松尾貴史のちょっと違和感:沖縄・米軍廃棄物への抗議「威力業務妨害」疑い 警察権力の乱用だ | 毎日新聞


秋乃さんを応援しています。
本も出されています。(下記)Amazonのレビューは排除されました。どうしても都合の悪い
沖縄で利権に寄りかかる輩がいるのでしょう。http://dream4ever.livedoor.biz/archives/52669651.html

まさに犠牲のシステムとしての沖縄です。
犠牲のシステムとは
「犠牲のシステムでは、或る者(たち)の利益が、他のもの(たち)の生活(生命、健康、日常、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。犠牲にする者の利益は、犠牲にされるものの犠牲なしには生み出されないし、維持されない。この犠牲は、通常、隠されているか、共同体(国家、国民、社会、企業等々)にとっての「尊い犠牲」として美化され、正当化されている」


世界遺産候補地には米軍の廃棄物(武器等)が多量に捨てられていることを知らない国民






チョウ類の研究をしている宮城秋乃さんは、沖縄の「やんばるの森」で観察や調査をしている。そこは世界自然遺産の候補地になっている、2016年に返還された米軍北部訓練場跡地を含む森だ。ヤンバルクイナ、リュウキュウヤマガメ、絶滅危惧種のシリケンイモリなどの動物たちも生息している。そんな自然の森であるはずのところに、金属やプラスチックの廃品が回収もされず、大量に残されている。米軍がそのまま放置してしまった薬きょうや未使用弾、巨大な鉄板、野戦食のゴミなどだ。まだ現場には空包や、放射性物質コバルト60を含む電子部品などが散乱しているほか、地中にも埋められているという。

 このまま世界遺産に登録されれば、この状況を容認することになると考えた彼女は、宜野湾市での講演などで「廃棄物の存在を隠蔽(いんぺい)しようとしていた。登録不可の可能性もある」と語ってきた。「こういう状態なので登録延期もやむなし、片付けます」という態度であれば、延期されてもいずれは登録されようが、この事実が認知されれば、「登録の価値なし、不可」ということになりかねない。

 地元紙の報道などによると、この訓練場が返還される時、安倍政権が「沖縄問題に取り組んでいる姿勢」を見せるために、ことを拙速に運んだ結果、ゴミの回収を民間業者に委託したらまるででたらめの仕事で、こんな状態のままになってしまったという。この時、政府は「支障除去措置を講じて原状回復した」と説明していた。

 宮城さんは、米軍の軍事物資を見つけるたび、警察に通報してきた。しかし、警察は何も動こうとはしなかった。しかたなく、彼女は回収した物資を本来の「持ち主」に届けるべく、東村高江の北部訓練場メインゲートまで運んだ。本来ならば、米軍からも日本政府からも褒められ、感謝されるべき行為だろう。

 ここで沖縄県警はどうしたか。地元紙などによると、何と、宮城さんの自宅を家宅捜索したのだ。名目は「威力業務妨害」の疑いだという。彼女がどんな「威力」を発揮したのか。米軍基地との境界線の内側に物を置いたので「通行妨害」をしたということになっている。

 捜査員ら10人ほどが、1時間半にわたって宮城さんの自宅内や倉庫を捜索し、パソコンやタブレット端末、ビデオカメラなどを押収して行った。県警が職務怠慢でやるべきことをまったくやらず、それで見せしめのように狙い撃ちで弾圧を加えるというのはまったく本末転倒であり、警察権力の乱用による過剰な捜査としか言いようがない。宮城さんが鳴らし続けてきた警鐘を耳障りに感じた人たちが「黙らせろ」とばかりに及んだ愚行ではないだろうか。

 世界自然遺産に登録されることは喜ばしいが、それがオリンピックを東京へ誘致するために「アンダーコントロール」「世界一金のかからないコンパクトな五輪」「オ・モ・テ・ナ・シ」などと取り繕ってきたこととどこかでつながっているような気がする。

 米軍の航空機が墜落などすると「機体は米軍の財産」と、日本の警察や消防を排除して検証をさせないようにする。今月2日の夜、米海兵隊のヘリコプターが津堅島の住宅地近くの畑に不時着した。しかし、日本の政府職員もメディアも入れない。自分たちで規制線を張った警察ですら入れない。

 永久に、この国はアメリカの占領下にあるのだろうか。(放送タレント、イラストも)=6月8日執筆







ぼくたち、ここにいるよ:高江の森の小さないのち
アキノ隊員(宮城秋乃)
影書房
2017-08-05