図書館本 良書

個人的には保阪さん(1939−)と半藤一利さん(1930-)の史観は信じるに値すると思って
いつも本を読んでいます。

本書はコロナ禍が始まった中で書き終えた一冊であり、コロナ禍とファシズムに関しても
ご自身の経験と歴史検証から論考されていて興味深い。

メインは明治維新からの天皇と軍部、その時の政治との民衆の雰囲気(空気)を検証して
日本のこれまで歩んだ道を文字に刻んだという感じ。その点が史料主義なアカデミアと
異なると著者が指摘。

メモ
なぜ戦争は起きたのか
唯物史観の皇国史観 マルクス主義と歴研 実証的歴史検証の重要性
5.15(S7) 2.26(S11)事件における軍部と天皇制
短期現役士官制度(短現)(S13-S20まで)主計将校としての軍人 3555人(戦死者408人)
 戦後の霞が関を牛耳る(官庁横断的に連携)仲間・同族意識 企業幹部 護送船団方式
 戦争の原価計算(軍人には出来ず)
 特攻作戦の無謀さを認識
 仲間の死、作戦の愚をしり戦争の愚かさをしっている短現出身者

意図せざる社会主義者としての田中角栄 
日清、日露戦争後の日本 国家における戦争という営業項目
大正10年から15年 軍は動かず(皇太子が摂政時代)

コロナ後に警戒すべき超国家主義的発想