図書館本 個人的本年のベスト5に入ると思う良書

原発震災の地を新聞記者として地域に密着したルポ、調査報道。
企業やスポンサーに忖度することなく、被災者や住民に寄り添い、しっかりと聞き取りを
行っている様に思えます。
是非多くの方に原発震災が我々に、地域に、地球に何を起こっているのかを読み解いて貰いたいですね。
本書では原発震災地住民の方々、町長らの震災と震災後の生き様を丁寧に取材して綴っています。

ひとつ気付かされたのは、なぜ福島第一原発なのか?
他の原発は立地する市町村名が付いているのに? 柏崎刈羽原発、女川原発、大飯原発など
なぜ、大熊双葉原発、楢葉富岡原発とはならず福島第一、福島第二なんだろう。
これが福島県の風評被害の一因でもありであろうと。

ある住民の方の人生が、満蒙開拓、敗戦による引き揚げ、原発事故と3度の国策移住に翻弄されたことなどは胸が締め付けられる。
台風水害で流されたフレコンバッグ問題に関してのメディアと政府のやり取りの不可思議。(回収可能との印象操作)
震災が無ければ建設が行われたであろう、浪江・小高原発の土地疑惑。(水素製造施設への変更)
復興五輪とうたった東京五輪と福島の関係性 誰のためのオリンピック
まさに東京復興のためのオリンピックであると。

白い土地 ルポ 福島 「帰還困難区域」とその周辺
三浦 英之
集英社クリエイティブ
2020-10-26