図書館本 期待外れ

新聞記者、ライターの方が農業もどきと猟師もどきをやってみましたというエッセイ。
頭脳明晰なのでしょう、哲学者、文豪などの言葉を多数引用して農業や狩猟を語ります。

結論から書けば、筆者の主張は、人間の繋がりが最も重要で、それは贈与なのであると。
決して見返りを求めるものでなく、ブツブツ交換などではないと。
ある意味、ポスト資本主義なのでしょう。

1963年生まれの筆者が蘊蓄(ウンチク)を披露しながら、いかに自分の行為が正しいのかと
いうスタンスに私には思えて仕方ない。面白おかしく書くためなのか、周りの人間を茶化している様にも思える。

猟師、職猟師、マタギなどの本を読んで来ての感想として、売文家猟師(遊びや趣味で猟をする人々、サバイバル云々という連中)と筆者に同じ匂いを感じるのである。
ちなみに、本書に登場する師匠と称される方々は非常に全うなお百姓さんであり、猟師であると
認識している。

まあ、相性の問題でしょうが、名前をだして恐縮ですが、千松 信也さん、北尾トロさん、牧 浩之さん、繁延 あづささん、志田 忠儀さんなどの本の方が、人と動物、人と自然との関わりとして理解しやすかった。
またマタギを取材した多くの書籍でも、まさに自然と動物との関わりとしての生と死、尊厳などを
理解出来た(根深誠さん、工藤 詫困気鵝田口 洋美さん、甲斐崎圭さん、千葉克介さん、田中 康弘さんなど)

備忘録
動物は、「死」を知らない。人間だけが、「死」を獲得した。「死」を発見した。
お気楽な「農本主義」は、自分にとってはお笑い草なのだ。頭ではない。肉体で分かるのだ。

アロハで猟師、はじめました
近藤康太郎
河出書房新社
2020-09-11