形式」へのこだわり
終 章 コンバージェンス文化の萌芽と現代──アマチュアリズムの行方
1 コンバージェンス文化の萌芽
2 コンバージェンス文化の現在
おわりに
歪む社会(安田浩一x倉橋耕平、 論創社 2019)と同時進行で読了。
なぜいとも簡単に歴史的真実が歪められ、市民が信じてしまうのかが理解出来ました。
インターネットで収集する情報は自分に都合が良かったり、心地良いものだけを選択する時代、それに追随する営利企業としての出版社やメディア。
ニセ科学等にも親和性がある歴史修正主義がどの様に蔓延したか時間的な変遷をメディアとの関連で広く深く考察しています。
2022年に読んだわけですが、現時点で俯瞰すると、歴史修正主義者の言動の熱量は下がって来ている(ヘイトや差別に対する法律成立や社会がそれを是正するように動いているせいだと考えたい)。
そして歴史修正主義者の手法を理解しておくことが必要である。
備忘録メモ
専門家と(学術分野)で確定している事実を無視
論争の場所が学術誌や学会でなく、メディア(雑誌、漫画、一般書等)
ビジネスとしての歴史修正主義(サブカルチャー 保守ビジネス、稲田元防衛大臣の誕生)
修正主義の現状は歴史否認、歴史否定
陰謀論を用いて現状を説明可能に見せる
八木、潮、渡部、福田、西尾、桜井、藤岡、小林、ギルバート 歴史学者皆無、メディア知識人の進出
日本会議と教科書採択運動
学術出版社から歴史修正主義的な出版皆無
ウケる、売れるの基準での出版
「専門家」でないという免罪符、メディアにおけるイデオロギーの「論破」だけでOK
論壇のサブカルチャー化 小林の論壇参入 アマチュアの参入可能
読者が結論を出す、読者参加型メディア 保守論壇誌
民主的議論を演出するメカニズム ゴー宣
朝日新聞叩き、他紙も慰安婦報道、性奴隷の初出はAP通信 毎日>朝日
国内英字紙での性奴隷表記 朝日>毎日>読売
朝日を叩くことの商業性(ビジネスチャンス)
アマチュアリズムの中で展開する歴史修正主義
メディア産業界の対立を利用してビジネス化 朝日vs産経
広告収入文化 グーグル検索
情報に対する査読、編集の消失
歴史修正主義者の手法
目次
はじめに
序 章 なぜ「メディア」を問うのか
1 保守言説の広がり
2 これまでの調査研究でわかっていること
3 本書の対象――歴史修正主義と一九九〇年代
4 「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」
5 本書のアプローチ――コンバージェンス文化
6 本書の構成
第1章 歴史修正主義を取り巻く政治とメディア体制──アマチュアリズムとメディア市場
1 歴史修正主義の特徴
2 歴史修正主義はどこで/誰が展開しているのか
3 教科書をめぐる政治運動と右派メディア知識人
4 歴史修正主義をめぐるメディア市場
第2章 「歴史」を「ディベート」する──教育学と自己啓発メディア
1 「自由主義史観」と「ディベート」
2 「歴史」を「ディベート」する
3 メディアでのディベート表現の展開
第3章 「保守論壇」の変容と読者の教育──顕在化する論壇への参加者
1 「論壇」の輪郭と「論壇」の問い直し
2 読者の「教育」――読者コーナーのメディア論
第4章 「慰安婦」問題とマンガ──『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論
1 これまで小林よしのりはどう語られてきたか――先行研究と本書のアプローチの違い
2 「慰安婦」問題を否定する保守言説の構築とそのメディア特性
3 「読者」の扱いと言説空間の構築
第5章 メディア間対立を作る形式──〈性奴隷〉と新聞言説をめぐって
1 〈性奴隷〉の初出をめぐって
2 主要新聞報道で〈sex slaves〉はどのように用いられたか
3 批判の「形式」へのこだわり
終 章 コンバージェンス文化の萌芽と現代──アマチュアリズムの行方
1 コンバージェンス文化の萌芽
2 コンバージェンス文化の現在
おわりに