図書館本 良書

清水さんの著作は幾つか読ませて頂いており、TVドキュメントも素晴らしい作品があります。
調査報道とは何か、ジャーナリストとは何かが良く分ります。


生家の片付けで出て来た父親のメモ
そのメモに残された言葉から父親が抑留されたシベリアへの旅が始まる。

単なる旅行エッセイでないのが清水さんの真骨頂だろう。
戦争という不条理を鳥瞰的に見ると分かる事が多いのだ。
日本から見た諸外国、諸外国から見た日本。
相手がどう感じていたのか、そんな捉え方も重要であることが分かる。

備忘録メモ
幻の国家 満州国 13年間で終焉
石橋湛山の指摘 大正10年(1921)東洋経済新報 社説 大日本主義の幻想
シベリア抑留日本人 57万人以上 死亡者1万5千人以上 日本のシベリア出兵への報復意識?
ソ連軍 1946年3月から中国東北部から撤退 1955年には旅順を中国へ返還
    北方4島以外の日本の固有領地の収奪なし 北海道分割案
逃げた関東軍総司令部 邦人保護せず

最後に清水さんが綴る
同じ過ちを繰り返さないために。
すべては、やはり「知る」ことから始まるのだと思う。
戦争は、なぜ始まるのか
知ろうとしないことは、罪なのだ。
何かを学び、何かをしる旅。
必要であれば、私はいつでもその地へと出かけていくだろう。
たとえ、それが遥かなる鉄路の果てでも。

鉄路の果てに
清水 潔
マガジンハウス
2020-05-21